論文データベース

[検索に戻る]

詳細情報 F2000040046
論文題名 中間管理職のスキル、知識とその学習
−カナ題名 チュウカン カンリショク ノ スキル 、 チシキ ト ソノ ガクシュウ
分類 人事労務一般
著者氏名 楠見 孝
−カナ著者氏名 クスミ タカシ
掲載誌名 日本労働研究雑誌
−巻号 474号
−発行年月 1999年12月
−発行元 日本労働研究機構
登録年月 2000年4月現在
内容抄録 (著者抄録)
中間管理職に必要とされるスキルと知識の内容を、日本労働研究機構で実施した調査データに基づいて心理学的に検討した。その内容は、「タスク管理」「他者管理」「自己管理」であった。さらに、管理職には、環境の変化に対応して学習する態度が重要であった。その態度には、「挑戦性」「柔軟性」とそれに反する「無難志向性」があった。なお、中・大企業においては、管理職経験年数が長いほど、「柔軟性」が増すのに対し、小企業では、「無難志向性」が高まることを見いだした。最後に、管理職が経験から暗黙知を獲得するモデルを提案した。

(論文目次)
I はじめに
  1 従来の中間管理職研究の視点
  2 変革期の中間管理職に必要なスキルの内容
  3 認知心理学的研究の視点−暗黙知と熟達化
II 経営問題解決を支える暗黙知の構造−調査1
  1 方法
  2 結果と考察
III 経験からの学習を支える態度−調査2
  1 方法
  2 結果と考察
IV まとめ−変革期に必要な管理職の知識とスキルの学習モデル
全文情報

I はじめに

 本稿は,変革期における中間管理職において必要とされるスキルについて,日本労働研究機構(1998)の調査報告をはじめとする一連の心理学的研究に基づいて検討する。

1 従来の中間管理職研究の視点

 経営学における中間管理職に関する研究は,これまで主に管理者行動論やリーダーシップ論によって進められてきた。しかし,1990年代の規制緩和と不況により,経営環境が複雑化し,管理職には,より革新的,創造的な行動が求められるようになった。したがって,既存の研究の枠組みでは対処しきれない問題が生じている。たとえば,従来,最も安定した企業と考えられてきた金融機関では,終身雇用制度のもとで,中間管理職は,定型的な業務の忠実な遂行が求められていた。したがって,リーダーとしての中間管理職は,業績を志向するパフォーマンス(P型)と集団の維持を志向するメンテナンス(M型)でとらえることができた。日本企業では,仕事ができ,人情味あふれる,PM型リーダーが理想とされてきた。しかし,現在の管理職(リーダー)は,小集団(部課)をまとめ業務を忠実に実行するだけでなく,自ら組織を変革し創造を志向し,ときにはリスクテイクすることが求められている。
 一方,経営学においても,変革や創造を重視する変革型・企業家型リーダーシップが注目されている(金井 1991)。しかし,そうしたリーダーに必要な認知能力,知識,技能を計量的に分析するまでには至っていない。
 このように,中間管理職の業務は,近年,複雑で非定型的になりつつある。しかし,その必要要件であるスキルは,十分に明らかにされてはいない。そうしたなかで,管理者の認知的能力,知識,スキル,態度に注目する認知心理学的研究は,これまでの枠組みではとらえることのできなかった分析を志向している。

2 変革期の中間管理職に必要なスキルの内容

 管理職者のもつスキルや知識として,まず第1に必要なのは,仕事のパフォーマンスを支える手順やスキル,内容的な知識である。これはリーダーシップに関する先駆的研究をおこなったKatz(1955)の「テクニカルスキル」(仕事の専門知識)にあたる。一般事務職,熟練労働者やアルバイトは,これらを身につけ,手際のいい熟達者(expert)となることが求められている。さらに,管理職は,非定型的で多様な場面に適切に対処するような「適応的熟達化」が求められている(波多野・稲垣 1983)。
 仕事のテクニカルスキルに加えて,管理職に必要なスキルには,「ヒューマンスキル」と「概念スキル」(conceptual skill)がある。(Katz 1955)。「ヒューマンスキル」は,(小集団のメンテナンスを含む)一般的な対人処理能力を支えている。たとえば,他者を理解し共感や説得をしたり,協同関係を構築,維持することにかかわる。
 さらに,職階の高い管理職には,「概念スキル」によって,複雑な状況や変化を認知・分析し,問題を発見し,実際的,創造的解決をすることが求められている。これは,複雑なアイディアの概念化やモデル・類推を用いる高次な認知的能力に支えられている。こうした「概念スキル」は,経営戦略を立てるトップマネージャーだけにではなく,中間管理職においても求められるスキルと考えられている。
 これら以外の枠組みでは,(心理学的多面評価システムとして発達してきた)アセスメントセンターが,評価項目(次元)として挙げているのは,「管理運営能力」「対人処理能力」「知的能力」などである(Bray 1982)。これは,Katz(1955)の枠組みと対応させれば,「管理運営能力」は,テクニカルスキルに,「対人処理能力」はヒューマンスキルに,「知的能力」は概念スキルに関連すると考えられる。
 こうした中間管理職に求められるスキルの内容は,近年の組織の変化(情報化,フラット化,成果主義的評価・処遇制度,雇用の外部化,人員削減下でのマネジメントなど)によって,変化しつつあると考えられる。それを明らかにするためには,従来から重視されてきたスキルを整理して現状を把握するとともに,新たな観点からスキルを同定する必要がある。
 本稿が依拠する日本労働研究機構(1998)の調査では,暗黙知,対人スキルやコミュニケーションスキル,意思決定スキルに焦点を当てた。さらに,成田・楠見(1999)では経験からの学習能力に焦点を当てた。そこで3では,これらの研究の背景について述べる。

