調査研究成果データベース

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第1部 調査の概要
 1 調査の目的
 2 調査の方法
  (1)調査対象
  (2)調査方法
  (3)調査期間
  (4)分析手続
 3 結果の要約と考察
  (1)中高年転職者の心理
  (2)転職前後の雇用状況の違い
  (3)転職後の職場適応
  (4)転職による雇用状況の変化と職場適応
  (5)中高年者の転職斡旋における注意点
第2部 転職後の職場適応
 1 転職理由と転職の条件
  (1)前の会社をやめた理由
  (2)現在の会社を選んだ理由
  (3)転職するときのセールス・ポイント
 2 転職にともなう不安
  (1)転職するときの不安
  (2)転職するときの相談相手
 3 企業属性の変化
  (1)所在地
  (2)業種
  (3)従業員数
 4 労働条件の変化
  (1)年収
  (2)平均月間層実労働時間
 5 処遇の変化
  (1)所属部門
  (2)職位
 6 新しい昇進制度
 7 転職直後の適応状態
 8 現在の適応状態
  (1)収入への満足感
  (2)仕事への満足感
  (3)仕事の権限への満足感
  (4)直属上司への満足感
  (5)同僚への満足感
 9 新しい職場での疎外感と日常生活のストレス
  (1)職場への疎外感
  (2)自己の有用性
  (3)日常生活のストレス
  (4)悩みの相談相手
 10 転職してよかったこと
 11 家族にとっての転職
 12 将来の転職意向
 13 今後の職業生活への影響
第3部 転職の類型と転職後の職場適応
 1 企業属性の変化と転職後の職場適応
  (1)所在地の変化
  (2)業種の変化
  (3)従業員数の増減
 2 労働条件の変化と転職後の職場適応
  (1)年収の増減
  (2)平均月間総実労働時間の増減
 3 処遇の変化と転職後の職場適応
  (1)所属部門の変化
  (2)職位の昇降
第4部 転職後の職場適応と将来の転職意向
 1 転職直後の適応状態
 2 仕事への満足感
 3 仕事の権限への満足感
 4 直属上司への満足感
 5 同僚への満足感
 6 自己の有用性
 7 悩みの相談相手
付属資料
 1 「転職するときの不安」についての自由記述
 2 「転職してよかったこと」についての自由記述
 3 「今後の職業生活への影響」についての自由記述
 4 調査票

第1部 調査の概要

1.調査の目的

 近年、わが国でも転職者の数はしだいに増加してきており、転職への社会的な関心もすでに高まっている。若年者だけでなく中高年者のなかにも転職する人が増えてきたことと、これまであまりみられなかった大卒ホワイトカラーの転職者があらわれるようになったことがその特徴である。しかし、個人の転職行動についての詳細は、いくつかの実態調査の報告と転職体験談などの個別事例の報道から得られる情報を除くと、まだそれほど明らかにされているわけではない。
 その主な理由は、調査を実施するうえで対象となる転職者を見つけ出すことが難しいからである。潜在的な転職希望者は数多くいるとはいえ、わが国では転職者はまだ少数派である。そのうえ、個人の経歴のなかでもとくに転職に関する情報は守秘されがちである。
 しかし、生涯キャリアがひとつの組織のなかだけで形成されるのではなく、たとえば、出向や転職のように複数の組織間を移動しながらかたちづくられるようになりつつある今日、転職現象についてのより詳細な理解が必要である。そこで本報告書では、経営管理者と技術者の転職と転職後の職場適応について、実際に転職した人たちから得たデータにもとづいて検討する。
 転職を組織現象のひとつとしてみると、それは、個人が所属する経営組織すなわち転職元組織から、別の経営組織すなわち転職先組織へと移動する現象である。この組織現象について、以下では転職する個人の立場で考えてみよう。かりに今、あるサラリーマンが転職を考えはじめているとしよう。学卒以来ずっと勤めてきた会社を辞めようとするからには、よほどの理由があるのだろう。たとえば、「給与が低いから」「同僚とうまくいかないから」「通勤時間が長すぎるから」「昇進の可能性がないから」など、労働条件や処遇への不満感がなんらかの出来事を契機に実際の転職行動へと連動する。
 その場合、かれにとっての当面の課題は何か。それは、「どのようにして所属する経営組織外に代替する雇用機会を発見するか」である。近ごろわが国でも盛んな民営の有料職業紹介業がビジネスとして成立する基盤はここにある。つまり、転職希望者への転職先組織に関する情報提供が営利事業として成り立つのである。したがって、転職現象は「転職者」と「転職元組織」と「転職先組織」に、「第三者として転職を斡旋し仲介する立場」をくわえた4つの基本要素間の相互関係によって形成される現象といえよう(図1-1)。

図1-1 転職現象の4つの構成要素

 これら4つの要素のなかでも「転職斡旋者」の活動は、公共職業安定所の職業紹介業務を補足するということで労働省の事業認可が必要である。しかし、扱う求人求職の職種について両者の間ではかなり違いがあり、とくに経営管理者・科学技術者などの転職斡旋は民営職業紹介事業所でしか対応できないのが実情である。それだけに営利事業であるとはいえ、民営の職業紹介業がはたしている役割は重要であるといえよう。
 民営職業紹介事業は、その業務の性格から<1>登録型のシステム、<2>人材サーチ(いわゆるヘッド・ハンティング)、そして<3>再就職援助業(アウトプレースメント)に分けることができる。こうした民営職業紹介事業は、科学技術者についてはハイテク、バイオ、ケミカルなどの分野、経営管理者については銀行、証券、広義のファイナンス・グループなどの金融関連の分野を中心に展開している。
 また、転職斡旋を成功させるために民営職業紹介事業所が実施している事業運営のポイントをまとめるとつぎのようになる。

 <1> 求人開拓は好況産業を中心に行う。
 <2> あらゆるメディアを活用して求人情報を収集する。
 <3> 同業者との間の情報交換や斡旋対象者をとおした求人・求職情報の入手を行う。
 <4> 求職者を評定する場合は、たんなる履歴書ではなく、これまでの学校歴や職業歴の具体的な内容を詳細に記述した経歴書を重視し、そこから求職者の職業能力や潜在的な可能性を把握する。
 <5> 面接の際には、会った瞬間の求職者について直感的に感じる人間性を大切にする。
 <6> コンサルティングを通じて、求職者の転職にともなうさまざまな心理的葛藤を緩和する。
 <7> コンサルティングの最中には、求職者との間の心理的な距離を一定に保つ。
 <8> 日頃から企業訪問を絶えず行い、訪問先企業の組織風土を把握しておく。
 <9> 中小企業からの求人案件を扱う場合は、当該企業の人事決定権をもつ人の個性や考えを理解しておく。
 <10> 求職者の転職後の新しい職場での仕事ぶりを確認する。

 転職斡旋の成功例に共通した特色としては、まず求職者の能力や技術が一定水準以上であることを前提に、求職者が転職に対する自分なりのたしかな考えをもち、実務経験や希望が明確で、しかも希望する職務がこれまでの経歴と一貫しており、本人の性格が明るく、年齢もそれほど高くはないことなどがあげられる。
 反対に斡旋の失敗例に共通した特色については、求職者自身の問題として、本人の希望は高いもののその希望にくらべて能力が求人側の要求している水準に達していないことが第一にあげられる。また、能力的にも人格的にも申し分ない人なのに年齢制限で落とされることもしばしばある。さらに、本人以外の家族とりわけ妻や娘が、夫ないしは父親の現在の勤め先名やそこでの肩書に固執して転職に反対することも少なくない。
 求人企業側の問題として、とくに中小企業では経営者が極端にワンマンであったりすると、求職者がその社風に馴染めず失敗することが多い。また、求人依頼が確たる経営戦略にのっとって行われたのではなく経営者の独断によるもので、社内における中途採用者の受け入れ体制が充分に整っていないような場合も失敗してしまう。
 求職者には求職者の求人企業への要望があり、求人企業には求人企業の求職者への要望がある。両者の要望が完全に一致することはきわめて稀なことであり、多くの場合はそれぞれの要望を少しずつ修正しながらどこかで折り合いをつけるわけである。
 したがって、転職者が再就職後の新しい職場にうまく馴染みとけ込んでいるかについて検討する必要がある。前述したように、民営職業紹介事業所ではそれぞれ独自に転職後のアフター・フォローを行い、斡旋した転職者が新しい職場でどのように働いているか個別に確認しているが、本報告書ではそれについてより客観的な立場からかれらの転職後の状況を把握しようと試みる。原調査の主な目的は、経営管理職や専門・技術職にたずさわる中高年転職者を対象に、転職の内容と転職後の職場適応の実態を明らかにすることであった。

2.調査の方法

(1)調査対象
 東京都内の4つの民営職業紹介事業所に登録した30歳以上の経営管理者・科学技術者のうち、調査時点からさかのぼって過去3年の間に転職した30~65歳の男性198名であった。

(2)調査方法
 東京都内で経営管理者・科学技術者を扱う民営職業紹介事業所4社を経由して転職した男性198名を対象に、郵送による質問紙調査を行った。
 その際、民営職業紹介事業は転職希望者の登録に関して守秘義務があるため、調査者が調査対象者の氏名や住所や勤務先などにかかわる個人情報を入手することは許されない。そこで、調査者は各民営職業紹介事業所へ調査の主旨を説明し協力を要請したうえで、過去3年間に斡旋した転職者にそれぞれの民営職業紹介事業所から調査票を郵送してもらうよう依頼した。したがって、調査者のもとへ返送された無記名の調査票の個人および個人の勤務先に関する出所は不明である。なお、有効回答数は70(35.4%)であった。

(3)調査期間
 原調査は、1990年3~4月に実施された。

(4)分析手続
 まず、分析対象となる70名の個人属性についてふれておこう。平均年齢は51.2歳である。「55~59歳」の人が全体の28.6%をしめている(図1-2)。最終学歴は全体の82.9%が「大学卒」である(図1-3)。

図1-2 年齢
図1-3 最終学歴

 また、全体の97.1%は既婚者(n=68)であり、そのうち妻に仕事経験があるのは76.5%であった(図1-4)。同居家族は「妻」(90.0%)と「息子や娘」(74.3%)が大半である(図1-5)。

図1-4 妻の仕事経験
図1-5 同居家族

 さらに、過去の転職回数をみると平均2.5回であり、1回だけの人は34.3%、5回以上の人も11.4%をしめた(図1-6)。

図1-6 これまでの転職回数

 このような個人属性をもつ分析対象について、以下ではまず第2部で、調査票の設問項目にしたがって単純集計した結果を記述し転職後の職場適応の状況を把握する。
 ついで第3部では、転職後の職場適応との関連が考えられる特定の項目すなわち説明変数と、転職後の適応状況を示すいくつかの項目すなわち基準変数との関係性について検討する。なお、表1-1は、ここで検討する説明変数と基準変数とをまとめたものである。また、これら7つの説明変数についてそれぞれ転職前後の変化を図示すると図1-7のようになる。

表1-1 主要な説明変数と基準変数
図1-7 転職による雇用状況の変化

 さらに第4部では、転職後の新しい職場への定着状況に着目し、その指標として将来の転職意向にかかわるデータを基準変数におき、第3部では基準変数として扱った転職後の職場適応や、新しい職場での疎外感などを説明変数に設定して両者の関係性について検討する。

3.結果の要約と考察

(1)中高年転職者の心理
 まず、転職理由の特徴としては、低収入や仕事のやりがいのなさなどのほかに、会社の将来性への不安感や今の会社では定年後の処遇が不利というように、かれらは後半の職業生活を展望したうえで転職を決意していることを指摘できる。これは職業生涯の半ばにある中高年者の心理をよくあらわしているが、つまるところ、現在の職場ではかれらの活躍の場がかぎられていたり昇進の可能性がほとんどないなど、中高年者への風当たりの強さを反映していると思われる。
 このような立場の中高年者が転職先企業に求めているのは、仕事の内容であり、仕事をとおした自己の能力の発揮であり、そして仕事から得られるやりがい感である。回答をみると転職の際に給与の額を重視する人も少なくないが、仕事そのものにくらべると優先順位は低いという結果を得た。そして、やりたい仕事をさがす中高年者のなかには、転職するにあたって求人企業に売り込む自己のセールス・ポイントとして、専門技術・技能や経営管理能力にくわえて海外経験や語学力を強調する人が増えてきているという。今や経営管理者や科学技術者として転職するには、国外での実績が評価されるようになっている。
 また、転職にともなう不安材料としては、転職先企業の組織風土・文化があげられる。転職前後の企業規模を比較すると、大企業から小企業へと移動した人が多く、これらの人たちは、しばしば議論される小企業における経営者の影響力や、家族経営ないしは同族経営がもたらす独特な組織風土・文化に馴染めるか不安に感じるようである。同じように、外資系企業に転職する人は外資系企業に特有の体質を気がかりに思っている。
 このような不安にかられながらも転職について考え抜いて、最終的に決心するのは本人自身ではあるが、多くの人は周囲の誰かに相談をもちかける。その相談相手は、「妻」であることがもっとも多い。配偶者は、転職後の仕事にかかわる悩みの相談相手としても重要な役割をはたしており、中高年者の転職については夫婦一組を対象として考えるべきであろう。また、全体の約6割の人たちは、自身の転職は家族にとってもよかったと考えているが、夫もしくは父親の中高年期の転職が、ほかの家族構成員にどのような影響をおよぼすかについては、これからより詳細に検討していかねばならない。

