調査研究成果データベース

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詳細情報 E1999120007
報告書等題名 調査研究報告書 No.123 広域京浜地域における雇用開発
−副題名 高度技能活用雇用安定地域調査
調査研究分野 雇用問題一般
地域雇用問題
実施組織名 日本労働研究機構
研究参加者 八幡 成美、立道 信吾、大橋 敦、大木 栄一、牛尼 清次
報告書等
−発表年月

1999年3月発表
−発行元 日本労働研究機構
−判型/ページ数 B5判/174
−発表・発表予定の別 発表
−販売の有無 販売
−要旨  日本経済は長期にわたる不況に直面しているが、そのような中で日本の製造業の競争力基盤を形成してきた中小製造業の比較優位が急速に失われてきている。海外生産シフトや製品輸入の増大の影響によって、技能者の採用抑制政策を長期化させてきたことが高齢化を急速に進め、これが熟練技能・技術の継承面で深刻な状況を生みだしている。そこで、労働省では高度技能労働者を雇用する事業所が集積しており、生産拠点の海外移転等の経済的理由から雇用状況が悪化し、またはその恐れのある地域を「高度技能活用雇用安定地域」として指定し、労働者の高度の技能等を活用した新事業展開による雇用創出およびそれに関連した能力開発を推進するために支援している。平成10年12月31日現在で全国25地域が地域指定を受けており、今回調査対象とした、東京都品川区・大田区、神奈川県横浜市・川崎市・相模原市・大和市(以下広域京浜地域と呼ぶ)もその一地域である。
 本調査研究は広域京浜地域高度技能活用雇用安定会議が各種事業を進めるにあたり、基礎的資料として活用するために行うものであって、「広域京浜地域における雇用開発」とのテーマで質問紙調査によって、広域京浜地域の機械金属関係を中心とする中小製造業の経営状況、地域内分業構造の変化、労働力の構造、熟練技能者の需給・育成状況、技能継承を含めた能力開発上の課題、地域内での企業間交流など幅広く意見を集約し、今後の政策課題に活用できる資料化が第一の目的である。
 調査対象とした事業所は広域京浜地域に所在する従業員5人〜300人未満の事業所で、業種はプラスチック製品、ゴム製品、窯業・土石、鉄鋼、非鉄金属、金属製品、一般機械、電気機器、輸送用機器、精密・医療器具の10業種で、事業所統計名簿から5,000事業所をランダムサンプリングした。郵送法による質問紙調査であるが、宛先不明などで戻った分を差し引いて最終的な有効配布数は4,799事業所である。平成10年9月24日に郵送し、平成10年10月31日までに返送のあった822件の有効票(有効回収率は17.1%)を分析対象とした。
 調査の結果は以下のようにまとめられる。
 (1)自前の製品をもち、独自に生産・販売する企業が2割程度あり、賃加工型の中小企業が主力ではあるが、少しずつ開発型の企業の比重を高めてきており、賃加工型の企業の業績が低迷する中で、このような企業の成長が著しく、二極化の様相を呈している。とは言え、生産ロットサイズは少量生産が圧倒的に多く、オーダーメード型の個別生産を担う企業の割合が多く、自動化が出来ないような開発型の単品物や組立・調整などの仕事に特化している場合も多い。また、取引先についても分散化傾向を強める企業が増えてきている。
 (2)品川区、大田区では45歳以上の生産工程従業者が6割を超える状況になっており、急速に高齢化が進んでいる。そして、相模原や大和市など量産物の電気機器や精密機器の事業所が集積するところでは生産工程従事者のパート比率が高いが、品川区や大田区では1割弱を占めるに過ぎず、男子基幹工型の労働需要構造になっている。採用面での問題点として、企業に採用意欲がないわけではなく、応募者の能力、経験不足を訴える企業が意外に多く、単なる数合わせではなく、資質を含めた人材の質が問われているのである。
 (3)熟練労働者を類型化して需給状況を確認したところ、万能工的な熟練技能者とテクノワーカー(技術者的技能者)に対する需要が顕著であった。高付加価値分野への転換を進める上で鍵を握る技能者の逼迫度が高いとも言えよう。なお、高齢化が急速な品川区では高度熟練者技能者に対しても不足感が強まっている。しかし、これら熟練技能者の不足への対応策は自社内での育成が原則となっており、業種や地域によっては外注化での対応も見られる。育成方法は計画的なジョブローテーションなどOJTが中心である。技能継承が問題になっている事業所は4割を占め、輸送用機器、金属製品、一般機械で特に顕著となっている。技能継承が問題となっている理由は「高齢化して後継者育成が間に合わない」(67%)とか、「育成に時間がかかりすぎる」(44%)などを指摘する声が強いのであるが、技能マップや能力開発カードを作って計画的に短期間で育成しようとしている企業は少ない。
 (4)経営者は若者を引きつけるためには「労働条件の改善」(60.2%)が最大の課題であると考えている。それと同時に「職人(クラフトマン)の社会的地位の向上」(42.2%)、「若者を引きつけるきれいな工場」(33.6%)、「新製品開発に参加させる」(28.8%)などの指摘が多く、「高度熟練技能者に褒賞を与える」といった意見も20.1%ほどあった。労働条件の改善は基本的であるが、物づくりの楽しさを若者に伝えるような仕組みづくりが特に重要である。
−目次

[全文情報]
まえがき
第I部 調査結果の概要

第II部 各論
 第1章 調査の方法及び調査対象
 第2章 事業所の概要と取引関係
 第3章 従業員構成と職種別人数
 第4章 採用状況
 第5章 生産工程・業務と技術継承
 第6章 地域における活動

付属資料I 技術継承が問題になっている作業内容と必要とされる経験年数
付属資料II 自由記入((1)事業活動の活性化、(2)技術・技能の高度化)
付属資料III アンケート票と単純集計結果
−問い合わせ先 独立行政法人 労働政策研究・研修機構
−JIL図書館所蔵の有無 資料センター(上石神井)で所蔵しています。
研究する上で実施した調査
−調査の有無

実施した
−調査方法 アンケート調査
−調査対象等 広域京浜地域に所在する従業員数5〜300人未満の事業所(業種はプラスティック製品、ゴム製品、窯業・土石、鉄鋼、非鉄金属、金属製品、一般機械、電気機器、輸送用機器、精密・医療器具の10業種)から5,000事業所をランダムサンプリング
−調査開始 1998年9月
−調査終了 1998年10月
登録(調査)年月 1999年12月現在
情報入手方法 アンケート以外

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