3 認知心理学的研究の視点-暗黙知と熟達化

 本稿では,管理職のスキルや知識を認知心理学的にとらえるために,暗黙知(tacit knowledge)とその獲得に焦点を当てる。これらの研究の背景には、認知心理学の実践的知能研究と熟達化研究がある。
 実践的知能の研究は,従来の知能検査が、学業成績を予測はできても,社会に出てからの仕事での成功を必ずしも予測できないという問題から出発している(Sternberg 1990)。すなわち,実践的知能とは,現実社会での問題解決を支える能力である。学校での課題は,教師が出題し,固定的な解法と一つの解がある。しかし、現実社会では,課題や解法は自分で発見しなければならず,明確な正解はない。
 心理学では,知能を,(機械的な計算や記憶にかかわる)流動性知能と(経験や知識,学習にかかわる)結晶性知能に分けている(Cattell 1987)。流動性知能は,青年期をピークにして加齢にともなって低下するが,結晶性知能は,生涯を通じて発達する。職場経験の長い管理職は,若手と比べて計算や記憶の速さや正確さが劣ったとしても,それを補ってあまりある経験や知識に基づく,問題解決や意思決定が可能である。
 たとえば,管理職ではないが,熟達した販売店員が発揮する素早い計算能力や記憶能力は,職場における長期的な経験によって,その領域における実践的知能を獲得したといえる。これは,後述するテクニカルスキルともいえる。
 楠見(1992,1993,1996a)は学生アルバイトを調査対象として,熟達化による実践的知能の短期的獲得の過程とその動機づけの限界を明らかにしている。その獲得段階は以下の通りであった。
 (1) スキルや知識の蓄積段階は,熟達者のコーチングを受けながら仕事の手順やルールを学習しているが,失敗も多く,パフォーマンスはさほど向上しない。
 (2) スキルや知識の構造化段階にはいると,一通り仕事を覚えて,1人で定型的な仕事を通して,パフォーマンスを向上させていく。
 (3) スキルや知識の再構造化段階では,定型的な仕事のパフォーマンスを新たな方法で向上させたり,省力化する。また,非定型的な仕事に柔軟に対処できるようになった。この段階では,(楽をするための)速さと省力化という目標志向的な実践的知能(暗黙知)が獲得されていた。
 さらに,松尾・細井・吉野・楠見(1999)は,自動車や不動産のセールスマンの調査をおこない,知識やスキルが業績に影響を及ぼすまでには,ほぼ10年かかることを見いだしている。このように,熟達者になるには約10年の経験が必要なことは,「10年ルール」として,仕事以外の芸術,スポーツなど他の様々な領域でも見いだされている(Ericsson 1996)。
 こうした獲得過程に基づいて,学業にかかわる知能(academic intelligence)と実践的知能(pragmatic intelligence)の違いを見てみると,知能を支えている知識やスキルの性質が異なることがわかる。学業知能は学校教育やテキストによって伝達できる理論的な形式知,言語知に支えられている。一方,実践的知能は,経験を通して獲得される,言語化されない暗黙知,経験知さらには常識に支えられている。これは,直接教えられるというよりは周囲の人の行動から推論したり,自分で発見しなければならない。また,暗黙知は,普遍的な知識ではなく、状況や目標依存的な知識である。たとえば,「難しい相手と交渉して合意を形成する」「部下の心をつかむ」といった特定状況における目標到達や成功のための手続き的な知識である。これは,多重の制約条件下での複雑なルールである。
 従来,日本の大企業の人材管理は,職場経験を重視する経験知を志向してきた。大企業は,新入社員が,たとえ米国経営学修士号を(MBA)をもっていて,経営学の学問的知識や問題解決技法をいくらマスターしていても,すぐに管理職につけることはしない。管理職になるまでには,ふつう10年以上の長い年月をかけて多様な業務を経験することが必要とされるのである。すなわち,経営問題解決に必要なスキルや知識は,実際の仕事の活動に埋め込まれている。言語化できない暗黙知である。その獲得を促進する工夫が,OJT(On the Job Training)やローテーション型の定期異動である。ここでは先輩社員のコーチングによる認知的徒弟制(Lave & Wenger 1991)や,IIIで述べる個人による経験からの学習が,暗黙知の獲得を支えている。


