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(著者抄録)
本稿は,業務の多様化によるキャリア形成の変容の分析を通じて,弁護士の労働市場の変化を描き出すことを試みた。近年,弁護士業務は渉外(国際的な業務)や企業法務にまで広がりを見せており,渉外弁護士の増加と渉外事務所の大規模化が起こっている。渉外・企業法務と一般民事それぞれの弁護士のキャリア形成について検討したところ,渉外系の弁護士は一般民事の事務所と比較すると訓練期間が長くなっており,また一部の渉外系事務所では内部養成を行っていることが明らかになった。こうしたキャリア形成の分化は弁護士のキャリアを制約し,労働市場をセグメント化させていると推測される。今後賃金等の分析を含めた包括的な実態調査と国際比較調査が求められる。

(論文目次)
I はじめに
II 弁護士業務の多様化と渉外弁護士数の増加
III 法律事務所の規模別分布
IV 弁護士のキャリア形成
V 考察と今後の展望

 I はじめに

 本稿の目的は,近年の弁護士業務の多様化がキャリア形成に及ぼした影響を明らかにすることにより,日本における弁護士の労働市場の変化を描き出すことである。これまでの日本の弁護士研究は,職業集団の自律性を主な論点とする専門職の社会学,あるいは法社会学のような学問領域において多く蓄積されてきた。こうしたわが国の研究動向は,弁護士のキャリアや技能形成など,労働市場研究につらなるアプローチが試みられてきたアメリカの弁護士研究とは著しい対照をなしている。このような特徴を持つ日本の弁護士研究の背後には,大規模化し専門化した法律事務所が数多く存在するアメリカの弁護士界とは異なり,(1)分業が進んでおらず業務の大半を一般民事が占める,(2)事務所規模が小さく1人の弁護士が一つの事務所を構えている(石村 1969),などの伝統的なプロフェッションの特徴を保持している日本の弁護士界の実態が存在していたといってよい。独立自営タイプの就業が一般的である状況において,弁護士を労働市場研究の対象として取り上げようという試みは成立しにくかったと考えられる。
 しかし近年,企業法務の需要は拡大しており,こうした需要の広がりは弁護士業務にも及んでいるとされている(注1)。このような弁護士業務の多様化は,アメリカの弁護士に関する先行研究(たとえば猪木 1989)が示唆しているように,法律事務所の専門化や大規模化,あるいは弁護士の独立自営型キャリアの変容を予測させる。従来の伝統的なプロフェッション像を前提とした日本の弁護士研究では,弁護士の実態をとらえられない可能性が生まれているのである。同様に,仕事の場を一般企業に持つ者を主な研究対象としてきた従来の労働市場研究は,企業内労働者のキャリアや技能形成の仕組み,労働市場のありようを解明してきたが,弁護士のような専門職に対しての分析は不十分であり,何が日本の企業内労働者の特徴であるかについて相対化する視点が十分であったとは言い難い。
 そこで本稿では,弁護士を労働市場研究の対象として取り上げ,業務内容の多様化によってキャリア形成がどのように変容しつつあるのか,そしてそのキャリア形成の変容が労働市場にどのような影響を与えているのかという視点から,弁護士に光を当てることを試みる(注2)。
 本稿の構成は以下のとおりである。IIでは日本弁護士連合会が行った調査と国際弁護士名簿をもとに,弁護士の業務の多様化傾向を確認し,渉外系弁護士の大幅な増加を示す。続くIIIでは事務所規模の資料から,渉外事務所は一般民事事務所よりも大規模化する傾向にあることを確認する。IVでは以上の結果をもとに,従来型の弁護士と渉外系弁護士それぞれのキャリア形成について,筆者が行った東京23区の弁護士に対する仕事経験についてのヒアリング調査をもとに論じていく。最後に以上の分析を要約し,弁護士の労働市場で起こっている変化について敷衍することにしたい。




 II 弁護士業務の多様化と渉外弁護士数の増加

 1 弁護士業務の多様化

 はじめに,日本弁護士連合会(日弁連)が行った過去2回の『弁護士業務の経済的基盤に関する実態調査』(以下『弁護士業務調査』)を用いて,日本の弁護士界の変化を最も敏感に反映している東京都の弁護士業務の変化について検討しよう。まずこの『弁護士業務調査』のサンプルの構成について述べておく。1980年調査(母集団弁護士1万1466人),1990年調査(母集団弁護士1万3919人)ともに,日弁連が地域差を考慮したうえで4000人を無作為抽出で選びだし,郵送法で行われた。そのうち東京の弁護士の回答数は,1980年調査が1340人のうちの507人(回答率37.8%),1990年調査は1340人中427人(回答率31.1%)であった(注3)。弁護士の業務は大きく刑事ケースと民事ケースに分類できるが,実際には民事ケースが手持ちケースの9割を占めているため,民事ケースの内訳に焦点を当てて分析したのが図1である。