(2)転職前後の雇用状況の違い
 転職によって勤め先の企業属性にはつぎのような変化がみられた。まず業種については、サービス業への移動が目につく。しかも、サービス業へは同業種間の移動だけでなく異業種からも移ってくる。また、勤め先の企業規模の変化をみると、転職後は300人未満の小企業に勤務している人が全体の6割をしめており、大企業から小企業への移動傾向がみられる。
 年収については、転職前に700万円未満であった人たちのなかには、転職後に700万円以上に増収した人が多いのに対して、転職前に700万円以上の年収であった人たちのなかには、転職後に減収した人が少なくない。転職前の年収額700万円は、転職にともなう増・減収の基準となりうる。また、労働時間の増減については、1ヶ月当りの平均総実労働200時間がひとつの目安となる。転職前に200時間以上も働いていた人たちの約3割は、転職後は労働時間が少なくとも200時間未満の職場へと移っている。しかし、これとほぼ同数にあたる転職前の労働時間が200時間未満であった人たちが、転職後には200時間以上働いており、結果として転職後の全体の平均時間はむしろ延びているのである。
 転職にともなう所属部門の変化は、営業・販売や海外・貿易部の出身者を除くと同部門間の移動が多い。職位については、転職の前後とも部・次長職についていた人がもっとも多いが、転職前に部・次長職であった人の約4割は、転職後に昇格する人と降格する人とに分化している。また、転職前に課長職以下であった人たちのなかには、転職後に昇格している人が比較的に多い。
 しかしその一方では、転職後の新しい職場での昇進機会はかぎられていると否定的にみている人が多い。ただし、中途採用者の昇進はほかの雇用者とは異なっていると思っている人がとくに多いわけではない。むしろ、年功制ではなく能力主義人事とみなしている人の方が多いことから、昇進については制度というよりは本人の能力そのものの問題として考えているようである。

(3)転職後の職場適応
 転職した直後の職場での様子については、ほとんどの人があまり障害なく新しい環境にとけ込んでいる。ただひとつ、仕事のやり方だけはなかなかすぐには慣れないようである。
 また、収入への満足感はそれほど高くない。とくに能力評価からみて適切な収入と考えている人が非常に少ないので、転職斡旋の過程では求人企業の人事考課に関する説明をより徹底して行う必要があるといえよう。
 しかしその反面、仕事への満足感は比較的に高い。前述したように、転職の際にもっとも重視する条件としては仕事そのものがあげられていることからすると、大半の転職者は新しい職場にうまく適応しているといえよう。このことは、「転職後の新しい仕事によって世界が開けた」という意見や、「責任や権限を与えられてやりがいを感じている」といった感想とも一致する。
 ところが、仕事への満足感にかかわるいくつかの項目のなかで、ただひとつ「自分にむいている仕事」すなわち適職感の項目については、年収の増減と所属部門の変化との影響によって低い満足感を示す一部の人たちがいることが明らかになった(図1-8)。この図からみてとれるように、「転職による所属部門の変化は、転職によって年収が増減する場合、転職者の新しい仕事への適職感を低める程度が小さい」。一方、「転職による所属部門の変化は、転職によって年収が変化しない場合、転職者の新しい仕事への適職感を低める程度が大きい」。こうした事実から、「なぜ、転職によって年収が変化しない場合、転職による所属部門の変化は、転職者の新しい仕事への適職感をより低下させるのか?」という新たな問題が生ずるが、これについては今後の課題として本報告書では言及しない。なおこの場合、転職による所属部門の変化は、転職者が新しい仕事に適応するうえでより大きな負荷を課すと仮定されていることを付記しておく。

図1-8 適職感への所属部門の変化と年収の増減との影響

 そのほか直属上司については、おおむね肯定的な見方をしているようである。ただし、上司として部下の仕事を認め、充分な監督をするという点については評価があいまいである。また、同僚については散漫な評価結果しか得られず、かれらへの印象は直属上司ほど鮮明ではないといえる。
 また、職場で疎外感を感じている人は少ない。ただし一部には、職場のなかでうちとけた相手を見つけられず孤独な思いをしている人もいる。しかし、多くの人は自己の有用性に関して強い自信をもっている。そのため、日常生活でのストレス症状はあまりみられず、生活にはりあいを感じていない人はほとんどいない。
 ところで、「これからも機会さえあれば転職する」という人は全体の半数以上をしめており、こうしたキャリア探索の意向が、はたしてさらなる飛躍をめざしてのものなのかについて検討することは、これが中高年者から得られた事実であるだけにきわめて重要であるといえよう。そして、転職直後に新しい上司にすぐ慣れた人は転職意向が低く、また、転職の意向をもつ人は仕事にかかわる悩みをあまり上司には相談していないようなので、かれらの高い転職意向について検討する場合には上司との関係性に注目すべきであろう。

(4)転職による雇用状況の変化と職場適応
 転職にともなう勤め先の所在地の変化は、とくに収入への満足感と関係している。移動の傾向としては東京以外の地域から東京へと勤め先が変わった人が多く、このような人たちは転職後の収入にあまり満足していない。また、日常生活においてもストレス症状を示す人が比較的に多く、会社をとりまく環境や通勤経路の変化などがかれらに精神的な負荷をもたらしていると考えられる。
 これに対して、企業属性に関するほかの2つの指標、すなわち業種と従業員数のそれぞれの変化は、転職者の職場適応にはきわだった影響をおよぼさない。
 つぎに年収の増減についてみてみよう。転職によって年収が増えると、収入への満足感だけでなくそのほかさまざまな側面でよい結果をうみだしている。そうした好ましい影響は、仕事そのものへも同様にあらわれている。しかし、転職後の仕事内容や仕事の権限や仕事のやり方などが転職前にくらべて向上したのでそれに応じて収入も増えたのか、あるいは仕事にかかわるそうした属性は転職前後で実質的にはあまり変わっていないものの収入が増えたためによく思えるのか、原調査の結果からは明らかではない。
 また、転職によって労働時間が増えると、収入については世間相場からみて適切ではないと感じる人が増加する。転職後に労働時間が増えた人のなかには、仕事の自由裁量度が比較的に低く、直属上司や同僚からの支援もそれほど受けていないような状況にある人が多い。かれらは、新しい仕事を「きつくてしんぼうできない」と感じている。
 所属する部門が転職の前後で変化した人のなかには、直属上司について「必要なときにはきてくれる」と思っている人が比較的に多い。しかし、仕事のむずかしさや適職感については、所属部門が変わらなかった場合に肯定的に評価する傾向がみられ、やはり転職した後も同じような性格の仕事を続ける方が本人にとっては無理がないようである。
 さらに、転職後に職位があがった人は、仕事に達成感を感じ新しい職場での疎外感とは無縁で直属上司や同僚についても好意的にみている。興味深いのは、転職した後も職位が変わらなかった人は「やる気になれば何でもできる」と思い、「自分は何をやってもだめな人間」とは考えていないということである。このような強い自信は、転職者に共通した特性としてしばしば指摘されている。

(5)中高年者の転職斡旋における注意点
 最後に、結果の要点を列記しておこう。そして、ここであらためて強調しておきたいのは、原調査の対象者は転職斡旋の過程をとおして、転職先企業の求人案件について熟慮していたはずということである。したがって、すべての転職者は転職先企業のあらゆる側面で良好な適応状態を示すはずなのだが、むろん現実はそうではない。そこで、すべての転職者が転職先企業にうまく適応できるように、転職斡旋の内容や方法について再考してみる必要があるといえよう。以下の要点は、そのための手がかりになると思われる。
 まず、転職前の場面ではつぎの4点への配慮が重要である。
 <1> 転職理由は多様であるが、転職先企業の選択条件は仕事主体である。
 <2> 転職するときのセールス・ポイントは、海外経験である。
 <3> 転職先組織については、組織風土・文化が不安である。
 <4> 転職するときには、「妻」の反応が重要である。
 とくに興味深いのは、転職理由は人によってさまざまであり個人差も大きいが、その転職理由は新しい職場を選ぶ際にかならずしも重視されていないということである。たとえば、「給与が低いから」と転職した人が、「高い収入を得られるから」という理由で新しい勤め先を決めているわけではない。ほとんどの転職者は仕事そのものを中心に転職先を決めている。それだけ転職者にとっては仕事そのものへの期待が大きいということであるが、転職前の仕事への期待が実際には予想外であることも考えられるので、転職斡旋の過程において転職先の職務内容についてより詳細に検討することが望ましいといえよう。
 また、転職にともなう移動のパターンに関してはつぎのような点を指摘できる。
 <5> 大企業から小企業へ、およびサービス業への移動が多い。
 <6> 転職前の年収額700万円が、転職による増・減収の基準となる。転職前の年収額が700万円未満であった人は転職後に増収し、転職前の年収額が700万円以上であった人は転職後に減収する傾向がある。
 <7> 転職前の1ヶ月の平均総実労働200時間が、転職による時短の基準となる。転職前に1ヶ月200時間以上働いていた人は転職後の労働時間が短くなり、転職前に1ヶ月200時間未満働いていた人は転職後の労働時間が長くなる傾向がある。
 <8> 転職前の部・次長職が、転職による昇・降格の基準となる。転職前に部・次長職についていた人の約4割は、転職によって昇格する人と降格する人とに分かれる。
 4つの項目それぞれに一定の基準となるような水準がみられるようである。これらの基準にてらすと、転職前の雇用状況によって転職そのものがある程度は規定されるということができるかもしれない。たとえば、「転職前に大企業に勤務していた人は、小企業に転職することが多い」と予測できる。ただし、このような関係性は転職者の年齢によって異なることが考えられる。しかし、原調査の分析対象数はかぎられており年齢による比較ができないため、この点については充分な指摘ができない。
 さらに、転職後の状況にかかわる特色としては、収入への低い満足感と仕事への高い満足感とがあげられる。
 <9> 転職直後は仕事のやり方に慣れない。
 <10> 転職後の収入への満足感は低い。
 <11> 転職後の仕事への満足感は高い。
 <12> 転職後の直属上司への満足感は比較的に高い。
 <13> 転職後の職場における疎外感は低い。
 <14> 転職後の自己の有用性への評価は高い。
 <15> 転職後の日常生活でのストレス症状はほとんどみられない。
 前述したように、仕事主体に転職先を決めたことが、新しい仕事への高い満足感という結果になってあらわれている。しかし一方で、収入について満足している人は少なく、全般的にみると「少しくらい収入が減ってもやりたい仕事を求める」といった転職者が多いといえよう。
 そして、大半の人たちはこれからもよい機会さえあれば転職しようと思っている。
 <16> 転職後も将来の転職意向は高い。
 このように、“会社”よりも“仕事”を重視したキャリア志向は、これからもしだいに顕在化してくると思われるので、職業紹介業はより精度の高い確実な転職斡旋を要求されるようになるであろう。


第2部 転職後の職場適応

1.離職理由と転職の条件

(1)前の会社をやめた理由
 転職前に勤めていた会社をやめた理由を3つ選んでもらったところ、もっとも多かったのは「会社の将来性が不安だから」(24.3%)という理由であった(図2-1)。ついで「給与が低いから」(15.7%)「やりがいのある仕事ができないから」(15.7%)「定年後を考えると不利だから」(14.3%)となった。給与の額や仕事のやりがいなどの典型的な理由とともに、会社の将来性や定年後の処遇など、職業生活に関する長期的な見通しにもとづいた理由をあげる人が多いようである。

図2-1 離職理由

 また、中高年者の心情を反映したような「活躍の場が限られているから」(11.4%)「人事考課が正当でないから」(11.4%)などの理由や、中高年者への処遇を間接的にあらわしていると思われる「会社が合理化を進めたから」(8.6%)や「昇進の可能性がないから」(8.6%)などについても少ないながら注目すべきであろう。

(2)現在の会社を選んだ理由
 つぎに、転職先の会社を選んだ理由についてみてみよう。やはりあらかじめ用意した選択肢のなかから3つ選んでもらった。そのなかで多かった回答は、「仕事の内容」(45.7%)「能力発揮の可能性」(34.3%)「仕事のやりがい」(30.0%)であり、いずれも仕事そのものにかかわる理由であった(図2-2)。

図2-2 転職するときに重視した条件

 転職した理由と関連させてみると、転職するときに重視した条件としては、「会社の将来性」(20.0%)や「給与」(28.6%)や「定年年齢」(14.3%)や「定年後の生活設計」(12.6%)などをあげる人がもう少し多くてもよいと考えられるが実際にはそれほどでもない。転職する理由はいくつかの事項が複合的に絡み合っているのに対して、転職先の選択条件は仕事そのものにかなり限定されるということができよう。

(3)転職するときのセールス・ポイント

 さらに転職の際に、はたして求人企業に自身の何をセールス・ポイントとして売り込んだのかについて選択肢のなかから3つ選んでもらった。「専門的な技術・技能」(48.6%)と「経営管理能力」(31.4%)と回答する人が多かったが、調査対象者が経営管理者と科学技術者なのでこれは当然の結果といえよう(図2-3)。それよりも、「海外経験」(24.3%)や「語学力」(27.1%)をあげる人が先の2つのセールス・ポイントについで多いことの方が重要である。経営管理者や科学技術者として、国内はもとより国外でも活躍できるという実績と能力とが求人企業への売り込みの材料として活用されている。

図2-3 転職するときのセールス・ポイント

2.転職にともなう不安

(1)転職するときの不安

 多くの人にとって転職にはなにがしかの不安がつきまとうものであるが、その具体的な内容について自由に記述してもらったのでみてみよう。
 比較的によく目についたのは、<1>「新しい会社の社風、文化、風土への不安」、<2>「新しい会社での対人関係への不安」、<3>「自己の実力への不安」、<4>「新しい仕事内容への不安」、そして<5>「新しい会社の将来性への不安」であった。
 転職の際に、新しい「職場の流儀」や「職場の雰囲気」や「職場環境がまったく異なること」などを不安材料としてあげる人は多く、転職先の職場環境に馴染むことができるだろうか、という不安はだれしも感じるようである。
 とりわけ大企業から中小企業へと移る場合には、「会社の習慣や方針」「上司の考え方や方針」などに戸惑うことが多い。一般に、企業規模が小さくなるほどトップの影響力は大きくなる傾向があるので、「オーナー経営者の経営理念」「トップの経営方針や実力はどうか?」「トップの人間性はどうか?」「大企業と異なり中小企業の場合、その経営者いかんがすべてだが、はたして経営者が期待どおりの人物か?」などを懸念する人が多い。また、「家族経営や同族経営の将来性への不安」感をもつ人も少なくない。
 中小企業の経営者にかぎらず、新しい職場で良好な対人関係をもつことができるかも不安な点のひとつであり、「部下とうまくやれるかどうか」について気にしている。
 また、転職者の仕事ぶりは新しい職場で何かと注目を集めるが、本人にとっては仕事の実力を問われることになるのでやはり緊張するようである。「能力が受け入れられるか」「新しい仕事をやっていけるか」などの心配は、「(これまでの)経験がはたして生かされるだろうか」といった自己の実力への不安を反映していると思われる。
 このような自身の仕事能力への不安とは別に、転職先での仕事内容についても実際にやってみなければわからないことがある。とくに、「これまで経験することの少なかった部分」や「180°異なる未経験の分野」への不安感が強い。また、「やりたい仕事、セクションに配属されるか」のような転職前の希望の実現を危惧する人もいる。
 さらに、転職先の「会社の発展性」や「立派な会社に育成できるか」について悩んでいる人や、「新興の会社であること」を気がかりに思っている人などもいる。
 そのほかには、外資系企業に転職するときに、「語学力」や「英会話能力」以外に「外資系企業特有の体質」を気にする人や、転職先の会社が「田舎に立地していること」を不安に思う人などもみられる。さらに、同業他社に転職する場合には、「前の会社の関係者による排斥意識の発生」への配慮も大切である。