II 経営問題解決を支える暗黙知の構造−調査1

 本稿では,中間管理職に必要とされるスキルを支える暗黙知の獲得と構造を二つの視点からとらえる。管理職の経営問題解決は,それを支えるスキルや知識の内容とその学習過程,さらにその個人差(スキル,能力,熟達)の解明が重要である。とくに,問題解決を支えるスキルや知識は,経験に基づいて非形式的に学習されると考えられる。Wagner & Sternberg(1985,1990,1994)やWagner(1987,1991)の一連の研究では,管理職の経営問題解決を支える暗黙知の獲得とその構造を解明する質問紙研究をしている。彼らは,管理職に対するインタビューに基づいて,経営問題解決場面に関する質問紙(表1)を構成し,管理職に対して質問紙調査を実施した。そして,因子分析に基づいて,ホワイトカラー管理職のもつ暗黙知(実践的知能)の内容を、次の三つに分けた。

表1 暗黙知尺度の質問項目例と職階別平均評定値

 第1は,「タスク管理」(task management)である。これは特定の業務を遂行するためのノウハウ,情報処理の効率化にかかわる。これは,テクニカルスキルを支える暗黙知である。
 第2は,「他者管理」(others management)であり,対人的要因である。部下,同僚,上司との関係作りのノウハウである。とくに,管理職の仕事は人間関係の網の中で問題解決を図ることが必要な場合がある。これは,ヒューマンスキルを支える暗黙知である。
 第3は,「自己管理」(self management)である。これは,メタ認知的側面と意志的側面がある。自分の動機づけをコントロールしたり,自分を組織の中に組み込むノウハウでもある。従来の研究では,この側面は,動機づけ要因として扱われてきたが,ここでは,知識やスキルとして扱う点が異なる。
 さらに,Wagnerらは,3因子に基づく尺度を構成し,管理職経験年数などとの相関を見いだしている。なお、経営問題解決が,短期的か長期的かの文脈次元や,理想志向の解決か,現実志向の解決かによっては,Wagner(1987)の暗黙知質問調査による結果は,大きな差異がなかった。
 そこで,楠見(1995,1998)は,まず,Wagner(1987)の一連の研究に基づいて,管理職の経営問題解決を支える暗黙知の構造を解明する質問紙の日本版を作成し、ホワイトカラー管理職者と非管理職者,学生に対して,質問紙調査をおこない,暗黙知の構造を比較検討した。

1 方法

 a 手続き 本調査は,日本労働研究機構(1998)の調査としておこなった。被調査対象者は,社会人370人(内訳は表1に示す),統制群として大学生916人である。管理職暗黙知尺度質問紙調査を以下の手続きで,無記名,自記式で実施した。社会人については,大学生を通して,父兄への回答依頼,回収をおこなった。大学生については,教室で集団で実施した。bで述べる管理職における問題解決の6場面における仕事の重要性判断を5段階(1:まったく重要でない〜5:非常に重要である)で求めた。表1では「昇進場面」を例として示した。学生については,実際に企業の管理職だったらどうするかという仮定の下に回答するように教示した。
 b 調査項目:管理職の暗黙知尺度質問紙
Wagner & Sternberg(1985),Wagner(1987)の管理職の暗黙知尺度を翻訳した。彼らの尺度は,項目数が12場面(166項目)と多く,また,日本の実情とあわない項目があるため,日本版では項目を半分に精選した。さらに,予備調査(楠見 1995)に基づいて,管理職群と他の群問で,有意差のある項目を中心にして、日本版,7場面(85項目)を作成した。それを281(社会人115,大学生166)人に実施した。因子分析の結果と,管理職群と他の群間の分散分析の結果に基づいて,6場面(42項目)を作成した。場面は,昇進,仕事の性質の評価,新人採用,成功する方法,計画立案,毎日の仕事の処理である(表1)。なお,この調査にはほかに「影響手段,組織内行動,勢力動機」「交渉と意思決定」「コミュニケーション能力」に関する項目も含まれていた。