図1 民事ケースの弁護士1人あたり件数の変化

 1980年調査においては,弁護士の手持ち事件の半数は金銭貸借や借地・借家ケースで占められており,これらのケースが弁護士の業務の中心であった。しかし1990年調査においては,金銭貸借・借地・借家ケース等の一般民事は依然として多いものの,1980年調査では少数にすぎなかった渉外(何らかの国際的な色彩を帯びた法律業務)ケースや会社法,工業所有権などのケースの増加が読み取れる。このように,近年日本の弁護士業務においては,一般民事が業務の大部分を占める一方で,渉外や会社法などの業務が増加する多様化が進んでいる。


 2 渉外弁護士の増加

 それでは,このような一般民事が業務の中心ではない業務に携わる弁護士数はどの程度増加しているのだろうか。日弁連の名簿からは弁護士の専門分野は特定できないため,国際弁護士名簿であるMartindale-Hubbel Law Directoryを手がかりとして,近年増加傾向にある業務を行っている渉外事務所数と事務所に所属する弁護士数の推移について明らかにしよう。この名簿はAlexander & Tan(1984)によれば,(1)広告を制限されている法律事務所にとって数少ない宣伝の手段である,(2)英語のみで書かれており,国内業務のみを行う事務所にとっては宣伝するメリットがない媒体である。それゆえ,渉外弁護士・渉外事務所をどのように定義するのかについては意見の一致は見られていないが(注4),国際弁護士名簿であるMartindale-Hubbel Law Directoryに掲載されている法律事務所および弁護士は,渉外業務を扱う意志を持っていると見なしてよいと考えられる。
 表1は東京都における渉外弁護士数と日本全体の弁護士数の推移を示したものである。この表によれば,1960年から90年にかけて,日本全体の弁護士数の増加は2.1倍にとどまっているが,東京都の渉外弁護士数は19倍以上に増えている。したがって,この30年間において,全体の弁護士数はあまり伸びていないにもかかわらず,渉外弁護士の増加は著しいことが指摘できる。同様に,全体の弁護士数に占める渉外弁護士の割合も増加傾向にある。このように,量的には依然として一般民事中心の弁護士が9割以上を占めるが,従来は特異な業務であった渉外業務にかかわる弁護士が増加している。

表1 日本の弁護士に占める東京の渉外弁護士数の推移




 III 法律事務所の規模別分布

 次に,弁護士のキャリアに影響を与える法律事務所の状況を明らかにするため,東京の法律事務所規模別分布(所属弁護士数)について分析を加えた。表2によれば,日本の弁護士界においては1990年代に入っても依然として小規模の法律事務所が主流である。また法律事務所〈全体〉の事務所数に占める渉外事務所の割合は2%程度にすぎない。さらに法律事務所全体の規模別分布を見てみると,弁護士が1~2名の小規模の法律事務所が86.9%に達している。その一方で,渉外事務所の規模別の分布は,法律事務所〈全体〉よりも規模の大きいほうに分布している。特に弁護士数15名以上の事務所については,15名以上の法律事務所数15のうち,渉外系が12を占めている。以上のことから,一般民事事務所よりも,渉外・企業法務系の法律事務所のほうが平均的に規模の大きい事務所が多いことがわかる。

表2 東京における法律事務所の規模別(所属弁護士数)分布の比較(1990年)




 IV 弁護士のキャリア形成

 IIで明らかにされたように,業務内容の多様化によって,一般民事を業務の中心とする弁護士が多くを占める一方で,渉外弁護士が増加する傾向にある。またIIIにおいては,一般の事務所と渉外事務所では所属弁護士数の規模別分布が異なっていることがわかった。そこで以上の分析を考慮し,依然として多くを占める〈A.一般民事を中心とする従来型の弁護士〉と,近年増加している〈B.渉外・企業法務を業務の中心とする弁護士〉それぞれの仕事経験をたどることで,弁護士のキャリア形成について検討しよう。以下の考察は,業務内容については主に弁護士が執筆した文献に,また仕事経験とキャリア形成に関しては,筆者が1997年5月から99年1月にかけて,東京23区の法律事務所に所属する弁護士19人を対象に行ったヒアリングの結果に基づいている(注5)。またヒアリング対象者の類型別内訳は,A型が13人,B型が6人となっている。
 類型別の分析に入る前に,日本の法律事務所の職位を整理しておく。弁護士が1名しかいない事務所は単独事務所と呼ばれ,自営業に近い形態をとっている。弁護士2人以上の共同事務所の場合,共同事務所における賃金をもらう側の弁護士を「アソシエイト」,事務所の経営に参加する弁護士は「パートナー」と呼ばれている(注6)。したがって,弁護士の職位は「単独」「アソシエイト」「パートナー」の三つに分類でき,共同事務所は「アソシエイト」と「パートナー」というジョブラダーを持っていることになる(注7)。