(2)転職するときの相談相手
 このような転職にともなう不安感を解消するために誰に相談をもちかけたのだろうか。民営職業紹介事業所のコンサルタントを除くと、もっとも多かったのは「妻」(54.3%)で、ついで「友人」(28.6%)となっている(図2-4)。転職前に務めていた「会社の上司」(15.7%)や「同僚」(12.9%)に相談した人も少なくない。民営職業紹介事業による転職斡旋の過程でも、本人のみならずその配偶者の転職にかかわる了承を確認することは重要であるとされているが、その点がここでも確かめられたことになる。

図2-4 転職するときの相談相手

 また、「誰にも相談しなかった」(27.1%)人が少なくないのは興味深いといえよう。最終的には本人自身が転職について意思決定するとはいえ、周囲の誰にも相談せずに転職した人のその後の状況については、さらに追跡して明らかにする必要があろう。

3.企業属性の変化

表2-1 転職による勤め先の所在地の変化

(1)所在地
 勤め先の所在地は、調査対象者がもともと東京都内の民営職業紹介事業所を介して転職した男性ということから、転職の前後とも東京都内が全体のほぼ7割をしめている(表2-1)。このように、勤め先の所在地の移動はほとんどみられない。

(2)業種
 転職前に勤めていた会社の業種は、「卸売・小売業」(31.4%)や「機械器具製造業」(27.1%)が多いのに対して、転職後では「機械器具製造業」(31.4%)についで「サービス業」(24.3%)が増えている(表2-2)。「機械器具製造業」の場合は同業種間の移動が比較的に多い。一方、「サービス業」へは、同業種からだけでなく「軽工業」や「重化学工業」や「卸売・小売業」などからも移動してきている。

表2-2 転職による勤め先の業種の変化

(3)従業員数
 つぎに、勤め先の企業規模の変化を従業員数でみてみよう。転職前は、「300人未満」(38.6%)と「5,000人以上」(32.9%)とに分化していたが、転職後は、「300人未満」(60.0%)に集中している(表2-3)。したがって、勤め先の企業規模の変化に関しては、大企業から小企業への下向移動が一般的であるといえよう。

表2-3 転職による勤め先の従業員数の変化

4.労働条件の変化

(1)年収
 転職によってどのくらい年収が変化するかについては、大方の関心がよせられるであろう。ボーナスをふくむ税込み額で転職前の年収をみると、「1,000~1,500万円未満」(34.3%)がもっとも多い(表2-4)。しかし転職後の年収については、「1,000~1,500万円未満」(20.0%)と同等に「700~800万円未満」(20.0%)と答える人が増えた。

表2-4 転職による年収の変化

 そこで転職による年収の増減を年収額別にみると、やはり転職前の「1,000~1,500万円未満」群が転職によって収入減になっていることがみてとれる。反対に、転職によって年収が増えた人たちの転職前の年収額をみると「700万円未満」群が大半である。したがって、現在の年収700万円を基準として、それ以下の人たちには転職によって増収の可能性があるのに対して、すでに年収700万円以上の収入を得ている人たちにとっては、転職は減収をもたらす可能性が大きいといえよう。

(2)平均月間総実労働時間
 つぎに、1ヶ月当りの平均総実労働時間を基準に労働時間についてみてみよう。転職の前後ともに「200時間以上」と答えた人がそれぞれ41.4%をしめてもっとも多い(表2-5)。しかし、転職前の全体の平均時間は189.7時間であったが、転職後は192.8時間とわずかに増えている。

表2-5 転職による平均月間総実労働時間の変化

 このような転職による労働時間の増減についてさらに詳しくみると、転職前に「200時間以上」と答えた人(n=29)の31.0%は、転職後の労働時間が減少している。しかし、その約3割の人たち、すなわち転職後に労働時間が「199時間以下」に短縮された人たちに相当する数が、転職前の労働時間が「199時間以下」であった人たちのなかから補充されており、結果として全体の割合に変化はみられないが、その構成要素となる調査対象者の内訳は変化している。
 また、この結果をみるかぎりでは、転職によって労働時間が短縮されることはあまりないということができる。

5.処遇の変化

(1)所属部門
 転職前の所属部門は、「営業・販売」(21.4%)や「海外・貿易」(20.0%)が多いのにくらべ、転職後は「開発・技術」(21.4%)や「総務・人事・労務・企画」(18.6%)が増えている(表2-6)。このような所属部門間の移動についてみると、「営業・販売」や「海外・貿易」部門から他部門へ移る人が比較的に多いようである。

表2-6 転職による所属部門の変化

 しかし、全体的には転職前と同じ部門へと移動する傾向がみられ、とくに「開発・技術部門」や「経理・財務部門」はその傾向が強い。これらの部門は、仕事内容の専門性がほかにくらべて相対的に高いため同じ部門からの求人案件とうまく結びつきやすく、また同時にそれだけ間口が限定されているといえよう。

(2)職位
 つぎは、転職前後の職位にどのような変化がみられるかである。転職前は、全体の55.7%が「部・次長、部・次長相当」で、同じく17.1%が「課長、課長相当」であった。そして、転職後は、やはり全体の55.7%が「部・次長、部・次長相当」で、同じく18.6%が「課長、課長相当」であった(表2-7)。このように職位の構成比については、転職による変化はみられない。

表2-7 転職による職位の変化

 そこで、職位の移動についてさらに詳しくみると、職制上の「課長、課長相当」以下の人たちは転職によって昇格する可能性が大きいことがわかる。「部・次長、部・次長相当」の人たちについては、およそ6割近くの人たちは水平に移動して転職先の会社でも「部・次長、部・次長相当」の職位につくが、残りの人たちのなかには「役員、役員相当」に昇格する人と、「課長、課長相当」に降格する人とに分かれるようである。また、転職前に「役員、役員相当」であった人たちは、ほぼ全員が転職後は「部・次長、部・次長相当」についている。

6.新しい昇進制度

 転職者にとって新しい職場での昇進のあり方は、自己のキャリア発達・形成と関係する重要な要因である。ところが全体の42.9%は、「昇進の機会はややかぎられている」と答えており、否定的な見方をする人が多いようである(図2-5)。

図2-5 新しい昇進制度

 また、昇進に関する施策については、「年功にもとづいた昇進である」と答えた人が全体の10.0%であるのに対して、「能力にもとづいた昇進である」と答えた人は34.3%をしめ、能力主義人事とみている人が相対的には多い。
 しかし、昇進制度をめぐる実際の運用については正確な情報がかならずしも伝わってくるわけではなく、「昇進の政策は非公式である」(38.6%)といえよう。また、中途採用者の昇進にかかわる受けとめ方については、「中途採用者の昇進は特別である」と考えている人(28.6%)と、それを否定する人(28.6%)とに意見が分かれた。

7.転職直後の適応状態

 転職してまもなくの頃に、新しい職場環境についてはどのような感じをもったのだろうか。用意した5つの項目に関してみると、いずれも肯定的な回答をする人が多く(図2-6)、全般に転職直後の適応状態はよいようである。

図2-6 転職直後の適応状態

 とりわけ新しい上司や同僚との人間関係の形成については、それぞれ全体の67.1%、64.3%が「すぐとけ込んだ」と答えていて、こうした側面での意外なほどの障害の少なさを示している。
 また、職場の雰囲気や仕事内容に「すぐなれた」人もそれぞれ全体の55.7%、57.1%をしめ、半数以上の人たちはすみやかに適応しているようである。
 そのなかで、仕事のやり方について「すぐなれた」と答えた人は全体の47.1%とほかの項目にくらべてやや少ない。やはり職場によって仕事のやり方には特性があるようで、転職直後は、新しい仕事の内容よりもそのやり方に慣れるのにやや苦労するようである。

8.現在の適応状態

(1)収入への満足感
 現在の収入については、「満足できる」と答えた人は全体の21.4%にすぎず、大半は「どちらともいえない」(45.7%)とあいまいな答え方をしている(図2-7)。このあいまいさの内容については、「世間相場からみて適切な収入である」(40.0%)が、それは「どうやら生活できる程度」(47.1%)であり、とても「贅沢品を買うことのできる収入」(5.7%)ではないと思われていると指摘できよう。このように、転職後に収入への満足感が顕著に高まるような傾向はそれほどみられない。

図2-7 収入への満足感

 また、能力評価との関係について、「能力評価からみて適切な収入」と考えている人が全体の17.1%ときわめて少ないことには注意すべきであろう。仕事能力に関する自己評価と他者評価のズレは常に一定程度は生ずるものであるが、転職者の場合、仕事能力への自己評価が比較的に高い人が多く、また、求人企業もその能力も認めて中途採用したかたちになっているので、仕事能力への他者評価の結果が実際に収入額として提示されるときに、その額に満足しない人が多いという事実は、仕事能力の評価法について検討する余地があることを示唆しているといえよう。

(2)仕事への満足感
 転職後の新しい仕事については、全般によい印象をもっているようである(図2-8)。大半の人たちは、「魅力的な」(45.7%)「満足できる」(48.6%)「よい」(51.4%)仕事に従事している。それは、「創造的」(47.1%)で「有益な」(60.0%)仕事であり、「いやな」仕事ではない(71.4%)。

図2-8 仕事への満足感

 「退屈」ではなく(75.7%)「単純」でもなく(68.6%)、どちらかといえば「むずかしい」(38.6%)「際限のない」(58.6%)仕事である。けれども「しんぼうできない」仕事ではない(74.3%)。
 またそのうえ、「挑戦的な」(51.4%)「達成感が得られる」(67.1%)「やりがいのある」(58.6%)仕事であり、本人たちは「自分にむいている」(57.1%)と思っている。
 ただし、「世間体のよい仕事」であるか(47.1%)、「愉快な仕事」であるか(57.1%)、「健康的な仕事」であるか(58.6%)、「生きがいを感じる」仕事であるか(47.1%)、「きつい仕事」(34.3%)であるかについては、いずれも「どちらともいえない」。
 ともあれ、仕事そのものを中心として考えた場合、これらの結果からみてとれるように、仕事そのものについて議論する場合にしばしば言及される仕事の達成感ややりがいや適職感などへの高い満足感は、大半の転職者の適応状態は良好であることを示している。

(3)仕事の権限への満足感
 仕事の権限や自由裁量についてもおおむね満足しているようである(図2-9)。全体の62.9%は「仕事をまかされている」と思っているし、同じく52.9%は仕事の「責任や権限をもたされている」と答えている。また、自身の判断で「仕事の手順や方法を変えられる」と答えた人も全体の65.7%をしめた。このように、新しい職場でも仕事の権限や自由裁量はかなり与えられているようである。

図2-9 仕事の権限への満足感

 また、仕事を計画する場合でも「あらかじめ見通しを立てて」(57.1%)できるし、「アイデアを生かしたり、新鮮な工夫ができる」(48.6%)。しかし、自己の「プランどおりに仕事を進められる」かとなると、どちらともいえない(48.6%)ようであり、このあたりは職場の公式および非公式のコミュニケーションのあり方と関係しているのかもしれない。

(4)直属上司への満足感
 直属上司については、半数の人が「リーダーとしての影響力がある」(50.0%)とみているし、「職務をよく知っている」(54.3%)とも評している(図2-10)。

図2-10 直属上司への満足感

 また、部下に「好きなように仕事をさせてくれ」(58.6%)、しかも「よい仕事を称賛する」(51.4%)。
 また、「いつでも気さくに話しかける」(57.1%)し、「必要なときには傍らにきてくれる」(40.0%)。そのうえ上司の方から「アドバイスを求める」(52.9%)こともある。このように、直属上司の管理監督行動について、仕事に関する知識やリーダーシップ、部下への配慮などへはおおむね肯定的に評価している。
 ただし、「部下の仕事をよしとしたがらない」性向にについては、「どちらともいえない」と答えた人が全体の47.1%をしめ、やや微妙な結果を示している。さらに、「十分な監督をしない」という見方についても同様に「どちらともいえない」と答えた人が全体の37.1%であり、部下の仕事をなかなか認めようとしないわりには充分な監督を怠っているとみている人も若干いるようである。

(5)同僚への満足感
 同僚についての印象は、直属上司への印象にくらべると全般的にあいまいである。あらかじめ用意した10個の設問項目への回答の大半は、「どちらともいえない」に集中している(図2-11)。

図2-11 同僚への満足感

 そのなかで、同僚は「退屈な連中である」(44.3%)と「不愉快な連中である」(58.6%)と「とっつきにくい連中である」(62.9%)という見方は、いずれも明確に否定された。またその反対に、同僚は「励ましてくれる」(32.9%)と答えた人は比較的に多く、新しい職場の仲間とは一応うまくいっているようである。

9.新しい職場での疎外感と日常生活のストレス

(1)職場での疎外感
 新しい職場で人間関係にかかわる疎外感にさいなまれている人は、どうやら少ないようである(図2-12)。ただし、少数ではあるが「一人ぼっちと感じることがよくある」人が全体の20.0%を、また、「うちとけて話ができる人はあまりいない」と答えた人も同じく17.1%をそれぞれしめており、一部の人たちは仕事仲間と親密な人間関係をつくれずにいる。

図2-12 新しい職場での疎外感

(2)自己の有用性
 自己の存在価値や有用性については、用意した9項目のなかで、自分は「かけがえのない大切な存在である」と「欠点だらけの人間だと思う」については「どちらともいえない」とあいまいな回答をした人がやや多いが、全般的にみて大半の人は自己への強い自信をもっている(図2-13)。これは転職者の特性のひとつであろう。