2 結果と考察

 a 経営管理場面における仕事の重要性認知の差異
 経営管理場面における仕事の重要性評定が,経営管理経験によって,どのように異なるかを明らかにするために,分散分析で検討した。その結果,43項目のうち33項目で職階差を示すF比が有意であった。その内訳は13項目は管理職者のほうが高く,20項目は大学生のほうが高かった。
 表1は,経営管理場面として「新しい部署の長に昇進した場面」における項目の平均評定値を,管理職群が学生群よりも重視する項目,両群に差のない項目,学生群が管理職群よりも重視する項目に,3分割して示したものである。ここで,課長級や非管理職が学生に比べて重視しているのは,「上司への経過報告」である。これは,部長級に職階が上がると重視度はやや下がる。一方,職階が上がるにしたがって「自他のミスを許さない」「完璧な仕事でなければ認めない」といった態度から柔軟な態度への変化がある。また,「要注意人物を慎重に避ける」ことなしに,仕事を進めることができるようになる。
 また,「仕事で成功する方法を問われる場面」については,部長級が重視しているのは,「自分の直接の仕事の範囲を超えても責任ある仕事をかってでる」ことや「自分がよい仕事をしているならば,たとえ会社において自分の評価が落ちても気にしない」ことである。これらは,課長から部長へと職階が上がることによって,より変革志向型の積極的行動をとっていることが読みとれる。また,「提案することの(全体的な)内容だけでなく,(具体的に)いつどのようなことをするかについても十分考慮」するのは,プランニングによって,成功の可能性を高めるスキルである。一方,学生や非管理職が管理職よりも重視しているのは,「出世に影響しそうな人には積極的に会うように努め」「仕事ぶりが重役の目に留まるように工夫する」ことである。
 「管理職として毎日の仕事を処理する場面」においては,社会人が学生に比べて,重視しているのは,「日常的な仕事を早く完了させる方法を見つけ」「重要性にしたがって仕事に優先順位をつけ」「仕事に時間をかけるよりも完了させることに力点をおき」「仕事をできるだけ多く有能な者に任せる」ことである。一方学生や非管理職が管理職よりも重視しているのは,「仕事の詳細に特別な注意を払う」「重要な仕事が完了した際,自分自身を心の中でほめたり,褒美を与える」ことである。
 全体の場面を通して,管理職群が学生群に比べて,重視することは,「仕事に対する積極性」や「効率性」,および「組織全体への目配り,仕事の改善,効率性に対する信念」である。一方,職場経験のない大学生群が管理職群よりも重視することは「上司に対して目立とうとする態度」である。
 b 管理職の暗黙値の構造 管理職の暗黙値の構造を明らかにするために,管理職暗黙値に関する42項目について、全員の項目評定に因子分析(最尤解,プロマックス回転)を施し,3因子を抽出した。結果は,Wagner(1987)とほぼ対応し,次のようになった。
 第1因子は,「仕事ぶりが重役の目に留まるように工夫する」「あなたの出世に影響しそうな人には,積極的に会うように努める」など,上司との人間関係作りにかかわる項目の負荷量が高いため「他者管理」因子と考えられる。ただし,これらは,学生群のほうが管理職群よりも評定値が高い反転項目であった。こうした上司に対して目立とうする行動は,職位が上がるにつれて少なくなる。すなわち、管理職としては,不適切な行動といえる。
 第2因子は,「仕事を最後までやる能力」の重視や,「自分がよい仕事をしているならば,たとえ会社において自分の評価が落ちても気にしない」など仕事の完了や遂行に関する項目の負荷量が高いため,「タスク管理」の因子と考えられる。
 第3因子は,「優先順位に基づいて毎日の仕事にリストをつくる」など仕事の遂行と自己管理に関する項目の負荷量が高いため,「自己管理」の因子と考えられる。
 c 管理職間の暗黙知の比較 管理職間で,経営管理に関する暗黙知を比較するために,暗黙知尺度得点を算出した。これは,3因子において負荷量の高い項目評定値の合計得点である。
 経営管理に関する暗黙知を職階間で比較すると,管理職暗黙知尺度平均得点は,部長級(61.5)が最も高く,課長級(59.8)が続く。一方,非管理職(58.4),大学生(54.0)は低い。以上の結果は,管理職暗黙知尺度項目作成において,管理職の知識・能力を,大学生と弁別しうるように構成されたことを示している。
 経営管理暗黙知を職種間で比較すると,管理職暗黙知尺度平均得点は,総務・経理部門(62.1)が高く,製造・工事・現場(58.8)が低い。その理由は,総務・経理部門が経営管理に関連が大きいためと考えられる。一方,金融,製造などの業種間の有意差がなかった。
 また,経営管理暗黙知が,どのように獲得されるかを調べるために,暗黙知尺度得点と課長以上の管理職経験年数や年齢との相関を検討した。表2に示すように,管理職暗黙知尺度得点は,管理職経験年数との相関が高い。これは,楠見(1995)やWagner(1987)とも合致している。しかし,今回の調査では,年齢や学歴との相関も高くなっている。これは,現実に,管理職の経験年数と年齢の相関が高いためでもあると考える。

