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(著者抄録)
公共職業訓練機関の実施する訓練は、訓練を受ける人々にどのような効果をもたらしているのであろうか。本稿では都立技術専門校修了生のサンプルを用いて、訓練が収入に与える効果の計測を、〈1〉外部調査から抽出された訓練を受けていない中途採用者との収入の違いから推定する、ならびに〈2〉受講者の訓練前後の収入の変化から推定するという二つの方法で実施した。前者の分析では属性の制御が不十分で、セレクション・バイアスが除去できないという問題があったが、後者の分析ではそれらの問題を極力回避し、収入の観察されない人々についても、働いたらどれだけの収入が得られるかを考慮したうえで訓練が収入に与える効果を計測した。受講者のみのサンプルを用いる場合、通常は訓練効果と経験年数や年齢に伴う収入増との識別が不可能になるが、後者の分析では訓練前の収入観測時点が各人で異なるという事実によってその問題を回避した。その結果、訓練の効果は女性にはおおむねプラスであるが中高年男性には有意にマイナスであるとの結果が示された。しかしながら、説明変数では把握しきれない年次効果と訓練効果とを識別できない点や訓練効果の計測期間が短いなどの問題があるために、頑健な推定結果は得られなかった。これらの問題を解決するためには、訓練受講者と非受講者双方についての長期にわたるパネルデータが必要である。
(論文目次)
I はじめに
II データ
III 収入への効果-外部調査との比較を通して
  1 分析の枠組み
  2 外部調査との比較
IV 収入への効果-訓練前後の収入比較を通して
  1 分析の枠組み
  2 推定結果
V 結びと今後の課題

I はじめに

 失業率5%台という厳しい雇用情勢が続くなか,国や地方自治体によって提供される公共職業訓練は,労働市場におけるセーフティーネットとしてこれまで以上に重要な役割を担うことが期待されている。
 最近では,いよいよ厳しい状況下にある失業者の再就職支援の要として公共職業訓練が位置づけられ,その機能・規模ともに拡大され続けている。しかし,こうした公的機関による訓練の供給において懸念されるもののひとつが,市場における競争原理の欠如がもたらす非効率性である。いったい公共職業訓練には,どれほど受講者の就業率を高め,将来の収入を引き上げる効果があるのだろうか。それは民間へ委託した場合とどれだけ違うのか。求職支援などと比べて公共訓練の費用対効果は高いのだろうか。職業教育のあり方への変革が要請されている今日,訓練施策の実証的な吟味を通してこれらの問いに答えることは,今後の職業訓練施策の方向を定めるうえでも極めて重要であるが,そうした分析の蓄積はまだ十分とは言えない(注1)。
 本稿は,東京都立職業訓練校の修了者に対して実施されたデータを用い,公共職業訓練の収入への効果を二つの異なる手法で分析した例を紹介するものである。訓練が訓練を受けた人々の収入にどのような効果をもたらしているのか。これを計測するのが目的であるが,訓練を受けた人について訓練を受けなかったら得たであろう収入は観察できない。そこで訓練効果は訓練を受けていないサンプルとの比較を通して推定されなければならない。本稿で試みる第1の手法は,外部調査から抽出された訓練を受けていない中途採用者を比較の対象とし,訓練受講者との収入の違いから訓練効果を推定するというものである。第2の手法は,受講者の訓練前の状況を比較の対象とし,訓練前後の収入の変化から訓練効果を推定するというやり方である。
 残念ながら本稿で用いられたデータは,訓練効果の計測に伴う様々な技術的問題を克服するうえで理想的とは言い難い。とくに前者の分析には受講者と非受講者サンプルの属性を十分にコントロールできないという問題がある。また,その問題を回避した後者の分析にも,説明変数では把握しきれない年次効果と訓練効果との識別が困難であり,訓練後のデータ収集期間が短すぎるといった問題がある。このように,本稿の分析が限定的な側面を持つことは否めないが,収入という側面から訓練効果の計測を試みる本稿の結果は,今後の訓練施策の方向性ならびにデータ整備を考えるうえで,参考になるだろうと思われる。
 次節では本稿で用いる訓練受講生のデータについて説明する。IIIでは訓練効果の計測における分析の枠組みを提示したうえで,外部調査との比較を通した訓練効果の推定を行う。次いでIVでは受講者の訓練前後の比較を通した訓練効果の推定を行う。