 A 従来型のキャリア形成

 (a) 事務所の形態と主な業務内容
 従来型(以下A型)の事務所の主な仕事は,金銭貸借・借地借家・親族法や相続遺産などの一般民事である。これらの業務は現に紛争が起こっている紛争ケースと紛争を予防する予防法務がある。前者の代表は訴訟代理だが,和解や調停を取り持つ業務も含まれる。後者の代表が契約書の作成や顧問弁護士としての法律相談である。一般民事においては訴訟代理が業務の中心となっているので,民事裁判を例にとって弁護士の果たす役割について簡単に説明しよう(以下前田 1970および田宮 1985)。
 裁判は原告が裁判所に訴えることによってはじまるが,そのために原告側弁護士は訴状を提出する。訴状には,「請求の原因」と「請求の趣旨」を記すが,この内容によってこれから何が問題とされるのかが明らかになり,審判の対象が決まる。「請求趣旨」とは,原告の権利主張を結論的に示したものである。「請求原因」とは,そのような請求をすることになった根拠・理由であり,主張する権利がどのような具体的な事実により発生したのかを示す主要事実(要件事実)(注8)を中心に記載する。そして裁判の中では主要事実を証明し,勝訴を勝ち取ることが目標となる。したがって弁護士は依頼者から事実についての調査をして事実関係を確定し,事件についての法律判断をしたうえで,裁判の中で何を問題とし何を求めるかについての訴訟の方針を立てて,訴状を作成する必要がある。これを受けた被告側弁護士は訴状の内容を検討し,原告側と同様,事実関係についての検討を行って,被告の立場を明らかにする答弁書を提出する。
 次に裁判所は口頭弁論に入る前に,争点整理のため原告・被告ともに準備書面を提出させる。弁護士は準備書面の作成にあたって,具体的にどのような被害を受けたのかという主要事実を明らかにするために,どのような事実を立証すれば法律的に認められるのかについて法律知識をもとに判断し,社会的事実の中から証拠となる事実(間接事実や補助事実)の選択を行う必要がある。その後,証拠調べに入って証人尋問などを行って間接事実や補助事実を積み上げ,主要事実を立証してゆく。証拠調べが終わると,自分の主張を整理して最終準備書面をまとめて提出し,結審,判決に至る。こうして裁判において弁護士は,自らの法律知識と事実に対する調査から裁判所が主要事実の認定をなしうるように,必要な事実(間接事実や補助事実)を選択し証拠として提示し,立証活動を行ってゆく。
 このように,一般民事の場合弁護士にとって業務遂行上重要となるのは,法律知識および事実認定をする技能である。また一般民事の場合,業務の対象となるのは金銭貸借や借地借家などの社会的な事実であるため,基本的な法律知識や社会常識があれば対処することができ,特に他の分野の専門的知識・経験は必要とはならない。こうした一般民事業務の遂行上,重要な技能である要件事実(主要事実)と事実認定は,司法研修所においても民事裁判実務教育の中の中心的な柱であるとされており,力が入れられている(土屋 1997)。これらの仕事は一つの仕事あたりの業務量は多くないため,基本的に1人の弁護士が一つのケースをこなすことができる。またA型の事務所においては,所属する弁護士数は1~3人前後ときわめて小規模で,形態としては,(1)単独,(2)ボス弁や親弁と俗に言われる経営弁護士と,・い・そ弁と言われる勤務弁護士の組み合わせ,が圧倒的に多いが,(3)思想・信条的な理由による弁護士の結合による労働(合同)事務所も含まれる。労働(合同)事務所とは,明確なジョブラダーを持たず全員がパートナーである特殊な事務所を指し,一般民事に加えて,労働事件(労働者側)などの業務も扱う事務所である。IIIで示された法律事務所の規模別分布の比較において,渉外事務所ではない大規模事務所のほとんどがこのような労働(合同)事務所であると推測されるが(注9),これらの事務所は一般民事業務の必要性から大規模化したものではなく,事務所数そのものも少ない。仕事経験は他の一般民事事務所と類似しているため,以下では,労働(合同)事務所も含めて,一般民事事務所におけるキャリアがどのように形成されてゆくのかについて分析する。