表2 管理職暗黙知尺度得点と管理職経験年数,年齢,学歴,企業規模との相関

 暗黙知尺度の関連研究として,林・楠見(1997)は,パーソナリティの5因子モデルと実践的知能の関係を,110名の男性社会人を被調査対象者として質問紙調査をおこない,共分散構造分析によって検討している。その結果「誠実性」パーソナリティは「他者管理」を重視する集団維持型の管理に結びつき,「協調性」パーソナリティは「タスク管理」重視を通して,「自己管理」重視に影響を及ぼす,目標遂行型管理につながることを見いだしている。
 d まとめ:管理職の暗黙知とかかわるスキル
 IIでは,管理職のもつ暗黙知として,「タスク管理」「他者管理」「自己管理」の3因子を見いだし,これらに基づく尺度得点が管理職の経験年数と相関することを見いだした。
 日本労働研究機構(1998)の調査では,同じ被調査対象者に対して,暗黙知のほかにも,コミュニケーション能力,社会的影響行動と対人スキル,交渉・意思決定スタイルなどについても,分析をおこなっている。
 「他者管理」の暗黙知は,対人コミュニケーション能力,社会的スキルを支え,他者に影響を行使する欲求によって支えられている。コミュニケーション能力や社会的スキルは,部下や同僚,上司,そして交渉相手と密接な関係を築くために必要である。これらの能力やスキルと職位の関係について,同じ被調査対象者について検討した。その結果,管理職は,非管理職に比べて,他者と密接な関係を築く能力をもち,自分の意図や感情を相手に伝えたり,逆に相手から正確に読みとることができることを明らかにしている(小口1998)。また,管理職は,非管理職に比べて,他者に影響を与えたいという高い要求とその能力をもっている(今井1998)。
 さらに,交渉や意思決定は,「他者管理」と「タスク管理」の暗黙知によって支えられていると考えられる。交渉・意思決定スタイルと職階との関係をみると,「地位の高い者は,決定の迅速さを犠牲にしても幅広い合意形成に配慮すること」を見いだしている(亀田1998)。こうした合意形成重視の交渉が,職場環境が安定期から変革期に移行しても,適切かどうかは,今後の検討が必要と考えられる。


III 経験からの学習を支える態度
−調査2

 IIでは,管理職経験年数が長くなるにしたがって,暗黙知尺度得点が高まることを見いだした。すなわち,管理職の経験からの暗黙知の獲得には,個人差要因である経験からの学習能力が関与していると考えられる。Sternberg & Wagner(1992)は,経験年数よりも経験から学んでいく学習能力の重要性を指摘している。すなわち,Iの3で述べたように,日本の企業はOJTが中心のため,仕事の経験からスキルや知識を学習することが求められている。さらに,管理職は,異動や昇進にともなう職務の変化への適応と,変化に対応した新しいスキルや知識の習得が求められている。変革期における管理職においては,とくに,新しい経験からの学習能力が重要であると考えられる。
 管理職における経験からの学習を促進する要因には,大きく分けると態度や傾向性の個人要因と職場環境の要因がある。
 Spreitzer(1987)は,学習能力の高い管理職を早期に予測するために次のような個人要因が重要であるとしている。
 (1) 新しいことを経験し,成長しようとする能力,ポジティブな学習としての冒険心
 (2) 批判や誤りからの学習
 (3) 環境への適応能力および柔軟性
 (4) 職場の環境を理解するための,フィードバックの探索および活用
 また,Ashford(1986)の職場適応の研究は,フィードバックを探索する人ほどモニタリング活動の頻度が多いことを示している。
 一方,職場環境の要因としては,McCauley,Cynthia,Ruderman,Ohlott & Morrow(1994)は,管理職の仕事において次のような側面が管理職としての成長を促すことを明らかにしている。
 (1) 異動に伴う困難
 (2) 変化の創造,高い責任,仕事の多様性,負担の大きさ
 (3) 仕事上の障害
 さらにDechant(1990)は,管理職へのインタビューに基づいて,重大な変化(新しいまたは困難な任務など)や不確実性は管理職の学習を促進することを述べている。
 このような経験からの学習を促進する要因は,IIにおいて検討した暗黙知の獲得においてとりわけ重要であると考えられる。
 管理職のスキルの獲得において,経営学,組織論が職場環境要因に焦点を当てるのに対して,心理学は個人要因やプロセスに焦点を当てるという相補的関係がある。そこで,成田・楠見(1999)では,個人要因として学習を支える態度要因を検討した。

1 方法

 a 調査項目:管理職の学習を支える態度質問紙
 成田・楠見(1999)では,Spreitzer(1987), Ashford(1986)などの先行研究で挙げられた学習能力に寄与すると思われる諸要因を,次の五つの態度要因に整理して,6項目ずつの質問紙を構成し,5件法で評定を求めた:(1)リスクの高い仕事や難しい仕事に対する挑戦性,(2)適応力および柔軟性,(3)環境や仕事の変化に対する学習性,(4)フィードバックの利用,(5)モニタリング。
 b 手続き 本調査は,日本労働研究機構「ホワイトカラーの管理技能の測定に関する研究」の調査の一部としておこなった。被調査対象者は,社会人228人(一般職47人,係長級42人,課長級53人,部長級40人,その他46人),対照群として,大学生433人。ここでは部長級以上を管理職群とし(平均年齢=52歳),管理職経験年数を回答させた。実施方法は日本労働研究機構(1998)とほぼ同じである。パート1では,上記の30項目に対して,被調査対象者に,自分にどのくらいあてはまるかを5段階(1:当てはまらない〜5:よく当てはまる)で評定させた。