II データ

 現在わが国において公的に提供されている職業訓練には,職業訓練大学校や短期大学校(ポリテクカレッジ),ならびに職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)といった雇用・能力開発機構に属する施設で開設されている講座,同機構による専門学校など民間教育機関への委託講座,そして都道府県立の訓練機関で提供されている講座などがある。最近はとくに委託訓練の受講者が急増しているが,本稿で分析の対象とするのは「職業に必要な基礎的技能・知識の習得」を目的とした東京都立の訓練機関,技術専門校(以下,専門校)での失業者に対する訓練である。利用するデータは,その専門校を1999年度に修了した者全員に対して2000年10月に実施された「修了生実態調査(以下,「実態調査」)」である(注2)。
 専門校での訓練は,主な対象者の年齢および昼夜開講の別によっていくつかの訓練区分に分けられているが,以下の分析ではそのうち「若年(おおむね30歳以下を対象)」「一般」「高年齢(おおむね50歳以上を対象)」の三つの訓練区分を修了した65歳未満のサンプルに焦点をあてる(注3)。
 「実態調査」では,訓練に対する主観的評価のほか,訓練前の最終職歴や訓練後の職歴,ならびに訓練前の最終職における最終月と調査月(2000年9月)の所定内給与(月収)が収集されている。サンプルは42.2%が女性で,年齢構成は35歳未満が37.8%,35歳以上45歳未満が14.7%,45歳以上55歳未満が22.0%,55歳以上が25.5%である。最終学歴は大卒が最も多く41.1%を占め,次いで中・高卒が39.8%となっている。
 訓練前に何らかの形で働いたことのあるサンプルは92.7%である。そのうち訓練前の最終職がフルタイムであったサンプルは75.4%で,その人たちの離職時の平均勤続年数は12.6年である。訓練前の最終職での職種構成は事務が35.0%と最も多く,次いで販売の18.3%,専門・技術の17.8%,生産工程・労務の12.8%と続いている(注4)。
 一方,訓練修了後調査時点までの期間は,各人の訓練期間や訓練開始時期によって6カ月から1年4カ月になるが,その間に一度でも何らかの形で働いたことのあるサンプルは87.8%,そのうちフルタイムの職に就いた人の比率は61.7%である。訓練後フルタイムの職に就いた人の16.1%が調査時点までに転職し,5.5%は調査時点に仕事をしていない。調査時点にフルタイムとして働いているサンプルの平均勤続年数は0.6年である。訓練後最初に就いた職での職種構成は,生産工程・労務が36.1%,事務が25.6%,専門・技術が17.8%であり,訓練前に比べて生産関連に大きくシフトしている。訓練前に管理・事務系の職に就いていたサンプルの40~50%までもが機械や建築,電気や化学などの訓練科目を履修しており,専門校を介して多くの人々が非生産職から生産職への職種転換をとげていることが示されている。



III 収入への効果――外部調査との比較を通して

 1 分析の枠組み

 訓練は人的資源への投資であるから,それは受講者の労働の質・生産性を向上させ,将来の就業率を高め,就業中の賃金率を増やし,福祉依存率を引き下げるであろうことが期待される。本稿では,とくに「失業者」に対する訓練プログラムの成果として就業機会の質を示す指標である「収入」(月収)をとりあげ,それに対する訓練効果の計測を試みる。
 訓練の収入への効果は,訓練を受けたことによる収入の増加分によって測られる。ところが訓練を受けた人について,訓練を受けなかったら得たであろう収入は観察できないために,通常は受講後の受講者のサンプルと受講していないサンプル(受講者の受講前の状況を含む)との収入の違いから訓練効果を推定するという手法がとられる。このとき訓練受講者と非受講者の違いを統計的にコントロールする手法として,通常は重回帰分析が採用されるが,それにはまず個人iのt-時点の収入yitをいくつかの説明変数と誤差項との関数として定式化する必要がある。ここではとくにyを説明変数や誤差項の線形関数として表し,訓練の効果がiについて同一であるような単純なモデルを考える。



ここで行ベクトルxitは観察可能な個人の属性を示す変数,ditは訓練の状況を示す変数,そしてuiは観察不可能な個人iに固定的な属性,vitは攪乱項であるとする(注5)。説明変数や個別効果をコントロールしたうえでの訓練の収入への平均的な効果はγによって表されることになる。

 2 外部調査との比較

 多くの場合,訓練受講者への調査が実施されたのと同じような時期に,同じような母集団に対して実施されたと考えられる調査を探しだし,その調査から抽出された非受講者サンプルと受講者サンプルとをプールしたデータを用いて(1)式を推定するという手法がとられる。本稿で用いる「実態調査」の比較には,1998年から99年度にかけて失業状態にあった非受講者の2000年10月1日時点の就業状況ならびに収入を調査したものが望ましい。
 この基準をおおよそ満たしている調査に,2000年に実施された「職種別賃金実態調査」(東京都労働経済局)がある。これは東京都内の公共職業安定所の紹介によって同年8月1日から9月末日までにフルタイムの仕事に就いた人々の初任給(所定内給与の月額)を調査したものである。しかしデータの形態は個票ではなく,五つの事業所規模,七つの年齢,そして四つの学歴の計140のカテゴリーごとの初任月収の中位数である。カテゴリーごとの収入が正規分布に従うと仮定するならば,中位数も標本平均も母平均の推定量となる。そこで「実態調査」から,調査時点(2000年10月1日)にフルタイムで働いている者のデータをとりだし,それを就業先の事業所規模や年齢,学歴によって非受講者データと同様のカテゴリーに分類し,そのカテゴリーごとに月収ならびに説明変数についての標本平均の系列を作成した(注6)。これらを非受講者データとプールしたデータを用いて,平均値についての(1)式をOLSで推定した結果が表1である(注7)。