 (b) 仕事経験とキャリア形成――ヒアリングをもとに
 仕事経験によるとA型の場合,そのキャリアは主に2段階に分類することができる。

 [見習期]1年目から3年目  職位:アソシエイト
新人弁護士が最初から全く1人で仕事を行うことは少ない。初めの半年は常にパートナーが見守れる状況で仕事を遂行しており,パートナーが新人弁護士の作成した訴状や準備書面の添削を行ったり,常に連れ歩き,仕事ぶり(裁判の際の証人尋問やクライアントとの打ち合わせの仕方など)を見せるなどの初期的な訓練を行う。この時期は,法律的な知識しかない新人弁護士が具体的な手続きを知る時期であり,点にすぎなかった実務が線になってゆく過程であるという。1年目後半あたりから,一連の仕事の過程でパートナーがチェックを入れ,アドバイスを与えるものの,基本的に新人弁護士に任せるようになる。完全に1人で仕事をするようになるのは,個人差はあるが,3年程度であるという。

 [昇進・単独独立期]4年目以降  職位:パートナーまたは単独  アソシエイトからパートナーに昇進し,他の弁護士とは仕事を別々に行うようになる。またはクライアントと資金のめどがつくと独立する。地方では事務所経費が高くないため,〔見習期〕から単独独立に至ることが多いと言われているが,東京の場合,独立を目指すキャリアは減少していると言われている(日本弁護士連合会 1991)。
 このように,A型の場合,最初の1年目こそ新人弁護士の指導がなされているが,2年目以降は1人で遂行する仕事が大半を占めるようになり,新人弁護士の訓練期間は非常に短い。これは,A型の業務においては,司法研修所修了までに身につけてきている法律知識と主要事実の認定や事実認定の技能を基礎とし,多少の実務経験を積むことによって,大抵の業務をこなすことができるためである。また一つの仕事の業務量が少ないため,基本的に1人が一つの仕事を担当することが多く,共同化のメリットは少ない。それゆえ資金のめどがつけば,独立自営タイプのキャリアを歩むことになる。


 B 渉外・企業法務のキャリア形成

 (a) 事務所の形態と主な業務内容
 企業法務は「企業における法律事務」(多田1994)の総称であり,弁護士にとってはクライアントが企業である法律事務を意味している。企業法務の業務内容を詳細に検討してみると,1988年に東京の弁護士に対して企業関係民事業務の調査を行った濱野によれば(濱野 1994),弁護士が扱う企業法務の中心部分を構成しているのは不動産争訟や金銭債権回収などの紛争ケースであり,これに法律相談を行う予防法務が続く(注10)。一般民事事務所が前者の紛争ケースを主に扱うのに対して,渉外・企業法務型事務所(以下B型)が扱う企業法務の中心は予防法務であり,単純な法律相談だけでなく,会社の設立,あるいは企業の事業計画や経営戦略にまで関与する弁護士も含まれる。本稿では,企業をクライアントとした予防法務を中心とする業務を企業法務と呼ぶ。さて,ヒアリングによれば,渉外は英語を用いた企業法務であり,企業法務と渉外両方の業務を扱う弁護士も少なくない。また企業法務のクライアントであった企業の依頼によって,業務が渉外にまで広がった法律事務所も多く(木村 1992),渉外事務所と企業法務事務所は通常はっきり区別されないことが多い。それゆえ本分析では渉外と企業法務を一括して扱い,より特殊性の強い渉外業務を事例として分析を進める。さて,渉外業務の最大の特徴は,外為法と英語が絶えず関係してくるという点にあるが,両方とも司法研修所までは十分に教育が行われない分野である。渉外業務は,(1)外資系企業のための日本法業務一般,(2)日本企業の海外進出関連業務,(3)国際取引業務,(4)国際紛争への対処,からなる。現在業務の主な中心となっているのは国際取引の分野であるが,典型的な分野として合弁契約,また専門化しているとされる証券の分野として外債発行を例とし,それぞれの業務における弁護士の役割について簡単に説明しよう。