2 結果と考察

 a 経験からの学習能力を支える態度の職位間比較 管理職の経験からの学習能力を支える態度の構造を明らかにするために,社会人データに対して因子分析(エカマックス回転)をおこない,5因子を抽出した。それを基にターゲット行列を作成し,社会人データ,学生データそれぞれに斜交プロクラステス回転をおこなった結果,ほぼ同じ因子構造が得られた。最終的に,社会人と学生で同じ因子に含まれる23項目を対象に同様の方法でプロクラステス回転をおこない,因子得点の差を検証することにした。
 次に,社会人を職位別に分類し(一般職・係長級・課長級・部長級),各因子に対する因子得点の平均値が職位によってどのように異なるのかを検討するために,一要因の分散分析をおこなった。最終的に得られた因子と分散分析の結果は次の通りである(図1)。

図1 経験からの学習能力を支える態度(平均因子得点)の職位間比較

 第1因子「挑戦性」:責任や難易度の高い仕事,変化の大きい職場を好む項目の負荷量が高く,想定した「挑戦性」因子であることが示された。「自分にとって慣れた仕事よりも,あえて難しい仕事をした(.74)」「責任の重い仕事を積極的に引き受けたい(.69)」など,因子負荷量.40以上は5項目である。これら因子得点の平均値は,一般職よりも部長級,学生よりも,管理職群が有意に高かった(p<.05)。
 第2因子「柔軟性」:新しい考え方や視点の切り替えに関する項目,相手に応じた対処をしようとする項目の負荷量が高く,想定した「柔軟性」因子の項目とほぼ一致した。「自分とは違う考えをもつ人の意見をよく聞く方だと思う(.66)」「別の視点で物事を考えるのが得意だと思う(.66)」など6項目である。因子得点の平均値は,部長級のほうが学生・一般職・係長級・課長級よりも有意に高く(p<.05),職位の高い管理職ほど必要とされる能力であると考えられる。
 第3因子「無難志向性」:先に想定した「挑戦性」「柔軟性」および「学習性」の反転項目に対する負荷量が高く,安定を好み,確実・無難に仕事をこなそうとする因子である。「自分の力ではどうにもならない障害をかかえる仕事は,時間もしくは労力をかけるべきではない(反転項目)(.63)」「仕事の目標は高い水準よりも確実に達成できる水準を設定することが望ましい(反転項目)(.59)」など5項目である。因子得点の平均は,一般職・係長級のほうが部長級よりも有意に高かった(p<.05)。
 第4因子「自己本位性」:周囲の状況に応じて行動を調整する「モニタリング」の反転項目の因子負荷量が高い。したがって,周りの状況についての情報より,自分なりのやり方や考え方を大事にする因子であると推測される。「自分の仕事がどれだけ達成できているかを気にするよりも,精一杯頑張ることが大切だと思う(.79)」「ビジネス環境が変化しても,自分なりのやり方を大切にすると思う(.48)」など4項目である。職位間による因子得点の平均値に有意差は見られなかった。
 第5因子「評価志向性」:この因子にはフィードバックの探索・利用に関する因子が含まれているが,反転項目の負荷量がプラスであり,自分に対する評価を気にしたり,上司に取り入る項目の負荷量が高い。「上司による自分の仕事への評価がとても気になる(.80)」「現在の自分が将来の目標にどのくらい近づいているか非常に気にすると思う(.70)」など3項目である。因子得点の平均は,学生のほうが一般職・係長級・課長級・部長級よりも有意に高かったが(p<.05),職位間の差は見られなかった。したがってこれは,職業経験をもたない学生特有の因子だといえる。これは,IIの暗黙知尺度の第1因子「(不適切な)他者管理」と対応する。
 また,勤務先企業の業種や主な仕事内容による分類では因子得点の有意差はないため,抽出された因子は管理職の職務に依存しない要因であるといえる。
 b 管理職経験年数,年齢と因子得点との相関 管理職群について各因子の因子得点の平均値と経験年数および年齢との相関を調べたところ,年齢との有意な相関は見られなかった。
 そこで,勤務先企業を小規模(499人以下)か中・大規模(500人以上)に分けて同じ分析をおこなった。中・大規模企業(N=103)では,「柔軟性」の得点と管理職経験年数との間に正の相関(r=.35,p<.05)が見られたが,年齢との相関はなく,逆に小規模企業(N=108)では,「柔軟性」と年齢との間に負の相関(r=-.43,p<.05)が見られたが,経験年数との相関はなかった。また,中・大企業では「自己本位性」と経験年数とは負の相関関係(r=-.35,p<.05)があったのに対し,小規模企業では,「無難志向性」と年齢との間に正の相関関係(r=-.35,p<.05)があった。すなわち,中・大規模企業の管理職は,「柔軟的」で,周囲の状況を見て,行動を調整するモニタリング志向の傾向が強くなる。一方,小規模企業では安定的で無難に仕事をこなす傾向性が強いといえる。さらに,データの性質上,管理職経験年数と年齢との間には正の相関関係があるにもかかわらず(r=.40,p<.001),中・大規模企業の場合,年齢との関係は見いだされなかったことから,「柔軟性」「モニタリング志向性」は年齢ではなく職場での経験によって蓄積されるものであると考えることができる。よって,たとえ同じ職位であっても企業の規模によって,管理職として必要される能力や適性が異なってくることが示唆される。中・大規模企業の管理職はおそらく,昇進や異動に伴う仕事や環境の変化にすばやく適応する能力や周囲の状況を適切にとらえる能力,多様な人物とのかかわりが小規模企業よりも求められるためではないかと考えられる。
 c 経験からの学習を支える態度の構造 経験からの学習を支える態度の構造を因子間相関で見ると,図2で示すように,社会人と学生とでは異なる態度の構造があった。社会人では,「挑戦性」と「柔軟性」に相関があり,「無難志向性」とは逆相関している。すなわち,挑戦的でかつ柔軟な管理職として望ましい態度が見て取れる。一方,無難志向な者は自己本位的で,評価志向的な望ましくない態度も見て取れる。