図2-13 自己の有用性への評価

(3)日常生活のストレス
 最近1ヶ月間の日常生活におけるストレス症状の自覚を18項目に関してたずねたところ、全体の37.1%は該当する自覚症状はまったくないと答えており、これはむしろ不健康な状態であるといえよう(図2-14)。通常は、18項目のなかで1~3個の項目について自覚症状のみられるのが平均的であり、これに相当する人は全体の40.0%である。

図2-14 日常生活のストレス

 また、個別の症状のなかでは「目が疲れる」人が全体の40.0%でもっとも多い。ついで「腰が痛い」(24.3%)、「疲れやすい」(20.0%)などが比較的に多いようである(図2-15)。しかし、総体的にみて日常生活でストレスを感じている人は少なく、「生活にはりあいを感じない」と答えた人は全体のわずか8.6%にすぎない。

図2-15 日常生活のストレス症状

(4)悩みの相談相手
 つぎに、仕事にかかわる悩みの相談相手をすべてあげてもらった。それによると、もっとも多かったのは「妻」(37.1%)「友人」(37.1%)であった(図2-16)。ついで、「現在の会社の同僚」(35.7%)「現在の会社の上司」(30.0%)となっている。「前の会社の同僚」(20.0%)と答えた人がやや多いのに対して、「前の会社の上司」(8.6%)をあげる人はさすがに少ない。

図2-16 仕事にかかわる悩みの相談相手

 ここでも転職者にとって「妻」の存在の重要性が確かめられた。また、前述した転職の意思決定の際と同様に、仕事にかかわる悩みについても「誰にも相談しなかった」人が全体の22.9%をしめていることに注意しなければならない。

10.転職してよかったこと

 転職したことによって、はたして期待どおりの成果を達成できたのであろうか。転職して「よかったこと」について感想を自由に記述してもらったので、まとめてみよう。
 そのなかでも多かった意見は、<1>「新しい分野を経験し学んだこと」、<2>「やりがい・生きがいのある仕事についたこと」、<3>「収入が増えたこと」、<4>「これまでの経験を生かせること」、<5>「仕事の自由裁量度が高いこと」、<6>「職場の雰囲気がよいこと」、そして<7>「能力を充分に発揮できること」であった。
 とくに、「新しい仕事によって世界が開けた、勉強になる」といった意見がかなり目につく。たとえば、「従来の経験と異なる分野の体験」や「今までと異なる環境(企業文化、理念)を知ることができた」「前の仕事とまったく違った仕事であること」などである。
 そして、このような新鮮な経験は仕事にやりがいや生きがいを感じさせるようで、「仕事にやりがいがあり楽しい」「飛躍中の会社でありヤリガイがある」などの意見がみられる。また、仕事に関しては、たとえば、「やりたい仕事ができる」や「仕事を任されている」「自分の創意で仕事ができる」など、責任や権限を与えられてある程度は自由にやれると感じている人が比較的に多い。さらに、「これまでに習得した知識や職務上の経験を駆使することができる」ことや「自分の能力をフル回転できる」喜びをあげる人もいる。
 転職前に、新しい職場の風土・文化にとけ込めるかについて不安に思う人は多いが、実際に転職してみて「社内雰囲気のよさ」にふれ、「職場の雰囲気に馴染めたこと」に安堵し「家族的で居心地がよい」と感じる人も少なくない。
 さらに、「収入が増えたこと」への満足感はもとより、「通勤時間が短くなったこと」「自宅通勤が可能になったこと」や、「労働時間が短くなったこと」「週休2日制」などを転職によるよい結果とする人もいる。
 一般に大企業から中小企業へと移動する場合、中小企業の経営者の独特な個性や人柄についてはさまざまな意見を目にし耳にする。それらは、かならずしもよい風評ばかりではない。しかし転職者のなかには、「中小企業の経営者に対する先入観にかかわらず、予想外(?)に立派な経営者が多いこと」を転職によって知りうれしく思っている人もいるのである。

11.家族にとっての転職

 転職者の家族にとって、夫あるいは父親の転職は「よかった」と思われているのであろうか。ここでは転職者自身に、転職したことを家族がどのように感じていると思うかたずねてみた。それによると、全体の58.6%は「家族にとってよかった」と答えており、「よくなかった」とする人は4.3%にすぎない(図2-17)。このように本人は、自身の転職は家族にとってもよい結果をもたらしたと考えているようである。

図2-17 家族にとっての転職

12.将来の転職意向

 つぎに、これからも機会に応じて転職する意向があるかとたずねたところ、「よい条件であれば転職したい」人が全体の47.1%でもっとも多く、「定年まで現在の会社に勤める」と答えた人が35.7%とそれについでいる(図2-18)。

図2-18 将来の転職意向

 具体的な転職意向の内容を問わないとした場合、将来、機会があれば転職したいと思っている人は全体の52.8%をしめる。この結果によると、約半数の人たちはこれからも条件しだいでは転職する意向をもっており、こうした人たちが中高年期に達した今でもキャリア探索を行っているのかについて検討することは、きわめて重要な今後の課題である。

13.今後の職業生活への影響

 最後に、転職したことが本人のこれからの職業生活にどのような意味をもつかについて自由に記述してもらったのでみてみよう。
 そこには、転職したことへの思い思いの意見や感想が記されているが、大部分の人たちは転職を飛躍のための契機にしたいと考えているようである。

「自分が今まで発揮できなかった部分(能力)の力が出せ、周囲との比較ができる。このことはよい意味の競争心がより自分を向上させ、しいては今まで、考えだにしなかった新しい勉強をも積極的に行い、熱い気持ちにかりたてられる。
これらすべて、会社にとっても、自分にとっても幸せなことと考える。これから大いに翔きたいものである」。

「今回の転職で、自分の有用性が最大限証明されそうなので、大いなる自信となりました。今後、現在のプロジェクトを完成した後なら、もう一回挑戦してみたいとも考えている」。

 また、「仕事の幅が広がった」「異なる業界についての認識が深まった」「新しい人脈を形成できた」「新しい知識や技術を習得できた」などの意見は、転職がキャリア発達・形成をより充実させるうえで有効な経験であったことを示している。
 しかし、中高年期の転職が大きな危険をともなった人生の賭けであることは間違いない。それだけに成功したときの喜びと充実感ははかりしれなく、「人生を倍以上に利用した感じがする」という感想もけっしておおげさではないと思われる。

「転職の難しさを超えたとき、新しい本当の人生があると考える」

「『やろうと思えば何とかなる』ということを実感できた。このことは、仕事や生きていくうえでガッツとか、活力とか、やる気とか希望といったプラスのベクトルを与えてくれる。そして、前向きに考えることができるようになる。自分の可能性を信じることができることは、仕事をしていく者にとって一番大切なことだと思う」。

「自分の人生設計において、ステップ・アップするよい機会と思う」。

「前職とは違う職業なので、個人的にも勉強することが多く、今後の人生に夢があります。また、現在の仕事は定年後でもできる(続ける)ことが可能なため、今の段階では満足してます」。

 その反面では、転職の否定的な性格についての記述もいくつかみられ、たとえば、「転職者はわがままで落伍者とみなされるのでけっして誇れるものではない」「汚点がひとつ増えた」と転職者への片寄った見方を指摘する人や、「今の日本では、同じ会社に長年いるほど安定した生活ができる構造になっているので、転職者には条件がよくない」とわが国の産業社会が転職に対してまだ充分に開かれてはいない実情を主張する人もいる。このような否定的な意見は、“転職の時代”とよばれる今日においても、実態のある側面を正しくとらえているということができる。
 しかしながら、こうした困難な状況のなかで「ハイ・リスク、ハイ・リターン」を狙って自己の可能性に賭ける人がしだいに増えていることは事実である。転職するにあたっては、「目的意識を明確にし」、「仕事中心に考えて決めるべきで、給料を最優先すると苦しい結果になるように思われる」。


第3部 転職の類型と転職後の職場適応

 ここでは転職による特定の就業面の変化を類型化して、第2部でみてきた職場適応のいくつかの側面や新しい職場での疎外感、日常生活のストレス状況などに関して、就業面の変化によってどのような違いがみられるか明らかにする。なお、とりあげる項目はすでに提示した表1-1に示すとおりである。また、クロス集計は表1-1の変数すべての組合せについて行ったが、以下ではそのなかで統計的に有意な結果だけをとりあげて記述する。

1.企業属性の変化と転職後の職場適応

(1)所在地の変化
 まず、転職の前後で勤め先の所在地が、「変わった群」(n=27)と「変わらなかった群」(n=43)とに分けて、勤め先の所在地の変化と職場適応との関係についてみてみよう。勤め先の所在地が移ることは、オフィスをとりまく外部の空間が一変することであり、それは職場内の人間行動にも何らかの影響をおよぼす可能性がある。
 「転職直後の適応状態」については、5項目すべてについて両群の間に有意な違いはみられなかった。
 「収入への満足感」については、5項目中4項目で両群間に有意な違いがみられた。勤め先の所在地が変わった人たちの回答は、「満足できる収入」(図3-1)と「世間相場からみて適切」(図3-2)と「能力評価からみて適切」(図3-3)への肯定的な評定が減少し、反対に否定的な評定が増加している。ただし、「どうやら生活できる程度」については、否定的な評定がやや増加すると同時に、肯定的な評定も顕著に増加しており、会社の所在地の変化によって意見がふたつに分かれている(図3-4)。このように、収入については勤め先の所在地が変わることによって満足感が低下するようである。勤め先の所在地の変化にみられる全体の傾向は、東京外から東京への移動が多く、東京における収入/支出に関連した生活状況のきびしさを反映していると思われる。

図3-1 所在地の変化と収入への満足感:「満足できる収入」との関係
図3-2 所在地の変化と収入への満足感:「世間相場からみて適切」との関係/図3-3 所在地の変化と収入への満足感:「能力評価からみて適切」との関係/図3-4 所在地の変化と収入への満足感:「どうやら生活できる程度」との関係

 「仕事への満足感」に関する20項目のうちで、「魅力的な仕事」と「健康的な仕事」の2項目については、両群の間にそれぞれ有意な違いが若干みられた。勤め先の所在地が変わることによって、2つの項目への肯定的な評定と否定的な評定とがそれぞれ多少増えており、意見が分かれるようである(図3-5,図3-6)。

図3-5 所在地の変化と収入への満足感:「魅力的な仕事」との関係/図3-6 所在地の変化と収入への満足感:「健康的な仕事」との関係

 また、「仕事の権限への満足感」については、6項目中ただひとつ「仕事をまかされている」の項目で両群の間に有意な違いがみられた。勤め先の所在地が変わることによって、肯定的な評定と否定的な評定とがそれぞれ増えており意見が分かれる傾向がみられる(図3-7)。

図3-7 所在地の変化と収入への満足感:「仕事をまかされている」との関係

 さらに、「直属上司への満足感」については、「部下の仕事を認めない」と「気さくに話しかける」の2項目で有意な違いがみられた。いずれの項目についても、勤め先の所在地が変わることによって、肯定的な評定と否定的な評定とがそれぞれ増える(図3-8,図3-9)。

図3-8 所在地の変化と収入への満足感:「部下の仕事を認めない」との関係/図3-9 所在地の変化と収入への満足感:「気さくに話しかける」との関係

 新しい職場における仕事や直属上司に関連するいくつかの項目については、満足している人たちと不満足な人たちとに分化する傾向がみられる。勤務地が東京外から東京へと移動した場合、これらの人たちには自身の状況と周囲とを比較する情報や機会が豊富にあるため意見の相違が明確にあらわれるのかもしれない。
 「同僚への満足感」についての10項目には、両群の間に有意な違いはみられなかった。
 「新しい職場での疎外感」については、11項目中2項目で両群の間に有意な違いがみられた。それらは、「一人ぼっちと感じる」(図3-10)と「理解しあえる人はいない」(図3-11)であり、どちらも勤め先の所在地が変わることによって、肯定的な評定が増加し否定的な評定が減少している。職場外環境の変化とともに、その環境のなかにすでにある職場内の人間関係へ参加することに困難を感じる人もいるようである。

図3-10 所在地の変化と新しい職場での疎外感:「一人ぼっちと感じる」との関係
図3-11 所在地の変化と新しい職場での疎外感:「理解し合える人はいない」との関係

 「自己の有用性」については、すべての項目に関して両群の間に有意な違いはみられなかった。
 「日常生活のストレス」に関しては、「頭が重い」(図3-12)と「好きなこともやる気がしない」(図3-13)と「頭がさえない」(図3-14)について、勤め先の所在地が変わった人たちの方にやや肯定的な評定をする傾向がみられる。また、「心配ごとが多い」については、勤め先の所在地が変わることによって、肯定的な評定が増加し否定的な評定が減少している(図3-15)。ただし、「イライラする」については、勤め先の所在地が変わった人たちのなかで肯定的な評定と否定的な評定とがそれぞれ増えており、意見が分かれるようである(図3-16)。職場の外部環境や通勤経路などの変化が、日常生活におけるストレス状態をひきおこしているといえよう。また、さきにふれた新しい職場での疎外感がこうしたストレス状態をもたらす原因となっているとも考えられる。
 「家族にとっての転職」については、勤め先の所在地が変わった人たちのなかに否定的な評定をする人がやや多い(図3-17)。夫あるいは父親の勤め先が変わることは、かれの目から見ると、その家族に何らかの支障をきたすのかもしれない。

図3-12 所在地の変化と日常生活のストレス:「頭が重い」との関係/図3-13 所在地の変化と日常生活のストレス:「好きなこともやる気がしない」との関係/図3-14 所在地の変化と日常生活のストレス:「頭がさえない」との関係
図3-15 所在地の変化と日常生活のストレス:「心配ごとが多い」との関係/図3-16 所在地の変化と日常生活のストレス:「イライラする」との関係/図3-17 所在地の変化と家族にとっての転職との関係

(2)業種の変化
 つぎに、転職の前後で勤め先の業種が、「変わった群」(n=39)と「変わらなかった群」(n=31)とに分けて、勤め先の業種の変化と職場適応との関係についてみてみよう。会社の業種は雇用管理全般の性格をある程度は規定するので、それによって職場環境の大枠がかたちづくられる。したがって、転職にともなう勤め先の業種の移動は、職場環境を間接的に変化させるといえよう。
 「転職直後の適応状態」については、両群の間に有意な違いはみられなかった。
 「収入への満足感」については、5項目のなかでひとつの項目に関して両群間に有意な違いがみられた。勤め先の業種が変わった人たちのなかには、現在の収入が「能力評価からみて適切」かについて否定的な評定をする人がやや多い(図3-18)。これまでとは異なる業界のなかで、そこに特有な評価体系や人事考課などにとまどっているのかもしれない。