 〈合弁契約〉米国と日本の会社が日本で合弁会社を設立し,合弁会社が米国企業の技術のライセンスを受けて日本で製品を製造し,日本の会社が日本で販売する合弁事業の場合を例に取ろう(以下,枡田 1991)。弁護士は合弁事業の具体的構想の合意以前に,合弁会社の基本的構造や設立・運営の仕方,税務についてアドバイスをし,相手方との交渉を行う。両社とも基本的に合意に達すると契約書などを英語で作成し,その契約書などについて相手方の弁護士と交渉し,文言を固めて,合弁契約書の調印に持ち込む。契約書作成の際は,将来の訴訟を回避するため,考えられる様々な事態を想定した細かな取り決めを盛り込むのが普通である。したがって契約書作成の際に弁護士は,法律知識と,企業やその業界に対する知識をもとにして,起こりうる可能性のある紛争を予測しておかねばならない。そして調印後は日銀や公正取引委員会への届出書を作成して提出し,合弁会社が事業を開始できるところまで持ってゆく。

 〈外債発行〉外債発行に対する弁護士の関与の仕方は,外債の発行市場や外債発行契約の準拠法などによって様々であるが,ユーロ・ドル転換社債の発行の場合を例に取る(以下,斎藤 1986)。発行手続きを簡略化して述べると,(1)発行の決定―(2)目論見書および諸契約書のドラフト開始―(3)発行準備のための全体会議―(4)取締役会の発行決議―(5)大蔵省に書類提出―(6)取締役会発行条件決議―(7)引受契約書,その他の諸契約書の調印―(8)払込―(9)登記―(10)社債発行後のアフターケア,となる。この場合,特に弁護士が深くかかわる段階は,発行前の目論見書および諸契約書のドラフトと発行準備のための全体会議,および払込である。目論見書とは,発行会社のビジネスを開示した部分,財務諸表,当該社債の要項,株式の説明と日本の外為法の説明からなっており,外債を購入する際に参考となる書類である。
 まず日本人弁護士は,発行準備のための全体会議に備えて,発行会社の過去の株主総会や取締役会の議事録,重要な契約書などに目を通し,目論見書の開示が正確かつ十分かどうか調査する。次に,目論見書中の日本法の記載やビジネス部分の開示の正確性や十分性を検討し,公認会計士との討論を通じて発行会社の財務状況の妥当性についてクライアントから意見を求められる。よって,弁護士には発行会社の業務内容を正しく理解することだけでなく,日本経済や国際経済,国際金融や会計についての知識が求められる。払込においては,複雑な取締役会議事録や外為法の届出書等の翻訳証明付き英文や,法律意見書を作成する。
 ヒアリングによればこれらの業務に対処する際には,新しい仕事を請け負うたびにパートナーを中心として新しくチームを編成し,仕事を遂行することが基本となっている。チームを組む理由は,渉外・企業法務は一つの仕事あたりの業務量が多く1人の弁護士ですべてこなすことは難しいためであるが,こうした業務の特性から,渉外・企業法務事務所ではIIIに表れたような法律事務所の大規模化が起こっていると推察される。さらにチームは組むものの,各弁護士の業務は個々の手続きごとに専門化していない。このような仕組みがとられているのは,様々な仕事を経験させることによって技能の未熟な弁護士にOJTの機会を与えるためであると考えられる。また渉外業務はそれぞれの分野に応じて,法律知識だけでなく経済や会計などにまたがる広く深い専門的知識が不可欠である。これに加えて,業務が多くの段階からなっており,業務全体の流れを把握することが必要であることも大きな特徴である。以下,B型の弁護士のキャリア形成について分析を加えていく。

 (b) 仕事経験とキャリア形成――ヒアリングをもとに

 [初期訓練期]1年目から3年目  職位:アソシエイト  渉外・企業法務系の新人弁護士にとって,この時期は二つのことが要求される。第1に,司法研修所までにはあまり触れることのない業務に慣れ,実務の経験を積むことである。事務所に就職したばかりのころは,たとえば公正取引委員会への英語の報告書の作成や英文で書かれた取扱説明書の日本語訳などのきわめて定型的な作業や,大規模な事務所であればさらに,司法研修所では学ばなかった渉外業務の基礎を授業形式で先輩弁護士が教える研修(Off-JT)なども行われる。このような導入教育のあとは,基本的にグループ単位で,パートナーとの組み合わせで仕事を行うようになり,業務の中の一部分が割り当てられる。この時期の主な業務は,渉外業務の中では比較的やさしい翻訳や議事録の作成などであり,たとえ交渉や企業への助言を行う業務を割り当てられたとしても,単独で対処することはない。このような業務の割り当てが行われる理由は,新人弁護士は渉外業務に必須である外為法に対する知識や英語力が十分でないだけでなく,法律知識以外の渉外業務の流れやクライアントに関する知識も欠けているため,法律的な総合的判断を下すことは難しいためである。しかし,一般民事ケースに関してはある程度任せられることが多い。第2に,留学・渉外業務の遂行に欠かせない語学の基礎を身につけることが要求される。事務所によって方法は異なるが,事務所が費用を負担して語学学校に行かせたり,外国人弁護士と同室にするなどの配慮がなされる。