図2 経験からの学習能力を支える態度の因子間相関

 学生においては,「挑戦性」は「自己本位性」や「評価志向性」に結びつく。これは,「柔軟性」や「無難志向性」とは独立である。これは,職場の経験のない者の態度と考えられる。そして,職場での経験によって,「変化に柔軟でかつ挑戦的な」管理職にふさわしい態度を身につけるようになると考えられる。
 d まとめ:経験からの学習を支える態度 IIIでは,管理職の学習要因を支える態度の構造として,「挑戦性」「柔軟性」「無難志向性」「自己本位性」「評価志向性」の5因子が抽出された。管理職は「挑戦性」・「柔軟性」が高く,「無難志向性」・「評価志向性」は低い。一方,非管理職は,部長級に比べて,「無難志向性」が高く,「挑戦性」・「柔軟性」は低い。管理職経験年数は,中・大企業において「柔軟性」と正の相関が見られた。以上の結果は,変革期の管理職は,環境の変化に対応する柔軟性と,変化を先取りするような挑戦性が必要であることを示している。


IV まとめ-変革期に必要な管理職の知識とスキルの学習モデル

 最後に,本稿で検討した暗黙知と経験からの学習能力の関係について,図3にモデルを示した。

図3 暗黙知と経験からの学習能力との関係

 図3の左側は,暗黙知の構造を示す。暗黙知には,「自己」「他者」「タスク」の管理があり,それは,状況によって導かれた暗黙のルールであり,目標志向的であることを示す。この点で,暗黙知は,一般的な形式知やノウハウとは異なる(Sternberg,Wagner,Williama & Horvarth 1995)。図3の右側は,管理職が保持している暗黙知を,仕事に適用する場面を示す。その経験が新しい状況や目標を含んでいるときは,暗黙知はそのまま適用できず,修正・獲得する必要がある。その結果がフィードバックされて,左側の暗黙知に貯蔵される。このとき,暗黙知が適切に修正・獲得されるには,経験からの学習能力やそれを支える態度が重要である。
 そして,管理職は,所属している職場や組織の特性によって,どのような経験をするかが異なってくる。その解明には経営学,組織論に基づく学際的な研究が必要である。たとえば,野中・竹内(1996)は,暗黙知を集団や組織の知識創造の観点から研究を進めている。
 本研究は,個人を分析単位として,管理職の一般的な能力や技能に焦点を当て,従来の管理者行動論において明確にされてこなかった管理者のもつ暗黙知や実践的スキル,さらに,経験からの学習能力を支える態度を検討した。しかし,将来は,経営学と認知心理学の理論的,方法論的な基盤に基づいた,より実践的な枠組みを作り上げることが必要と考えられる。こうした枠組みは,新たな研究の方向性や手法の発見,および理論的,実践的な測定尺度の開発につながり,それらは管理者の自己評価や教育訓練プログラムの基礎となると考えられる。
 なお,変革期の管理職に必要とされるスキルには,本研究で取り上げなかった一般的能力として,新しい環境の変化から情報を収集するスキル,膨大な情報に基づいて批判的に思考するスキル(楠見1996b),過去の経験を新しい経験に結びつける類推能力が考えられる。また,より状況特殊的なスキルには危機管理能力,企業倫理などに関するものが考えられる。これらは今後の課題であり,一部は研究に着手している。


*本研究は,日本労働研究機構による「ホワイトカラーの管理技能の測定に関する研究」のデータの一部を分析したものである。研究メンバーの長縄久生先生,今井芳昭先生,小口孝司先生に感謝します。また,共同研究者である,東京工業大学大学院社会理工学研究科修士課程成田裕美さんには,文献収集,データの分析などでお世話になりました。なお,長縄先生,小口先生,小樽商科大学松尾睦先生には,情報提供や草稿に対するコメントをいただきました。記して感謝します。