図3-18 業種の変化と収入への満足感:「能力評価からみて適切」との関係

 「仕事への満足感」にかかわる20項目については、いずれの項目も勤め先の業種の変化による影響はみられなかった。
 「仕事の権限への満足感」については、ただひとつ、「責任や権限をもたされている」の項目で両群の間に有意な違いがみられた。勤め先の業種が変わると、この項目への否定的な評定をする人が減るようである(図3-19)。

図3-19 業種の変化と仕事の権限への満足感:「責任や権限をもたされている」との関係

 また、「直属上司への満足感」については、「部下の仕事を認めない」の項目で有意な違いがみられ、勤め先の業種が変わると、肯定的な評定をする人と否定的な評定をする人とがそれぞれ少しずつ減り、「どちらともいえない」とあいまいな回答をする人が増える(図3-20)。異業種からの転職者ということで新参者はそれなりに期待されるであろう反面、実際の仕事のやり方や本人の実力などの点で未知の部分も少なくないと思われる。そこで上司としては、ある程度はかれらに責任や権限をもたせてやらせてみると同時に、その仕事の成果についてはしばらく様子をみてから評価しようとするのではなかろうか。

図3-20 業種の変化と直属上司への満足感:「部下の仕事を認めない」との関係

 なお、「同僚への満足感」と「新しい職場での疎外感」「自己の有用性」「日常生活のストレス」「家族にとっての転職」については、それぞれ両群の間に有意な違いはみられなかった。

(3)従業員数の増減
 さらに、転職の前後で勤め先の従業員数が「増えた群」(n=14)と「変わらなかった群」(n=24)と「減った群」(n=32)とに分けて、勤め先の従業員数の増減と職場適応との関係についてみてみよう。会社の従業員数は企業規模を示す代表的な指標のひとつである。この指標によって、一般的には、大・中・小・零細企業に区分しそれぞれに固有な雇用管理や雇用慣行などについて議論することが多い。原調査の結果をみると、転職によってより小さな規模の勤め先へ移る人が多く、以下ではそのことをふまえて検討しよう。
 「転職直後の適応状態」については、「同僚にとけ込むのは早かった」の項目で若干有意な違いがみられ、転職後に勤め先の従業員数が「減った群」には肯定的な評定をする人は少ない(図3-21)。それまで勤めていた会社よりも小さな規模の勤め先に移ると、人間関係が以前にくらべて緊密になり職場の仲間にとけ込むのは難しくなるのかもしれない。

図3-21 従業員数の増減と転職直後の適応状態:「同僚にとけ込むのは早かった」との関係

 「収入への満足感」については、「世間相場からみて適切」の項目への評定で若干の有意差がみられ、転職後に勤め先の従業員数が「増えた群」では当該項目に関して「どちらともいえない」と答える人が多いのに対して、「減った群」では肯定的な評定をする人と否定的な評定をする人とに分かれる(図3-22)。一般的に、転職前に勤めていた会社よりも規模の小さな会社に移る場合は収入も減少するといえるが、そうした勤務先の規模と収入との関係性を充分に理解している人は、転職後の収入の額について納得できるであろう。

図3-22 従業員数の増減と収入への満足感:「世間相場からみて適切」との関係

 「仕事への満足感」については、「世間体のよい仕事」の項目でやや有意な違いがみられた(図3-23)。転職後に勤め先の従業員数が「増えた群」には肯定的な評定をする人が多い。以前にくらべて大規模の会社に転職することは、世間体もよいと思われているようである。

図3-23 従業員数の増減と仕事への満足感:「世間体のよい仕事」との関係

 「仕事の権限への満足感」と「直属上司への満足感」と「同僚への満足感」については、それぞれ3群間に有意な違いのみられる項目はなかった。
 また、「新しい職場での疎外感」については、「暖かい心で迎えてくれる」の項目でやや有意な違いがみられ、転職後に勤め先の従業員数が「増えた群」には肯定的な評定をする人が多い(図3-24)。

図3-24 従業員数の増減と新しい職場での疎外感:「温かい心で迎えてくれる」との関係

 「自己の有用性」と「日常生活のストレス」と「家族にとっての転職」については、それぞれ3群間に有意な違いのみられる項目はなかった。

2.労働条件の変化と転職後の職場適応

(1)年収の増減
 最初は、年収の増減についてである。転職理由として、もっともしばしばあげられるのが「より高い収入を得るため」という意見である。転職による年収の増減は転職の成否を考える決め手のひとつであるが、かならずしも賃金アップだけがすべてではない。原調査の対象者について注意しなければならないのは、転職前の斡旋の過程で転職後の年収をふくむあらゆる労働条件を転職者自身は承知していたということである。したがって、転職後に年収がさがった人もそれについてはあらかじめ了承していたわけで、以下ではその点に気をつけながら検討していこう。なお、転職によって年収に変化がなかった人は、70名中20名(28.6%)にすぎない。転職後に年収が増えた人は21名(30.0%)、年収が減った人は29名(41.4%)であった。そこで、転職後に年収が「増えた群」(n=21)と「変わらなかった群」(n=20)と「減った群」(n=29)とに分けて、年収の増減と職場適応との関係についてみてみよう。
 「転職直後の適応状態」については、3つの項目に関して有意な違いがみられた。「職場の雰囲気にはすぐ慣れた」(図3-25)と「同僚にとけ込むのは早かった」(図3-26)と「上司とはすぐなれた」(図3-27)の項目では、いずれも転職後に年収が「増えた群」のなかに肯定的な評定をする人が多い。賃金があがったことで新しい職場へもすみやかにとけ込む心理的な余裕ができたのかもしれない。

図3-25 年収の増減と転職直後の適応状態:「職場の雰囲気にはすぐ慣れた」との関係/図3-26 年収の増減と転職直後の適応状態:「同僚にとけ込むのは早かった」との関係
図3-27 年収の増減と転職直後の適応状態:「上司とはすぐ慣れた」との関係

 「収入への満足感」については、3つの項目に関して有意な違いがみられた。「満足できる収入」の項目では、転職後に年収が「減った群」のなかには否定的な評定をする人が多い反面、「増えた群」には肯定的な評定をする人よりもむしろ「どちらともいえない」とあいまいに答える人の方が多い(図3-28)。転職によって年収が「変わらなかった群」では意見がほぼ3つに均等して分かれるようである。また、「能力評価からみて適切」の項目に関しては、年収が「減った群」と「増えた群」とではいずれも「どちらともいえない」と答える人が比較的に多いのにくらべ、「変わらなかった群」では肯定的な評定をする人と否定的な評定をする人とに分かれる傾向がみられる(図3-29)。

図3-28 年収の増減と収入への満足感:「満足できる収入」との関係
図3-29 年収の増減と収入への満足感:「能力評価からみて適切」との関係

 あらかじめ転職後の年収を知っていても、実際にそれを手にしてみるとまた違った気持ちにとらわれるのであろう。前よりもさがった人たちは、やはり何がしかの不満をおぼえる。ところが、前よりもあがった人たちは、満足するより「まあ、こんなもんだろう」と特別な感情はあまりわかないかのようである。また、転職前後で年収の変化しなかった人たちの評価が、「満足できる収入」と「能力評価からみて適切」の2つの項目について、肯定と否定に分かれるというのは、収入以外のほかの要因が影響していると考えられ興味深い。
 さらに、「どうやら生活できる程度」の項目では、転職後に年収が「減った群」のなかには肯定的な評定をする人が多く、「増えた群」には否定的な評定をする人が多い(図3-30)。しかし、「増えた群」のなかにも肯定的な評定をする人は48.0%をしめており、約半数の人は現在の年収は「どうやら生活できる程度」の額と感じているようである。

図3-30 年収の増減と収入への満足感:「どうやら生活できる程度」との関係

 「仕事への満足感」については、5つの項目に関して有意な違いがみられた。「満足できる仕事」の項目では、転職後に年収が「増えた群」のなかに肯定的な評定をする人がやや多い(図3-31)。「退屈な仕事」の項目では、転職後に年収が「減った群」のなかに肯定的な評定をする人が若干みられるのに対して、「変わらなかった群」と「増えた群」のなかには肯定的な評定をする人はまったくいない(図3-32)。「よい仕事」の項目では、転職後に年収が「増えた群」のなかに肯定的な評定をする人がやや多い(図3-33)。「しんぼうできない仕事」の項目では、転職後に年収が「変わらなかった群」と「増えた群」のなかにそれぞれ否定的な評定をする人がやや多い(図3-34)。「いやな仕事」の項目では、転職後に年収が「増えた群」のなかに否定的な評定をする人が多い(図3-35)。

図3-31 年収の増減と仕事への満足感:「満足できる仕事」との関係
図3-32 年収の増減と仕事への満足感:「退屈な仕事」との関係/図3-33 年収の増減と仕事への満足感:「よい仕事」との関係
図3-34 年収の増減と仕事への満足感:「しんぼうできない仕事」との関係/図3-35 年収の増減と仕事への満足感:「いやな仕事」との関係

 さらに、「仕事の権限への満足感」については、2つの項目に関して有意な違いがみられた。「手順や方法を変えられる」の項目では、転職後に年収が「増えた群」のなかに肯定的な評定をする人が多く、「変わらなかった群」のなかに否定的な評定をする人が多い(図3-36)。「見通しを立ててできる」の項目についても同じように、年収が「増えた群」のなかに肯定的な評定をする人が多く、「変わらなかった群」のなかに否定的な評定をする人が多い(図3-37)。このように、転職後に年収が増えると仕事そのものへもよい感情を持つようになるといえよう。ただし、仕事そのものや仕事の権限や仕事のやり方などが転職によって向上したためそれに応じて賃金もあがったのか、それとも仕事にかかわるそれらの属性は実はあまり変わってはいないが収入が増えたためによくなったように思えるのかについては明らかでない。

図3-36 年収の増減と仕事の権限への満足感:「手順や方法を変えられる」との関係
図3-37 年収の増減と仕事の権限への満足感:「見通しを立ててできる」との関係

 「直属上司への満足感」については、4つの項目に関して有意な違いがみられた。「私のアドバイスを求める」の項目に関しては、転職後に年収が「減った群」と「変わらなかった群」で肯定的な評定をする人と否定的な評定をする人とに分かれる傾向が若干みられた(図3-38)。これに対して、「増えた群」の人たちは否定的な評定をまったくしていない。「部下の仕事を認めない」の項目では、転職後に年収が「増えた群」のなかには否定的な評定をする人が多く、反対に「減った群」のなかには肯定的な評定をする人が多い(図3-39)。「十分な監督をしない」の項目では、転職後に年収が「増えた群」のなかに否定的な評定をする人が多いのに対して、「変わらなかった群」と「減った群」のなかには肯定的な評定をする人がやや多い(図3-40)。「必要なときにはきてくれる」の項目では、転職後に年収が「増えた群」のなかに肯定的な評定をする人が多い(図3-41)。このように、直属上司についても全般に年収が増えた人たちの方が肯定的な評定をしている。

図3-38 年収の増減と直属上司への満足感:「アドバイスを求める」との関係
図3-39 年収の増減と直属上司への満足感:「部下の仕事を認めない」との関係/図3-40 年収の増減と直属上司への満足感:「十分な監督をしない」との関係
図3-41 年収の増減と直属上司への満足感:「必要なときにはきてくれる」との関係

 「同僚への満足感」については、3つの項目に関して有意な違いがみられた。「積極的な人間」の項目では、転職後に年収が「増えた群」のなかに肯定的な評定をする人がやや多い(図3-42)。「忠誠心の持ち主」の項目では、転職後に年収が「減った群」のなかに肯定的な評定をする人やや多いのに対して、「変わらなかった群」のなかには否定的な評定をする人が多い。また、「増えた群」には「どちらともいえない」と答える人が多い(図3-43)。「とっつきにくい連中」の項目では、転職後に年収が「増えた群」のなかに否定的な評定をする人が多く、「減った群」のなかには肯定的な評定をする人が若干いる(図3-44)。直属上司と同じように、同僚についても年収が増えた人の方が好意的にみているようである。

図3-42 年収の増減と同僚への満足感:「積極的な人間」との関係/図3-43 年収の増減と同僚への満足感:「忠誠心の持ち主」との関係
図3-44 年収の増減と同僚への満足感:「とっつきにくい連中」との関係

 「新しい職場での疎外感」については、2つの項目に関して有意な違いがみられた。「うちとけて話ができる人はあまりいない」の項目に関しては、転職後に年収が「変わらなかった群」では肯定的な評定をする人が、また、「増えた群」では否定的な評定をする人がそれぞれ多い(図3-45)。「変わらなかった群」のなかでは、当該項目への評定がはっきりと分かれる。「何か言っても無視されることが多い」の項目では、転職後に年収が「増えた群」のなかに否定的な評定をする人が多い(図3-46)。この項目についても、「変わらなかった群」のなかで年収への意見が分かれる傾向がややみられる。

図3-45 年収の増減と新しい職場での疎外感:「うちとけた人はあまりいない」との関係
図3-46 年収の増減と新しい職場での疎外感:「無視されることが多い」との関係

 また、「自己の有用性」と「日常生活のストレス」については、それぞれ3群間に有意な違いのみられる項目はなかった。
 「家族にとっての転職」については、3つの群の間で若干有意な違いがみられた(図3-47)。転職後に年収が「増えた群」のなかには肯定的な評定をする人が多い。転職によって年収が増えるのは家族にとってもよいということはうなずける。