 [留学期]3年目以上から5~6年目  職位:アソシエイト  3年程度の実務経験を積むことが留学に効果的であると考えられているため,ほとんどの事務所では留学までに3年以上の実務経験が必要である。留学する場合,1年ロースクールに通って学位を取り,1,2年海外の事務所で研修するのが通例とされている。この時期は,海外生活によって渉外業務に欠かせない法律系の英語を完全に身につけること,外国の法律制度に通じることが要求される。
 [ふるいわけ期]4,5年目から6,7年目前後  職位:アソシエイト  留学を終えて帰ってきた弁護士は,初期訓練期のアソシエイトの面倒を直接見ることを任されたり,または交渉場面に立ち会う,あるいは企業に対するアドバイスをパートナーとともに行う。しかしこの時期には,最終的な責任を持ち決定を下すのは基本的にパートナーである。またこの時期はアソシエイトがふるいわけられる時期でもある。
 表3は,筆者がヒアリングを行った,日本を代表するある大手渉外事務所の昇進状況である。ヒアリングによれば,この事務所ではすべての弁護士が昇進できるわけではなく,アソシエイトに対してパートナーの数が少ないピラミッド構造を持っているとのことである(注11)。この事例ではどのような昇進形態がとられているのだろうか。
 表3は不明の年を除き,現在在職しているパートナーはすべて,弁護士として入職後間もなくアソシエイトとして新規採用されてから,パートナーに内部昇進したことを示している。この分析は大手法律事務所1事例に焦点づけたものだが,今回筆者がヒアリングを行った六つの渉外・企業法務事務所すべてにおいて,新卒採用に限られないものの,昇進が行われる際には事務所内部のアソシエイトからパートナーへの内部昇進が行われていた。それゆえ,新卒採用という点は特徴的であるが,内部昇進という点に限れば,この事務所が特に偏った事例でないことは推定できる。

表3 ある法律事務所の弁護士の昇進状況(注12)

 またさらに,この事務所の名簿を分析してみると,同期の弁護士がパートナーになっている時期(この事務所の場合8年目前後)にパートナーに昇進できなかった弁護士は,1人(1998年に昇進が行われたばかりの弁護士)を除いてこの法律事務所には残っていない。ヒアリングによれば,他のより規模の小さい法律事務所に移ったり,あるいは企業内弁護士になるなどのかたちで事務所を辞めてゆき,昇進率はおよそ半分にすぎないという。このような知見からこの事務所においては,入職がアソシエイトという下位の職務に限られており,昇進できない者はふるい落とすという脱落型の内部昇進ルールがとられていると推測される。この事務所は,1998年現在弁護士数62人にいたっているが,このような規模の大きい法律事務所において内部昇進の傾向があることは,猪木(1989)がアメリカの大手法律事務所の弁護士に見いだした知見と一致している(注13)。

 [昇進期]6~8年目前後  昇進:パートナー  事務所によっても異なるが,6~8年目前後にパートナーへ昇進する。B型の場合,単独で独立するという志向はほとんど見られない。この段階の弁護士は,合弁契約であれば契約の方針を立てて会社の設立に関しても関与し,将来起こる可能性のある紛争を予測する。外債発行であれば経験と知識をもとに目論見書の内容を検討して,相手側弁護士との交渉や企業へのアドバイスを行い,数人のアソシエイトをまとめ上げて仕事を成功させるのが主な業務となる。新たなクライアントを開拓することも大切な仕事である。
 以上,渉外・企業法務タイプの仕事経験とキャリアについて検討してきたが,キャリアを積むにつれて,仕事経験が渉外・企業法務の翻訳や議事録の作成などから,法律知識だけでなく企業やその業界などに関する知識もフルに活用して行う交渉やアドバイスが中心になっていることが確認できる。またパートナーに昇進するまでに途中留学が組み込まれるなど6~8年目前後を要しており,訓練期間が長期化している。以上の知見からA型とB型のキャリア形成の特徴を比較すると,第1に,A型よりもB型の弁護士のほうが訓練期間が長いこと,第2に,一部のB型の法律事務所においては内部養成を行っていることが見いだされた。




