調査研究成果データベース

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詳細情報 E2001030011
報告書等題名 資料シリーズNo.98 海外建設労働の現状と対策
調査研究分野 労働政策一般(社会政策を含む)
実施組織名 日本労働研究機構
研究参加者 海外建設労働の現状と対策研究委員会(筆宝 康之、青木 章之介、亀山 直幸、田村 三郎、藤澤 好一、堀内 光弘、馬 挺、横山 義雄、他)
報告書等
−発表年月

2000年3月発表
−発行元 日本労働研究機構
−判型/ページ数 A4判/573
−発表・発表予定の別 発表
−販売の有無 非売
−要旨  平成不況10年を背景に、全国56万社、許可業者59万人、就業者678万人(自営業主93万、家族25万)雇用労働者560万人(1999年10月)といわれるわが国建設業で、建設労働をとりまく状況はきびしさを増している。90兆円まで膨張した建設市場も民間建築不況でいまや70兆円に縮小し、公共工事の支えで再生への努力につとめる現状にある。動揺するゼネコン体制の一部崩壊と日本型下請けシステムの変質が進行する時代に、元請・下請関係の重層化はかわらず、不安定・不明確な雇用関係、9割を占める小零細業者の不安定雇用管理と低い賃金収入と労働費用、長い労働時間、不十分な安全・職業訓練などが指摘されている。建設労働対策は、これでよいのだろうか。中高年層の失業対策と労働福祉の向上対策がおくれる反面で、長期的には、建設業の労働市場の少子高齢化が構造敵にすすむ今日、明日の建設業を支える若い後継者をどう確保・育成し、資格づけて社会に送り出し、建設雇用の促進と若返りをはかるのか。その要請が国内雇用対策の焦点となって久しい。中高年対策と若者対策の周辺には、建設業の国際化と外国人労働者の処遇、女性労働者の導入など新しい建設雇用対策が浮上している。

 こうした内外の課題にこたえ、建設労働の苦境を打開する方向はどこにあるのか。当面をしのぐ労働対策だけでなく、また、これまで別個に追求されてきた、安全訓練と技能訓練を結合し、能力開発・資格認定・雇用開発を一体として促進するのが海外主要国の時代潮流となってきた。そうした海外経験もとり入れた、建設労働の新しい政策構想が求められている。建設雇用改善対策も、「雇用・能力開発機構」の発足(1999,10)とともに、単なる個別改善の積み重ね時代を終えて、国際基準をクリアし、EU指令基準に対応する新しい日本−アジア型雇用モデルを創造して、能力開発・安全訓練・資格認定・雇用改善の充実をはかるべき世紀転換期を迎えた。

 労働省では、以上の認識に立ち、平成13〜18年度(2001〜2006年)、21世紀初頭の5年間にわたって実施される「第6次建設雇用改善計画」を策定し、国をあげて建設雇用・能力開発を推進することにしている。本報告書は、その研究要請へのひとつの応えである。本研究調査は、海外の建設労働・雇用対策、人材育成システムを現地検証するとともに、建設業の国際化にも対応可能な新世紀の雇用改善計画を策定するための基礎資料を提供するものである。

 本調査研究の結果として、わが国の建設雇用改善計画と対策に関して、最低限考慮すべき点を示す。<1>日本の建設雇用改善25年の歩みが、重層下請制度とその不透明な無責任雇用の弊害除去に努めてきたのは、正確だったことを今回の調査で確認した。最近このシステムを「合理的」と誤解する見解が一部の経済学者にみられるが、それはゼネコン視点からの評価で、労働行政とサブコン労使の立場からみればなお問題は未解決、欧米主要国の水準以下にあり、継続努力が必要と考える。<2>だが、現行のわが国建設労働対策の継続では充分ではない。現地調査の成果としていえるひとつの結論は、安全と技能訓練の結合、能力開発・資格認定の多様化・雇用の開発と促進を一体とする雇用・能力改善システムの創造が必要である。この点で、新時代の人材育成体系として、若者の安全・技能・資格認定・雇用促進を一体とするAfpa(フランス)を提言したい。<3>公共工事の労働対策については、民間の後追いでなく、先導改革の方向での対処、賃金相場の確定方式とDabis−Bacon法(アメリカ)効果の再評価、労働福祉経費の別枠計上の契約義務条項化を提案する。<4>行政改革の課題になるが、雇用・労災の両面で対策効果の高い提案として、安定平準化発注・安定雇用管理確立のために、予算消化のためためた工期にせかされず、米国式に単年度主義にこだわらない官庁発注工期方式を提言したい。
−目次

第1部 アメリカ編
I アメリカの建設労働と労働対策(1)
 1 アメリカ建設業と建設労働の現状
 2 米国の建設労働政策と主な法令−建設労働法制の要点と意義−
 3 米国現地調査報告と日本建設業への結語
II アメリカの建設労働と労働対策(2)
 1 米国建設労働界の現状
 2 米国の建設職場における労働対策
 3 米国建設業界の技能訓練制度とプログラム
 4 米国建設労働(2)まとめ

第2部 ヨーロッパ編
III イギリスの建設労働と労働対策
 1 建設産業界の現状
 2 建設労働の実態
 3 建設労働施策
 資料
IV オランダの建設労働と労働対策
 1 建設産業界の現状
 2 建設労働の実態
 3 建設労働施策
 資料
V ドイツの建設労働と労働対策
 1 建設生産の動向
 2 建設業界の現状
 3 建設労働の実態
 4 ドイツ建設産業の人材育成システム
 5 建設労働対策
VI フランスの建設労働と労働対策
 1 EU域内のフランス建設業概観
 2 建設労働と雇用の現状:(現地調査を中心に)
 3 建設雇用政策と技能訓練制度
西欧建設労働の調査日程と訪問先
VII EU圏の建設労働と労働対策
 1 調査方法
 2 調査資料の概要
 3 ヨーロッパにおける建設産業の概況について
 4 建設産業の競争力強化のためのヨーロッパ戦略について
 5 EU諸国の建設産業の概要と動向
 6 EU諸国の労働市場の概要と建設産業の位置付け
 7 EU労働市場の政策と問題点について
 8 ヤミ労働問題について
 9 EU市場の統合化、ヤミ労働等に対応する各国の対応(ドイツの事例)
 10 レオナルド・ダヴィンチ(Leonardo Da Vinci)プログラムについて
 11 教育訓練に関する報告書・統計データ等
 12 おわりに
 資料

第3部 アジア編
VIII 中国の建設労働と労働対策
 1 中国建設業の概況
 2 中国建設市場の現状
 3 建設労働の現状
 4 中国の海外建設市場進出
 資料と参考文献
IX タイ国の建設労働と労働対策
 1 建設産業の現状
 2 建設労働・雇用の現状
 3 建設関連労働法規
 4 労働施策および企業の対応
 資料および文献一覧
−問い合わせ先 独立行政法人 労働政策研究・研修機構
−JIL図書館所蔵の有無 資料センター(上石神井)で所蔵しています。
登録(調査)年月 2001年3月現在
情報入手方法 アンケート以外

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