図3-47 年収の増減と家族にとっての転職との関係

(2)平均月間総実労働時間の増減
 つぎは、平均月間総実労働時間の増減についてである。労働時間の短縮は今日の大きな課題としてさまざまに議論されているが、原調査の結果をみるかぎり労働時間の長さを転職の理由としてあげる人は少ない。また、転職するときの条件として考える人も多くはない。しかし、転職による労働時間の変化は、間接的に個人の職場適応に影響すると考えられる。
 ここでは、平均月間総実労働時間を転職の前後についてそれぞれそのまま記入してもらい、その後「1=~149時間/2=150~159時間/…/6=190~199時間/7=200時間+」の7つのカテゴリーに区分した。これにしたがうと、労働時間がほぼ同じ職場へと転職した人は、70名中30名(42.9%)であった。また、労働時間が増えた人は26名(37.1%)、労働時間が減った人は14名(20.0%)であった。この結果から、転職後に労働時間が「増えた群」(n=26)と「変わらなかった群」(n=30)と「減った群」(n=14)とに分けて、職場適応との関係についてみていこう。
 「転職直後の適応状態」については、「仕事内容にはすぐ慣れた」の項目で有意な違いがみられた。転職後に労働時間が「減った群」のなかには肯定的な評定をする人が多いのに対して、「増えた群」には否定的な評定をする人が多い(図3-48)。新しい仕事内容が以前とは異なるため慣れるまでにてこずることや、あるいは仕事量が増大してやらなければならない作業に追われ労働時間が増えたことなどが考えられる。

図3-48 労働時間の増減と転職直後の適応状態:「仕事内容にはすぐ慣れた」との関係

 「収入への満足感」については、2つの項目に関して有意な違いがみられた。「世間相場からみて適切」の項目では、転職後に労働時間が「増えた群」のなかに否定的な評定をする人が多い(図3-49)。「どうやら生活できる程度」の項目では、転職後に労働時間が「減った群」のなかに肯定的な評定をする人は多い(図3-50)。転職によって労働時間が増えた人は、「前にもまして働いているのに給料は安すぎる」と感じ、また、労働時間が減った人は、「どうやら生活できるくらいの給料だけど働いている時間は減った」と思っているのであろう。

図3-49 労働時間の増減と収入への満足感:「世間相場からみて適切」との関係
図3-50 労働時間の増減と収入への満足感:「どうやら生活できる程度」との関係

 「仕事への満足感」については、2つの項目に関して有意な違いがみられた。「しんぼうできない仕事」の項目では、転職後に労働時間が「増えた群」のなかに否定的な評定をする人が少ない(図3-51)。「きつい仕事」の項目では、転職後に労働時間が「減った群」のなかに否定的な評定をする人が多い(図3-52)。このように、転職後の労働時間の増加は仕事への耐性に影響する。

図3-51 労働時間の増減と仕事への満足感:「しんぼうできない仕事」との関係
図3-52 労働時間の増減と仕事への満足感:「きつい仕事」との関係

 「仕事の権限への満足感」については、やはり2つの項目に関して有意な違いがみられた。「自分のプランどおりに進められる」の項目では、転職後に労働時間が「増えた群」のなかに否定的な評定をする人がやや多い(図3-53)。「仕事をまかされている」の項目では、転職後に労働時間が「減った群」のなかに肯定的な評定をする人が多い(図3-54)。労働時間は、仕事の自由裁量度と関係すると考えられる。新しい職場で仕事の自由裁量度が大きくなると、労働時間は減少する傾向がみられる。

図3-53 労働時間の増減と仕事の権限への満足感:「プランどおり進められる」との関係/図3-54 労働時間の増減と仕事の権限への満足感:「仕事をまかされている」との関係

 「直属上司への満足感」については、2つの項目に関して有意な違いがみられた。「私のアドバイスを求める」の項目では、転職後に労働時間が「増えた群」のなかに否定的な評定をする人が多い(図3-55)。「よい仕事を称賛する」の項目では、転職後に労働時間が「増えた群」のなかに否定的な評定をする人がやや多い(図3-56)。

図3-55 労働時間の増減と直属上司への満足感:「アドバイスを求める」との関係/図3-56 労働時間の増減と直属上司への満足感:「よい仕事を称賛する」との関係

 また、「同僚への満足感」については、2つの項目に関して有意な違いがみられた。「励ましてくれる」の項目では、転職後に労働時間が「増えた群」のなかに否定的な評定をする人が多い(図3-57)。「忠誠心の持ち主」の項目では、転職後に労働時間が「増えた群」のなかに否定的な評定をする人が多い(図3-58)。

図3-57 労働時間の増減と同僚への満足感:「励ましてくれる」との関係
図3-58 労働時間の増減と同僚への満足感:「忠誠心の持ち主」との関係

 さらに、「新しい職場での疎外感」については、3つの項目に関して有意な違いがみられた。「働きかければ親切に応じてくれる」の項目では、転職後に労働時間が「減った群」のなかに肯定的な評定をする人が多い(図3-59)。「本当に理解し合える人はほとんどいない」の項目では、転職後に労働時間が「増えた群」のなかに肯定的な評定をする人が多い(図3-60)。「暖かい心で迎えてくれる」の項目では、転職後に労働時間が「変わらなかった群」のなかに肯定的な評定をする人が多く、また、「増えた群」には否定的な評定をする人が若干みられる(図3-61)。転職によって労働時間が増えた人の多くは、本人自身の判断をそれほど必要としないような仕事に従事しているのかもしれない。そのうえ、直属上司や同僚からの支援もあまり受けられない状況にありがちとも思われる。

図3-59 労働時間の増減と新しい職場での疎外感:「親切に応じてくれる」との関係
図3-60 労働時間の増減と新しい職場での疎外感:「理解し合える人はいない」との関係/図3-61 労働時間の増減と新しい職場での疎外感:「暖かい心で迎えてくれる」との関係

 なお、「自己の有用性」と「日常生活のストレス」と「家族にとっての転職」については、それぞれ3群間に有意な違いのみられる項目はなかった。

3.処遇の変化と転職後の職場適応

(1)所属部門の変化
 処遇の変化については、まず、所属部門の移動についてみてみよう。所属部門が変わるとそこでの仕事の性格や進め方も違ってくるので、それに合わせて対応しなければならない。転職の前後で所属部門が変化した人は、70名中29名(41.4%)であった。全体的には転職前と同じ部門へと移動する傾向がみられ、とくに開発・技術部門や経理・財務部門に関してはその傾向が強い。これは当該部門の仕事の専門性によると思われる。以下では、転職によって所属部門が「変わった群」(n=29)と「変わらなかった群」(n=41)とに分けて職場適応との関係をみてみよう。
 「転職直後の適応状態」にかかわる5項目については、それぞれ3群間に有意な違いのみられる項目はなかった。
 「収入への満足感」については、ただひとつ「満足できる収入」の項目で有意な違いがみられ、転職後に所属部門が「変わらなかった群」のなかに否定的な評定をする人がやや多い(図3-62)。転職後も前と同じ所属部門へ移る人は、仕事そのものよりほかに何か目的をもって転職すると考えられる。なかでも前述したように収入への期待は大きいだけに、現実との落差を実感する人は少なくないであろう。

図3-62 所属部門の変化と収入への満足感:「満足できる収入」との関係

 「仕事への満足感」については、2つの項目に関して有意な違いがみられた。「むずかしい仕事」の項目では、転職後に所属部門が「変わらなかった群」のなかに否定的な評定をする人が多い(図3-63)。「自分にむいている仕事」の項目では、転職後に所属部門が「変わらなかった群」のなかに肯定的な評定をする人が多い(図3-64)。やはりこれまでと同じ部門で同じ性格の仕事を続ける方が満足感も大きいといえよう。

図3-63 所属部門の変化と仕事への満足感:「むずかしい仕事」との関係
図3-64 所属部門の変化と仕事への満足感:「自分にむいている仕事」との関係

 「仕事の権限への満足感」の6項目については、それぞれ3群間に有意な違いのみられる項目はなかった。
 「直属上司への満足感」については、2つの項目に関して有意な違いがみられた。「職務をよく知っている」の項目では、転職後に所属部門が「変わった群」のなかに肯定的な評定をする人がやや多い(図3-65)。「必要なときにはきてくれる」の項目では、転職後に所属部門が「変わらなかった群」のなかに否定的な評定をする人が多いのにくらべ、「変わった群」には肯定的な評定をする人が多い(図3-66)。転職した後に異なる所属部門で仕事をすることになった人は、直属の上司から仕事についていろいろと教示される機会が多い。上司は転職者に対して、しばしば仕事の内容や進め方を教え早く慣れるように配慮する。

図3-65 所属部門の変化と直属上司への満足感:「職務をよく知っている」との関係
図3-66 所属部門の変化と直属上司への満足感:「必要なときにはきてくれる」との関係

 「同僚への満足感」については、「退屈な連中」の項目で有意な違いがみられた。転職後に所属部門が「変わった群」のなかに否定的な評定をする人がやや多い(図3-67)。これまでとは違う部門のなかでは、周囲の環境は新鮮に感じられ人間関係についてもまったく経験しなかった印象をもつこともありうる。

図3-67 所属部門の変化と同僚への満足感:「退屈な連中」との関係

 「新しい職場での疎外感」に関する11項目については、それぞれ3群間に有意な違いのみられる項目はなかった。
 「自己の有用性」については、「自分はとるにたらない小さな存在」の項目で有意な違いがみられた。転職後に所属部門が「変わった群」のなかに肯定的な評定をする人が多い(図3-68)。このように、新しい部門で働きはじめて少し自信喪失に陥ってしまう人もみられる。また、こうした自信の無さは、毎日の生活でのストレス症状とも無関係ではないといえよう。「日常生活のストレス」については、「ささいなことが気になる」の項目で有意な違いがみられ、転職後に所属部門が「変わった群」のなかに肯定的な評定をする人が多い(図3-69)。

図3-68 所属部門の変化と新しい職場での疎外感:「とるにたらない存在」との関係/図3-69 所属部門の変化と日常生活のストレス:「ささいなことが気になる」との関係

 なお、「家族にとっての転職」については、それぞれ3群間に有意な違いのみられる項目はなかった。

(2)職位の昇降
 つぎに、職位の昇降についてみると、同じ職位への水平移動は70名中31名(44.3%)であった。転職前より職位があがった人は20名(28.6%)、反対にさがった人は19名(27.1%)であった。そこで、転職後に職位が「あがった群」(n=20)と「変わらなかった群」(n=31)と「さがった群」(n=19)とに分けて、職位の昇降と職場適応との関係についてみていこう。職位の昇降は、年収の増減とならんで転職の成功にかかわる代表的な指標である。
 「転職直後の適応状態」については、「仕事内容にはすぐ慣れた」の項目で有意な違いがみられ、転職後に職位が「あがった群」のなかに肯定的な評定をする人がやや多い(図3-70)。職位が「あがった群」のなかにはより高い地位の管理職へと昇進した人が多くかれらは転職斡旋の過程で求人企業からそれだけの実力を評価されての結果であるから、仕事ののみこみも早いと思われる。

図3-70 職位の昇降と転職直後の適応状態:「仕事内容にはすぐ慣れた」との関係

 「収入への満足感」についての5項目には、それぞれ3群間に有意な違いのみられる項目はなかった。
 「仕事への満足感」については、「達成感が得られる仕事」の項目で有意な違いがみられた。転職後に職位が「あがった群」のなかに肯定的な評定をする人が多い(図3-71)。職位があがることによって組織における高次の意思決定に参画するわけだから、それにともなう達成感も充分に得られる。

図3-71 職位の昇降と仕事への満足感:「達成感が得られる仕事」との関係

 なお、「仕事の権限への満足感」にかかわる6項目については、それぞれ3群間に有意な違いのみられる項目はなかった。
 「直属上司への満足感」については、3つの項目に関して有意な違いがみられた。「私のアドバイスを求める」の項目では、転職後に職位が「さがった群」のなかには否定的な評定をする人が多いのに対して、「あがった群」には肯定的な評定をする人が多い(図3-72)。「職務をよく知っている」の項目では、転職後に職位が「あがった群」のなかに肯定的な評定をする人が多い(図3-73)。「好きなように仕事をさせてくれる」の項目では、転職後に職位が「あがった群」のなかに肯定的な評定をする人が多い(図3-74)。転職によって昇格した人は、以前にくらべて自己の言動が直属上司から評価されていると感じるようである。

図3-72 職位の昇降と直属上司への満足感:「アドバイスを求める」との関係/図3-73 職位の昇降と直属上司への満足感:「職務をよく知っている」との関係
図3-74 職位の昇降と直属上司への満足感:「好きなようにさせてくれる」との関係

 「同僚への満足感」については、3つの項目に関して有意な違いがみられた。「励ましてくれる」の項目では、転職後に職位が「あがった群」のなかに肯定的な評定をする人がやや多い(図3-75)。また、職位が「変わらなかった群」では、肯定的な評定と否定的な評定とに意見が分かれる。「責任感が強い」の項目では、転職後に職位が「あがった群」のなかに肯定的な評定をする人が多く、「変わらなかった群」に否定的な評定をする人が若干多い(図3-76)。「忠誠心の持ち主」の項目では、転職後に職位が「あがった群」のなかに肯定的な評定をする人が比較的に多い(図3-77)。職位が昇降すると職場におけるヨコのつながりも変化して、それとともに転職前とは違った層での人間関係が形成され、同僚への見方も変わるといえよう。

図3-75 職位の昇降と同僚への満足感:「励ましてくれる」との関係/図3-76 職位の昇降と同僚への満足感:「責任感が強い」との関係
図3-77 職位の昇降と同僚への満足感:「忠誠心の持ち主」との関係

 「新しい職場での疎外感」については、4つの項目に関して有意な違いがみられた。「自分のことを考えてくれる人もいる」(図3-78)と「仲間はずれにされていると感じない」(図3-79)の項目では、ともに転職後に職位が「あがった群」のなかに肯定的な評定をする人がやや多い。また、「本当に理解し合える人はほとんどいない」(図3-80)と「認めてくれる人はいない」(図3-81)の項目では、いずれも転職後に職位が「あがった群」のなかに否定的な評定をする人が多い。このように、転職によって職位があがった人は、新しい職場での疎外感はあまり感じないようである。

図3-78 職位の昇降と新しい職場での疎外感:「考えてくれる人もいる」との関係/図3-79 職位の昇降と新しい職場での疎外感:「仲間はずれにされていない」との関係
図3-80 職位の昇降と新しい職場での疎外感:「理解し合える人はいない」との関係/図3-81 職位の昇降と新しい職場での疎外感:「認めてくれる人はいない」との関係