 V 考察と今後の展望

 これまで見てきた弁護士の事例は,専門職の労働市場に関して重要な事柄を示唆していると考えられる。まず,一般民事型よりも渉外・企業法務型の弁護士のほうが訓練期間が長く昇進時期が遅くなっている点である。それではなぜ渉外・企業法務型は一般民事型よりも長い訓練期間が必要となるのだろうか。仕事経験に見るように,一般民事型が司法研修所までで身につけた法律知識と主要事実の確定や事実認定をもとにした実務経験で業務を遂行できるのに対して,渉外・企業法務型は法律知識をもとにして,外為法や英語などを利用しながら,クライアントの業務内容や業界に対する広い知識と経験によって養われた技能によって,いくつかの段階からなっている業務全体を見渡しつつ複雑で専門的な業務をこなす。つまり渉外業務は法律知識や事実認定に加えて,司法研修所では十分に訓練されない外為法や英語能力,また深くて広い専門的な知識を身につけ,業務の流れの把握を行えるようになるまでに一定の経験を要する。そのため就職後の訓練の重要性が高くなり,訓練が長期化すると考えられる。
 第2に,渉外・企業法務の弁護士の場合,必要とされる技能は主に就職後の事務所において訓練を受ける必要がある。それゆえ,外為法に関する知識や英語力などは一般性を持つものの,就職後の訓練によって養われた知識と経験はそれぞれの法律事務所や弁護士が持つ個々のクライアントの影響を受けている。なかでも,それぞれの企業がおかれた業界での位置や,相手国・業種に関する知識,およびその企業特有の知識などを用いてとるべき戦略の判断をするという経験は,クライアントごとに異なっており,一般性を持ちにくい(注14)。このように渉外・企業法務の業務の中心をなす予防法務においては,それぞれの企業固有の知識をもとにした適切な戦略の判断という経験が重要であるため,渉外・企業法務の弁護士の技能はクライアントに応じた特殊化が進むと考えられる。本稿では内部養成については一事務所の事例を示すにとどまっているが,このような仕事経験は,他の渉外事務所でも内部養成が起こる可能性を示しているといえるだろう。
 第3に,渉外・企業法務事務所の大規模化傾向である。こうした傾向は弁護士自身も述べているように(ジュリスト 1985),渉外・企業法務においては一つの仕事の業務量が多いため,業務をスムーズに進めることを意図して事務所を共同化する結果,大規模化しやすいと解釈される。
 それでは,以上述べたような一般民事と渉外・企業法務事務所の訓練形態の差は,弁護士のキャリア形成に何をもたらしているのだろうか。第1に,一般民事型の弁護士に比べて渉外や企業法務を専門とする弁護士は,深くて広い専門的知識の獲得や業務全体の把握などに一定の経験を要するため,一般民事を業務の中心とする弁護士が渉外・企業法務に参入するのは困難となっている。第2に,渉外・企業法務型はクライアント固有の知識と経験が特に重要であるため,業務遂行に必要な技能が特殊化し,一部ではあるが内部養成も起こっている。第3に,渉外・企業法務型は共同化のメリットがあるため弁護士は独立を選択せず,事務所が大規模化しやすい一方で,一般民事型では共同化による業務上のメリットがあまりないために弁護士は独立を目指し,事務所は小規模のままとどまっている。したがって業務の多様化は弁護士のキャリアを分化させ,制約する方向に向かっていると考えられる。本稿はキャリア形成の観点を強調してきたため法律事務所の規模別の賃金や数量的な分析を行っておらず,今回分析したデータから語るには留保が必要ではあるが,これは専門職の労働市場における分断を示唆するものと思われる。この点については規模別の賃金の分析等も含めたさらなる実態調査に基づく包括的な考察が求められる(注15)。
 本稿は以上のような点を明らかにしてきたが,次のような課題が残されている。第1に,医師や公認会計士などの他の専門職との比較である。本稿は日本の専門職の労働市場研究の端緒を開く一つの試みにすぎないが,日本の弁護士に見いだされた労働市場上の特徴は当てはまるのかどうか,比較検討を行う必要がある。第2に,現在は少数にとどまっている企業内弁護士も課題の一つである。また今回の分析において,日本の法律事務所とアメリカの法律事務所との間に昇進に関する類似点が見いだされたが,よりよい司法制度の構築のために,今後弁護士の労働市場に関する国際比較調査を積み重ねていくことが求められる。