参考文献
Ashfords, (1986) Feedback−seeking in individual adaptation: A resource perspective. Academy of Management Journal, 29 (3), 465−487.
Bray D. W. (1982) The assessment center and the study of lives. American Psychologist, 37, 180−189.
Cattell, R. B. (1987) Intelligence: Its structure, growth and action. Amsterdam, Netherlands: North−Holland.
Dechant, K. (1990) Knowing how to learn: The “neglected" management ability. Journal of Management Development, 9(4), 40−49.
Ericsson, K. A. (ed.)(1996) The road to excellence. NJ: Lawrence Erlbaum Associate.
波多野誼余夫・稲垣佳代子(1990)『人はいかに学ぶか−日常的常識の世界−』中央公論社。
林由芽子・楠見孝(1997)「職場における実践的知能の共分散構造分析による検討」『日本心理学会第61回大会発表論文集』,344。
Howard, A. & Bray, D. W. (1988) Managerial lives in transition. Guilford Press.
今井芳昭(1998)「社会的地位と影響手段・組織行動・勢力動機」『ホワイトカラーの管理技能を探る』日本労働研究機構資料シリーズNo.82,26−57。
亀田達也(1998)「交渉と意思決定−決定問題の知識表現と関係者の確定−」『ホワイトカラーの管理技能を探る』日本労働研究機構資料シリーズNo.82,58−68。
金井嘉宏(1991)『変革型ミドルの探求−戦略・革新志向の管理者行動−』白桃書房。
Katz, R. L. (1955) Skills of an effective administrator. Harvard Bussiness Review, 33(1), 33−42.
楠見孝(1992)「仕事の熟達化に及ぼす社会的支援と知識・技能の構造化−飲食店アルバイトの事例研究−」『日本教育心理学会第34回総会発表論文集』,389。
楠見孝(1992)「仕事の熟達化に及ぼす社会的支援と知識・技能の構造化(2)−大学生の販売アルバイトの事例研究」『日本教育心理学会第34回総会発表論文集』,442。
楠見孝(1995)「ホワイトカラー管理職の実践的知能の構造」『日本心理学会第59回大会発表論文集』,401。
楠見(1996a)「ホワイトカラー管理職における熟達化と暗黙知の構造」,シンポジウム「熟達化研究の現在とこれから−生涯発達と熟達化」『日本心理学会第60回大会発表論文集』,S27。
楠見孝(1996b)「帰納的推論と批判的思考」市川伸一編『思考』(認知心理学4)東京大学出版会。
楠見孝(1998)「ホワイトカラーの熟達化と知識の構造」『ホワイトカラーの管理技能を探る』日本労働研究機構資料シリーズNo.82,13−25。
Lave, J. & Wenger, E.(1991) Situated learning. Cambridge: Cambridge University Press. 佐伯胖訳(1993)『現状に埋め込まれた学習−正統的周辺参加−』産業図書。
MaCauley, C. Cynthia D., Ruderman, M. N., Ohlott, PJ. & Morrow J. E. (1994) Assessing the developmental components of mangerial jobs. Journal of Applied Psychology, 79(4), 544−560.
松尾睦・細井謙一・吉野有助・楠見孝(1999)「営業の手続的知識と業績−経験年数の媒介効果と知識獲得プロセス−『流通研究』,2[1],43−57.
成田裕美・楠見孝(1999)「ホワイトカラー管理職における経験からの学習能力を支える態度の構造」『産業・組織心理学会15回大会発表論文集』,216−219。
野中郁次郎・竹内弘高(1996)『知識創造企業』東洋経済新報社。
日本労働研究機構(1998)『ホワイトカラーの管理技能を探る』日本労働研究機構資料シリーズNo.82。
小口孝司(1998)「コミュニケーション能力−ホワイトカラーにおける対人処理−」『ホワイトカラーの管理技能を探る』日本労働研究機構資料シリーズNo.82,26−57。
Spreitzer, G. (1987) Early identiflcation of international executive potential. Journal of Applied Psychology, 82(1), 6−29.
Sternberg, R. J. (1990) Wisdom. Its nature. Cambridge University Press.
Sternberg, R.J. & Wagner, R. (1992) Tacit knowledge: An unspoken key to managerial success. Creativity and Innovation Managemant, 1(1), 5−13.
Sternberg, R. J., Wagner, R., Williams, W. M. & Horvarth, J. A. (1995) Testing common sense. American Psychologist, 50, 912−927.
Wagner, R. (1987) Tacit knowledge in everyday intelligent behaveior. Journal of Personality and Social Psychology, 52, 1236−1247.
Wagner, R. K. (1991) Managerial problem solving. In R. J. Sternberg & P.A. Frensch (eds.) Complex problem solving. LEA.
Wagner, R. K. & Sternberg, R. J. (1985) The role og tacit knowledge. Journal of Personality and Social Psychology, 48, 436−458.
Wagner, R. K. & Sternberg, R. J. (1990) Street smarts. In K. Clark & M. Clark (eds.) Measures of leadership conter for creative leadership. 493−504. Center for Creative Leadership.
Wagner, R. K. & Sternberg, R. J. (1985) Context counts: The case of cognitive−abillty testing for job selection. In Wagner, R. K. & Sternberg, R. J. (eds.) Mind in context. 133−151. Cambridge University Press.


くすみ・たかし 1959年生まれ。学習院大学大学院博士課程修了。京都大学大学院教育学研究科助教授。主な著書に『自己への問い直し:青年期(口座生涯発達心理学4)』(共編著,金子書房,1995年)など。認知心理学,教育心理学専攻。

[先頭に戻る]