 「自己の有用性」については、2つの項目に関して有意な違いがみられた。「やる気になれば何でもできる」の項目では、転職後に職位が「変わらなかった群」のなかに肯定的な評定をする人が多いのに対して、「あがった群」には肯定的な評定をする人が少なく「どちらともいえない」と答える人が多い(図3-82)。「自分は何をやってもだめな人間」の項目では、転職後に職位が「さがった群」には否定的な評定をする人がやや少ないのにくらべ、「変わらなかった群」のなかには否定的な評定をする人が比較的に多い(図3-83)。転職後も前と同じ職位に水平移動した人は、「機会さえあれば俺にだってやれないことはない」と自身の実力について自己評価しているのであろうか。

図3-82 職位の昇降と自己の有用性:「やる気になれば何でもできる」との関係/図3-83 職位の昇降と自己の有用性:「何をやってもだめな人間」との関係

 「日常生活のストレス」については、「腰が痛い」の項目で有意な違いがみられ、転職後に職位が「あがった群」のなかに肯定的な評定をする人が多い(図3-84)。高い職位への昇格は、よりきびしい仕事に従事することであると同時に、一般に、経験を積んだ高年者であることも昇格の条件となるので、そのような人たちのなかには身体的なストレス症状があらわれやすいと考えられる。

図3-84 職位の昇降と日常生活のストレス:「腰がいたい」との関係

 なお、「家族にとっての転職」については、それぞれ3群間に有意な違いのみられる項目はなかった。


第4部 転職後の職場適応と将来の転職意向

 転職の意向は、転職後の新しい職場への定着状況を知る手がかりとなる。今回の調査の結果によると、半数以上の転職者が将来ふたたび転職することを否定していない。前述したように、多くの人は転職によって仕事に対する自信を深めており、かれらは機会さえあればさらに納得できる仕事や職場に移ろうとしている。そこで、これらの人たちが現在の職場にどのように適応しているのかみてみよう。
 ここでは、将来の転職の意向について、「具体的に転職することを決めている」(n=1)または「近い将来転職することを考えている」(n=3)または「よい条件であれば転職したい」(n=33)と答えた人たちを「転職の意向あり群」(n=37)、一方、「定年まで現在の会社に勤める」(n=25)と答えた人たちを「転職の意向なし群」とする。

1.転職直後の適応状態

 転職直後に新しい「上司とはすぐ慣れた」人のなかには、転職の意向をもつ人は少ない(図4-1)。また、「仕事内容にはすぐ慣れた」の項目について、「どちらともいえない」と答えた人のなかには転職意向をもつ人が多い(図4-2)。今の職場に転職して、まもなく上司と良好な関係を形成できた人は定着志向が高い。また、新しい仕事内容への最初の頃の評価は、現在の転職意向とはあまり関係しないようである。

図4-1 転職直後の適応状態:「上司とはすぐ慣れた」と転職意向との関係
図4-2 転職直後の適応状態:「仕事内容にはすぐ慣れた」と転職意向との関係

2.仕事への満足感

 「魅力的な仕事」(図4-3)と「よい仕事」(図4-4)と「やりがいのある仕事」(図4-5)と「生きがいを感じる仕事」(図4-6)のそれぞれの項目について、肯定的な評定をした人のなかには転職の意向をもたない人が比較的に多い。このように、仕事そのものについて比較的に満足している人は定着志向が高いといえる。

図4-3 仕事への満足感:「魅力的な仕事」と転職意向との関係
図4-4 仕事への満足感:「良い仕事」と転職との関係/図4-5 仕事への満足感:「やりがいのある仕事」と転職意向との関係/図4-6 仕事への満足感:「生きがいを感じる仕事」と転職意向との関係

3.仕事の権限への満足感

 仕事の権限についても仕事そのものへの評価と同じように、権限を与えられある程度は自由に仕事を進めることができると思っている人は、転職の意向をさほどもたない。
 「手順や方法を変えられる」(図4-7)と「見通しを立ててできる」(図4-8)と「自分のプランどおりに進められる」(図4-9)のそれぞれの項目については、肯定的な評定をした人のなかには転職の意向をもたない人が相対的に多い。また、「仕事をまかされている」(図4-10)と「責任や権限をもたされている」(図4-11)の項目については、肯定的な評定をした人のなかに転職の意向をもたない人が多く、否定的な評定をした人のなかに転職の意向をもつ人が多い。

図4-7 仕事の権限への満足感:「手順や方法を変えられる」と転職意向との関係/図4-8 仕事の権限への満足感:「見通しを立ててできる」と転職意向との関係
図4-9 仕事の権限への満足感:「プランどおり進められる」と転職意向との関係/図4-10 仕事の権限への満足感:「仕事をまかされている」と転職意向との関係/図4-11 仕事の権限への満足感:「責任や権限をもたされている」と転職意向との関係

4.直属上司への満足感

 「必要なときには傍らにきてくれる」の項目について、「どちらともいえない」と答えた人のなかに転職の意向をもたない人が多い(図4-12)。直属上司の指示や助言を求めているときに、上司が実際にそうした行動をとるかは、指示や助言の内容をふくめて注目すべき点である。「必要なときには傍らにきてくれる」の項目について、肯定的および否定的に答えた人のなかに転職意向をもつ人が多いのは、差し迫ったときの上司の支援行動が適切でないと思っているからかもしれない。

図4-12 直属上司への満足感:「必要なときにはきてくれる」と転職意向との関係

5.同僚への満足感

 「責任感が強い」(図4-13)と「積極的な人間」(図4-14)と「忠誠心の持ち主」(図4-15)の各項目について、肯定的な評定をした人のなかには転職の意向をもたない人が多い。このように、同僚について比較的に満足している人は定着志向が高い。

図4-13 同僚への満足感:「責任感が強い」と転職意向との関係
図4-14 同僚への満足感:「積極的な人間」と転職意向との関係/図4-15 同僚への満足感:「忠誠心の持ち主」と転職意向との関係

6.自己の有用性

 「自分は欠点だらけの人間」の項目について、肯定的な評定をした人のなかに転職の意向をもたない人が多く、否定的な評定をした人のなかに転職の意向をもつ人が多い(図4-16)。一般に、転職者は自己の実力についてかなり自信をもっている。転職の意向は、そのような自信にもとづく積極的な意思表示とみなすこともできる。

図4-16 自己の有用性:「自分は欠点だらけの人間」と転職意向との関係

7.悩みの相談相手
 最後に、仕事にかかわる悩みの相談相手についてみておこう。全体では、「妻」(37.0%)「友人」(37.0%)「同僚」(35.0%)に相談する人が多い(図4-17)。「転職の意向あり群」でも同じように「妻」「友人」「同僚」に相談をもちかける人が多い。一方、「転職の意向なし群」では「妻」「友人」「同僚」にくわえて「上司」と答える人も少なくない。どうやら転職の意向と関係するひとつの要因として、現在の職場の上司について考えてみる必要がありそうである。「転職の意向あり群」のなかには、仕事の悩みを「上司」に相談しない、相談できない人が少なくない。「上司は相談相手にならない」という意識が本人の職務遂行を停滞させ、ひいては現在の職場への定着志向をも低下させている可能性がある。

図4-17 仕事にかかわる悩みの相談相手と転職意向との関係

 また興味深いのは、「転職の意向なし群」のなかで仕事の悩みを転職前の会社の同僚に相談する人は少ないのに対して、「転職の意向あり群」には比較的に多いことである。このことから、たとえば、「転職意向のない人は、仕事の悩みを転職前の会社の同僚にあまり相談しないようであるが、これは両者の間の関係がまったく途絶えたためなのか」あるいは「転職の意向をもつ人が前の会社の同僚とつながりをもっているのは、かれらの情報収集力の大きさを示しているのか」などの疑問が生ずるが、これらについては別の機会にあらためて検討することにしたい。


付属資料

1.「転職するときの不安」についての自由記述

01: 1.会社の習慣、方針
   2.上司の考え方、方針

02: 1.新しい会社では1ヶ月の休日は何日か?残業ばかりの会社かどうか?
   2.家族経営はどうか、トップの経営方針や実力はどうか、人間性はどうか?
   3.給料は約束どおりもらえるか?

03: 1.従業員の能力
   2.組織
   3.同族経営における将来の展望性

04: これまで経験することの少なかった部分(商品知識、人事管理、工場管理など)について

06: 自分の能力を発揮できるかどうか

07: 1.過去の経験、ならびに前・前会社との関係を過大視されていないか
   2.労働(勤務)が過酷にならないか

08: 1.新しい会社での人脈のなさ
   2.昇進の可能性

10: 新しい会社の人間関係、社風

12: 1.業界産業としての特異性
   2.組織力、業務遂行力の水準

13: 1.紹介なしなので社長に体当りで話し人柄にひかれる
   2.ほかにも役員で大手(からの転職者)が(会社からの紹介で)あったか

14: 1.まったく違う業界なのでやっていけるかどうかという点
   2.はたしてやりたい仕事、セクションに配属されるかどうかという点

15: 能力が受け入れられるか否か、という点

16: 職場環境がまったく異なること

17: 大企業と異なり中小企業の場合、その経営者いかんがすべてだがはたして経営者が期待どおりの人物か否か

18: 1.職場の雰囲気
   2.技術職の人が、会社規模からくらべ少ないので何か問題があるか?

19: 立派な会社に育成できるか否か

20: その会社の風土、人間関係

21: 同族経営

23: 1.職場の流儀(オーナー社長の)
   2.派閥
   3.技術

26: 1.新しい仕事をやっていけるか心配
   2.職場に馴染むことができるか
   3.上司、同僚との関係

27: 将来性、給与

28: 1.実力主義で活躍の場が与えられるといわれるがその実態は?
   2.部下とうまくやれるか

29: 外資系の経験がなかったので少し不安だった(ステレオからコンピュータと今までの技術・知識がなかったので)

30: 1.田舎に立地していること
   2.新興の会社であること

31: 給与水準の低下

32: 不安を感じない

33: 1.給与が低い
   2.会社の発展性
   3.人間関係

34: 1.外資企業特有の体質
   2.業績しだいで人員整理するのでは?という不安

35: 年齢、日本企業では年功序列があり転職には不利

37: まったく違う分野への転職であり、なれるまで時間がかかるのではないかとの不安があったが杞憂であった

38: 仕事のやりがい、友人との付き合い

40: 親会社の介入により、やりにくい事情はないかどうか

41: オーナー経営者の経営理念

42: 1.部下とうまくやれるかどうか
   2.MANAGEMENTの要求に合う活動ができるか

44: ワンマンの率いる同族企業に入りはたして続くかどうかの不安

45: 上司、部下の人柄に関して

46: とくに不安を感じなかった、むしろ自信があった

47: 1.前職の経験が生かされるだろうか
   2.英会話能力の低さがマイナスにならないか?

48: 1.労働条件
   2.会社の安定性

49: 1.収入の減少
   2.生きがいのある仕事か否か
   3.経験がはたして生かせるか否か

50: 1.前の会社とくらべ、企業文化の違いに対する同化
   2.専門職(技術者)相手の交際

51: 1.同族色が濃い
   2.規模が小さい

52: 求めるものが不明

53: 不安はない

54: 1.今までと関係のない業界に入ってすぐ適応可能かどうかの不安
   2.大企業から中小企業相手の仕事に変わることによる違和感

55: とくに不安は感じなかった

56: 1.中小企業であること
   2.具体的な財務諸表を見られなかったこと(入社前に)
   3.同族的色彩が強すぎないか

57: 1.自分の力が充分発揮できるかどうか
   2.人間関係、業務の仕組み、環境への対応

58: 180°異なる未経験の分野に対する不安

59: 1.運転資金の調達が可能かどうか
   2.取引先(国内・海外)を拡大できるかどうか

61: 社内での資格試験(昇進試験含)が多いと聞いていたこと

62: 語学力

64: 1.体力(転職時に体調を崩していた)
   2.同業なので前の会社の関係者の排訴意識の発生
   3.業務内容(新しい組織を作り、新しい職能を確立することを期待されていた)

67: 1.民度の非常に高い集団であること
   2.まったくの専門外の業種であること

70: 過去4度転職した経験があり、不安はまったくありませんでした

2.「転職してよかったこと」についての自由記述

01: とくによいことはない。資材、購買部門の業務を担当しているがタカリの習慣があり(入社して解ったことです)、人生観に反し嫌な雰囲気です

03: 1.従来の技術者(約50名くらい)より、すべての面で優位にある
   2.企画立案を提示すれば、すべて実行に移せた
   3.調査、研究に自由に行動がとれる

04: 前の会社はPOST-OFF制度があり、気力、体力があるうちに新しい職場で責任ある仕事が得られたこと

05: 1.給与のアップ
   2.仕事の充実

06: 1.自分にむいている会社である
   2.新しい仕事は自分の勉強になる

07: 1.前・前会社の組織的管理のあり方が現会社に利用できた
   2.収入が増えた(しかし労働時間増)

08: 1.待遇面
   2.新しい仕事、世界が開けたこと

09: 勤務地が変わらない(同じビル内)