*本論文の作成にあたり,匿名の本誌レフェリーから有益なコメントをいただいた。またヒアリングにご協力いただいた弁護士の皆様に心からお礼申し上げます。


(注1)たとえば多田(1994)や阪口(1994)は,企業法務が1960年代後半から急速に増加したとする。また日弁連が1991年に企業に対して行った調査においても,弁護士が行う企業法務への需要は高いことが明らかにされている。ただし,この調査は,東京商工リサーチ収録企業から,10人以上で県庁所在地か政令指定都市にある4000社を無作為抽出し1986社が回答した(回答率49.7%)質問紙調査であるが,調査対象が大企業に偏っているため,大企業において弁護士が関与する企業法務への需要が高いことの反映とも読める。調査の詳細は,日本弁護士連合会(1992)参照。

(注2)裁判官や検事との人事交流は少ないため,司法試験から直接弁護士になる者を対象として論ずる。

(注3)双方の調査とも,弁護士として最も活躍しているとされる40歳代から50歳代の弁護士の回答が少なく,弁護士会の活動に活発にかかわっている弁護士(その多くが一般民事を主な業務とする弁護士であると言われている)がより多く回答している可能性があることには注意が必要である。

(注4)渉外弁護士数についての議論は濱野(1994)を参照。

(注5)東京23区には様々な専門分野を持つ法律事務所が存在しており,業務内容の多様化が与える影響を探るという本稿の趣旨には最も適切であるため,東京23区の弁護士を選定した。

(注6)これは法律事務所の事務職員の存在を否定するものではないが,今回は弁護士に焦点を当てているため分析からは省いてある。

(注7)実際にはあまり法律業務を行ってはいない,顧問やオフ・カウンシルと呼ばれるポストを置いている法律事務所もある。またアソシエイトがいないパートナーのみの法律事務所も存在する。

(注8)要件事実と主要事実を区別する見方もあるが,ここでは司法研修所にならって区別していない。

(注9)やや調査時期はずれるが,1998年の庭山・山岸らの調査によれば,1998年の事務所所属弁護士数上位20事務所のうち,旧労働事件事務所が4事務所,特定の宗教法人に近いと見られる1事務所を除く16事務所が企業法務を扱う事務所であった。詳しくは庭山・山岸(1998)参照。

(注10)調査の詳細は以下の通り。東京都の全弁護士6115人(1997年当時)から500人を無作為抽出して郵送質問紙調査を行い,185人が回答した。有効回収率37%。

(注11)この分析は次のような手続きで行った。(1)ヒアリング時の事務所名簿(1998年度)と,事務所名簿に掲載されている現在のパートナーの弁護士への入職年度の名簿を用いて,入職年度から現在までのキャリアを追跡し,新卒採用かつ内部昇進かどうかについて確認する(弁護士登録の年度から新卒採用の時期を割り出したため,当該年の4月から6月までに事務所移動をした弁護士が新卒採用に含まれた可能性がある)。よって本分析は,現在事務所に在職している弁護士の分析である。(2)1980年代から90年代にかけて事務所が大きくなっており,最も最近昇進した弁護士が90年入職であるため,80年から90年に入職したパートナーについて分析を行った。なおここでは1980年以前の分析を詳しく解説してはいないが,会員名簿によれば,80年以前に入職したパートナー(オフ・カンウシルを含む)はすべて,80年当時すでにこの事務所に所属していた。

(注12)会員名簿は国立国会図書館所蔵のものを使用したため,未所蔵の1982年度版と1988年度版については確認することができなかったことをお断りしておく。

(注13)本稿は日本を代表する大手法律事務所1事例を取り上げるにとどまっているが,今回の渉外・企業法務事務所の面接対象者6事務所の中で,1事務所を除いたすべての法律事務所で「脱落型」内部昇進のルールを採用しているとの情報を得たことを付記する。また,唯一アソシエイト全員がパートナーへ内部昇進できる見込みであるという法律事務所は,合併間もないため実際の昇進ルールの運用については確かめられず,分析することは不可能であった。今後,渉外・企業法務事務所の内部昇進ルールのヴァリエーションについては検討を要する。

(注14)たとえば,日弁連が企業に対して行った調査によれば(日本弁護士連合会 1992 調査の詳細は,注1)を参照),プランニングが求められる「新規企画の展開」に関与する弁護士に必要とされる法律知識や情報について具体的なプロジェクトを挙げて尋ねたところ,上位は法的知識を求める回答が占めたが,各企業によって異なる「社内諸規則のあり方」を必要とすると答えた企業が平均で16.9%あり,特に「人事政策の大幅な変更」「上場手続」の場合7割を超えていた。

(注15)Alexander & Tan(1984)は,すでに渉外系弁護士とその他の弁護士の間には階層分化が生じているとする。



引用文献

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ほり・ゆきえ 1972年生まれ。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程在学中。教育社会学専攻。