10: 前の会社で習得した知識や職務上の経験を新しい会社にて駆使することができた
また、それを充分に認めてくれる上司、同僚など社員に恵まれていること

12: 1.能力発揮の可能性
   2.仕事の内容と自らの能力

13: 1.飛躍中の会社でありヤリガイがある(まだ結果は出ていないが)
   2.成長中、今までの経験を生かしたい

14: 1.やりたい仕事ができること
   2.交友関係が広がったこと
   3.給与が上がったこと
   4.新しい世界を体験できたこと

15: 知名度、内容、やりがい、福祉とすべてに前より勝っている点

17: 上記問24の不安が割合わないこと

18: 1.通勤時間が短くなったこと
   2.今までとは違った分野なので勉強になったこと

19: 転職6ヶ月なのでわからない

21: 苦労できること

23: 1.技術者を大切にしてくれる
   2.直属上司に恵まれた

24: 自宅通勤が可能になったこと

26: 1.仕事にやりがいがあり楽しい
   2.職場の雰囲気に馴染めたこと

27: 1.株公開にむけての業績の伸び
   2.トレンドに合った企業である

28: 1.将来の安定性
   2.トップの経営発展に対する思想
   3.社員の自由発想

29: 1.給料が良い
   2.家族的で居心地がよい
   3.日本の企業のサラリーマン的上下関係がない

30: 1.自分の能力が存分に発揮できる
   2.雇用者が自分を高く評価してくれる

31: 従来の経験と異なる分野の体験

32: 1.仕事の役務がたくさんあること
   2.周囲の社員から指導を望むことが多いこと
   3.役員から期待を受けられていること

33: 最低限ながら生活が維持できること

34: 1.権利と義務が明確(休日、有休扱い)
   2.無理のない勤務条件

35: 外資系であり、問24がいくらか緩和されていた

36: 1.自分の能力が発揮できる
   2.能力を認められる

37: 1.生きがいのある仕事であること
   2.前の仕事とまったく違った仕事であること
   3.若さと健康を保持できること

38: 規則正しい生活リズム

39: 仕事が任されていること

40: 知識、経験が生かせる

41: 1.仕事を任せてくれる
   2.経営者(創業者)マインドの修得

42: 1.仕事の自由がある(決定可能 RANGE)
   2.会社の(うまくいったとして)大きな将来性

43: 過去の経験(職務上の)をプラスに生かせる

45: 1.創造的な仕事ができる
   2.社内に不公平がない

46: 1.責任と権限を与えられ、自分の創意で仕事ができる
   2.自己の性格、能力と仕事の中味が合っている

47: 1.通勤時間、労働時間(月間・年間)が短くなったこと
   2.仕事上の責任と権限が増えて、ヤリガイが増したこと

48: 将来の発展性

49: 1.生きがい
   2.経験、資格が生かせた
   3.人脈が業績につながった

50: 1.年齢相当の仕事(労働時間をふくめ)
   2.前歴を活用しうる適職
   3.社内雰囲気の良さ

51: 過去の経験が役に立った

52: 仕事のやりがい

53: 前向きに仕事ができた

54: 1.中小企業の経営者に対する先入観にかかわらず、予想外(?)に立派な経営者が多いこと
   2.新参者に対してもよく配慮してくれる点、ありがたい

55: 仕事が自分に適していること

56: 一段階下の職位で気楽に仕事ができたこと

57: 1.職域の幅が広くなった
   2.今までと異なる環境(企業文化、理念)を知ることができた

58: 給与、手当、休暇の面で自分の年齢でほかに職を求めても、これのレベル以上はそう多くはない点、および責任がないというFREEの立場の2点

59: 真剣に話し合える数人のパートナーを得ることができた

61: 週休2日制なので自分の時間(趣味ほか)が予定としてとれる

62: 仕事を完全に任せてくれる(実績第一主義)

64: 1.自分のしなければならない仕事がある
   2.上席者の人間性
   3.勤務時間が短い
   4.経営理念

65: 1.語学力が使える
   2.給料がよい

66: 1.これからの職場(やりがい)
   2.自分の能力をフル回転できる

67: 1.環境(社員の民度、事務所)
   2.給与

68: 自由に業務をやらしてくれる

70: 1.取扱い商品が自分に合っている
   2.人間関係に恵まれた
   3.海外出張も頭を若く保つのに良い

3.「今後の職業生活への影響」についての自由記述

01: 1.転職はけっして(社会・本人)に誇れるものではない。すなわち、ある意味でわがまま、落伍者と考えられるから。
   2.私は人生観で「生きがい」を求め、専門知識は自他ともに認められるものを得ました。これを企業にも自分にも生かせる職場で仕事をしたい。
   3.転職者は目的意識を明確にし、人一倍の研鑽と勉強を必要とする。すなわち、過去の実績がないから。

02: 1.今まで学んできたことや経験したことを次世代の人たちに伝えるとともに少しでも人材の育成に力をそそぎ、社会への恩返しをしたい。
   2.年金を60歳から貰わないでも、健康なあいだは自分の努力で自分と家族の生活を支えていきたい。
   3.現役時代(58歳まで)は多忙で自分を見失ってしまったので、今から5年かけて、これから先の老年を充実させるための準備期間とするつもりです。私は65歳から老年生活に入りたいと願っています。

04: 中小企業の求人、営業活動など前の会社(大企業)では想像できなかった経験や苦労がありますが、企画、立案、遂行、業績貢献まで自分が担当することによる達成感を味わうこともでき、まごつきながら毎日充実感をもって活動しています。

05: 1.仕事の充実感がでた。
   2.給与の上昇。
   3.新たな友人関係が増えた。
   4.自己の能力の向上。
   5.(仕事の)創造力をもつ。

06: 1.職種の異なる会社に入り、自分の経験を増加して人間に幅をもたせると思う。
   2.収入はダウンせずにすんだ。
   3.将来への発展の足がかりになると考える。
   4.職場環境もよい。

07: 1.前・前会社は定年退職、前会社は(前々会社、非常勤嘱託の)顧問待遇で勤務、そして現会社に転職、このため現在は給与に対する不満はなし。ただし、現会社は人手不足のため、多忙で労働時間が多い。給与はさがってもよいから時間的余裕をもちたい。
   2.ただし、転職によって心身の老化が防げ、また、考えることによって頭脳的訓練ができていることを感謝する。

08: 1.まったく業種が異なっており、幅が広がった。
   2.新しい会社で違う職種につく可能性が開け、レパートリーを広げることができる。
   3.今までの殻を破り、新しい行動のパターン、ものの考え方ができるようになった。

09: 世の中には、経験したことのないいろいろな人間がいるものだという認識。

10: 1.転職により、自己の能力(特に語学力)が改めて確認できたこと。
   2.上記1.をベースとし、さらに第三の人生設計(e.g.語学関係教育担当など)を考える基礎ができたこと。

12: 1.広く人脈を活かしてゆくなかで、広い人脈を作ることが職業活動に有益になる。
   2.自身と活力を持って、日々を迎えることが方向性を与えることになる。

13: 1.働きがいのある職場。
   2.給料がそれ相当である。
   3.自分を認めてくれること。
   4.休日が普通以上に欲しい(土・日休み)。
   5.健康維持が可能なこと。
   6.楽しい(上司、同僚、部下)関係あり。

14: 「やろうと思えば何とかなる」ということを実感できた。このことは、仕事や生きていくうえでガッツとか、活力とか、やる気とか希望といったプラスのベクトルを与えてくれる。そして、前向きに考えることができるようになる。自分の可能性を信じることができることは、仕事をしていく者にとって一番大切なことだと思う。

15: まず、自分が今まで発揮できなかった部分(能力の)の力が出せ、周囲との比較ができる。このことはよい意味の競争心がより自分を向上させ、しいては今まで、考えだにしなかった新しい勉強をも積極的に行い、熱い気持ちにかりたてられる。
これらすべて、会社にとっても、自分にとっても幸せなことと考える。これから大いに翔きたいものである。

16: 生活設計のため

18: 1.新分野の経験を得たことで、さらに自分の判断能力が向上した。
   2.コンピュータにかかわることが多くなったので、その面の技術が向上した。

20: より幅広い視野と経験はかならずプラスとなる。

21: 1.転職の難しさを越えたとき、新しい本当の人生があると考える。
   2.転職は決してプラスではなかったこれまでを克服し、プラスに転換したい。

22: 1.自己啓発の向上。
   2.能力アップ。

23: 1.生活そのものを維持。
   2.自分の技術を活かすことにより満足感が得られる。
   3.豊かな生活を期待できる。

26: 1.転職は自分の力がどのくらいのところにあるのかを自覚できる。したがって、転職する場合、仕事と自分の力をよく考えて転職すれば、良い結果が出るように思われる。
   2.転職する場合、55歳前に自分のキャリアを活かせるところに行くことがよい。
   3.仕事中心に考えて決めるべきで、給料を最優先すると苦しい結果になるように思われる。
   4.自分の転職は正しいものと思っているし、やりがいがでてきました。

27: 1.広い人脈と交際範囲の拡大。
   2.キャリア・アップ。

28: 転職に対してとくに言うことはない。自由に職を選べれば、それにこしたことはない。ただ、今の日本では、同じ会社に長年いればいるほど安定した生活ができる構造になっているので、転職者には条件がよくない。

30: 今回の転職で、自分の有用性が最大限証明されそうなので、大いなる自信となりました。今後、現在のプロジェクトを完成した後なら、もう一回挑戦してみたいとも考えている。

31: 転職の経験を活かして、自営独立(脱サラ)したい。

32: 1.経験した仕事を活かして現在の職場を改善するのに役立つこと。
   2.1~2年間に後輩に譲り、指導的役割を終了する。
   3.臨終の準備にかかる。

33: 転職といっても定年退職で仕方なく再就職をしたわけで、60歳以上になると再就職はきわめて難しい。
   現職も私にとって適職ではないが、就職できただけでも幸せだった、と思う。
   高齢者には職業選択する余裕はない。
   給料も定年前の40%だが、せめて50~60%くらいは欲しいものです。しかし、安給料より“やることがない”より、やれることがあった方がよいと思って働いています。
   年をとってから労働時間が多くなり、給料が低くなり、若い人に頭をさげなければならない社会構造に疑問を感じます。

34: 1.今回の転職は成功だったと思います。
   2.自己の能力と、社会がどう評価しているかがよく解りました。
   3.チャレンジする気持ちは必要だが、高望みには易がないと感じました。
   4.気長に待ったことが、良い結果につながったと思います。
   5.日本-外資-外資-日本-外資と転職しました。中途入社は外資の方が公平でよいように思われます。

35: 10年前から外資系で働いている。会社を変わることにより、少しずつ技術・管理の知識を得ている。日本企業では、会社全体でローテーションを組むことが多いが、外資系では転職が一つのローテーションと考えることができるかもしれない。楽ではないが…。

37: 現在の職場の定年まで(65歳)あと1年となった。それ以降、再就職するかどうか未定だが、違った世界を体験できたことはよかったと思う。

38: とくに意味があるとは思えない。時間的に余裕ができたので、充実した人生をすごしたいと考えている。

40: 健康であるかぎり働き続けたい。

41: 1.自分の人生設計において、ステップ・アップするよい機会と思う。
   2.難しい人間関係(根回し、ゴマすり)のなかで悩んでいるより、環境を変えて働ける。
   3.ハイ・リスク・ハイ・リターンを狙う人にとってもよい機会だと思う。
   4.創業者の実態をみて、将来独立するノウハウを修得できる。

43: 1.人間関係の幅が広がり、ものの考え方や協調性などいい効果はでている。
   2.人生を倍以上に利用した感じがする。

45: 飴の会社の経理部門や転職した先の経理部門等と、各々の経理処理、合理化、新しい方法、試練などをお互いに教え合うことができる。
よりよいコミュニケーションで、知識を実務に生かせる。

46: 1.自己の実現。
   2.働きがいと家族への責任
   3.過去の自己研鑽の集大成。
   4.後輩の指導。

47: 前職では役員になろうと気負っていた部分があったが、今は後輩を伸ばしてあげたいと思う様になった。その後輩たちがステップ・アップのために転職していくなら応援したいという気持ちになっている。また、愛社精神というものがこれから湧いてくるとは思えないが、業績は伸ばしていきたい。

48: 1.将来の生活の安定。
   2.職場をもつことによる健康維持。
   3.交際の場を広く持ちうる。

49: 1.生涯生活設計ができた。
   2.張り合いを感じた。
   3.健康のありがたみを痛感した。

50: 1.異業種、異分野での新知識の吸収、ならびに知識人との出会いによって、未経験文化を体得した。
   2.人との触れ合いは、人生での新しい友人を育む。
   3.宮仕え40年余の人生の終演の1ページを全力投球しえた。さらには、修得した知識、経験を今後の地域社会に何らかたちで貢献したい。「人生晩成を貴ぶ」の気概を堅持していきたい。
   注)平成2年2月20日 満65歳
     2月28日嘱託契約解除退社。従って、本調査は「2月末日現在」で受理しましたので、左様御諒承下さい。

51: 何かの引き合わせ、頑張るしかない。

52: 1.汚点が一つ増えたこと。
   2.自己性格を変える転機にきたように考えている
   3.END LIFEを考える必要あり。

54: 1.いろいろな経験、ノウハウを得ることができ、能力アップにつながる。また、自分の隠れた能力を知る。
   2.いろいろな環境に適応できる精神力を鍛えるのに役立つ。
   3.チャレンジ精神の続くかぎり働き、よりよい経済条件を求める。

56: 若干、業務上の視野が広まった(他業種に入ったことで)。

57: 1.異なる業界に対する認識の増大。
   2.新しい職業展開への挑戦とその自信。
   3.オーナー企業の企業体質の認識。

58: 前掲のとおり180°異なった職場に変わったので、本来の自分を充分に活かせているとは思わない。ただし、全く未経験であった世界での経験は、今後の職業生活にマイナスにはならない。

61: 前職とは違う職業なので個人的にも勉強することが多く、今後の人生に夢があります。また、現在の仕事は定年後でもできる(続ける)ことが可能なため、今の段階では満足してます。

62: 新しい世界が広がった。

64: 1.能力を引き出してくれるのは、職場環境であることに気づいた。したがって、今後転職する場合にはそうした職場を選ぶべきである。
   2.健康で正常な精神状態であれば自分を生かせる職業はある。
   3.生涯労働を考え、新しい資格取得に挑戦することにより、仕事の幅を広げたいと思う。生涯労働が可能であると確信するにいたった。

65: 1.よい転職条件がなければ定年までいるつもり。
   2.現在の会社は私の職業生活の最後の会社かもしれない。

67: 最初の会社には27年間勤めた。業種も学生時代の希望どおりで意欲ももっていたし、それなりの成果もあげていた。
   昭和62年3月に債務超過となり合併し、親会社の支配力が強化され、40人の部下のうち36人が退職、自分の身の置きどころがなくなって退職した。その後1年間自営し、半年間電気メーカーに勤務した。現在の職場にようやく落ち着いたというところである。私にとって転職は、緊急避難ともいえるのではないでしょうか。できれば過去の経験の生かせる鉄鋼関係の仕事につきたいという希望はもっている。

68: 健康であるかぎり70歳くらいまでは働きたい。

70: 1.自分にむいている仕事だと思い、さらに仕事に打ち込みたい。
   2.人様に喜んでもらいたい。

4.調査票

転職後の職場適応に関する調査 P1
転職後の職場適応に関する調査 P2
転職後の職場適応に関する調査 P3
転職後の職場適応に関する調査 P4
転職後の職場適応に関する調査 P5
転職後の職場適応に関する調査 P6
転職後の職場適応に関する調査 P7
転職後の職場適応に関する調査 P8
転職後の職場適応に関する調査 P9
転職後の職場適応に関する調査 P10
転職後の職場適応に関する調査 P11
転職後の職場適応に関する調査 P12

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