表1 収入関数の推定結果:外部調査との比較

 被説明変数は月収(万円単位)であり,説明変数には年齢,事業所規模ダミー,学歴ダミーなどを含む。訓練非受講者の収入はすべてが初任月収であるのに対し,訓練受講者の収入には勤務後1年以上たっているものもあることから,1年以上の勤続年数を示すダミー変数によってその違いを制御している。訓練については,専門校の訓練を受講した者には1,それ以外には0をとる「訓練受講」ダミーのほか,訓練期間(1年以上)を示すダミーという二つの側面からその効果を計測している。「職種別賃金実態調査」では,就いた職種にかんする経験年数の階級別に初任給の中位数が公表されているが,表1に示されているのは経験年数が1年未満の非受講者との比較である。(1)欄が全年齢についての推定結果であるのに対して,(2)および(3)欄は同様の推定を35歳未満と35歳以上のグループに分けて行った結果である。
 (1)欄をみると,学歴と年齢,事業所規模や勤続年数をコントロールしたうえでも,専門校を修了した者の初任月収は,就職した職種の経験年数が1年未満の非受講者よりも,有意に3万4000円ほど高いことが示されている。ただし1年以上にわたる長期訓練を受講した者の場合,訓練の効果はほぼ相殺されて訓練を受講しなかった者と変わらなくなる。興味深いことに,訓練受講者の収入のほうが有意に高いという傾向は35歳以上のサンプルで,また長期より短期訓練の効果が大きいという傾向は35歳未満の若いサンプルで顕著にみられる((2),(3)欄)。
 しかし,表1の分析にはいくつかの問題点がある。まず,訓練を受けていない者のデータがグループの中位数という形態で提供されているために,多くの情報が犠牲にされている。また性別や職種が制御されていないため,「職種別賃金実態調査」と「実態調査」のサンプルにおける女性の分布や職種構成が異なれば,結果も大きく変わりうる(注8)。専門校入校時の応募倍率が,中高年層向けの科目において若年層向けの科目よりも平均的に高いことを考えると,中高年層に観察される専門校の優位性が,専門校の入校過程でスクリーニングされた中高年層の能力や,やる気の高さを示している可能性もある。
 さらに,表1の分析は実際に仕事を得た求職者同士の比較に基づくものであり,訓練を受講した後に就業しなかった人々やフルタイム以外の職に就いた人々は分析から除外されている。たとえば訓練が受講者の留保賃金を高める場合,就職したサンプルだけを用いて分析すると訓練効果は過大に推定されることになる。専門校における訓練の効果をより正確に計測するには,潜在能力や積極性の違いまでをも制御し,就業しなかった受講者への効果も考慮する必要がある。これらの要求を満たしながら訓練効果を計測しようという試みが次節である。



IV 収入への効果――訓練前後の収入比較を通して

 1 分析の枠組み

 前節では訓練を受けていない者と訓練受講者との収入の違いから訓練効果の推定を試みたが,両グループの属性が十分に制御できず,セレクション・バイアスが除去できていない点に問題があった。これに対して本節では,受講した者についての訓練前と訓練後の状況の変化から訓練効果の推定を試みる。利用するデータは前節と同じ1999年度修了生に対する「実態調査」である。
 「実態調査」によると,訓練前にフルタイムで働いていたサンプルの平均最終月収は33.1万円(2000年価格)であるのに対し,訓練後調査時点にフルタイムで働いているサンプルの平均月収は21.8万円と訓練前に比べて大分低い。しかしこれは調査時点での勤続年数が最長でも1年半弱,平均0.6年であるのに対し,訓練前に収入が計測された時点での平均勤続年数は12.6年と両者に大きな開きがあるからである。当時の勤続年数ならびに年齢階級別に訓練前後の平均収入を比較すると,勤続年数や年齢が同じであれば,訓練前後の収入にそれほど大きな違いはみられない(表2)。ただし訓練前の仕事において勤続年数の短い人々はそれ以外の人々に比べて離職傾向が強く,そうした特徴が収入を低くさせている可能性もある。そこで同一人物の収入変化から訓練効果を推定するという手法を用いることによって,勤続年数や年齢だけでなく,離職傾向や潜在能力のように,各人に固定的な観察できない要因をもコントロールしたうえで,訓練が収入に与える効果を推定する。

表2 訓練前後における平均月収(当時の勤続年数,年齢階級別)

 この方法を「実態調査」の場合にあてはめてみよう。各サンプルiについて収入yが観察されるのは,調査時点(2000年10月1日)と訓練前の最終就業月という二つの時点に限定されている。前者はすべてのiについて同時点であるからそれをt*とし,後者は各人について異なる場合もあるのでそれをtiとしよう。訓練前後の収入関数がともに(1)式で表されるとすれば,同式の訓練後の調査時点(t*)と訓練前の収入観測時点(ti)との差分をとることによって,観察不可能な固定効果uの影響を除去しながらβやγを推定することができる。同時に学歴や性別などの固定的な属性も除去されるが,γやβはそれらの影響をコントロールしたうえで推定されることになる。



 ただし,訓練前後の収入情報が観察されるサンプルのみを用いて(2)式を推定することには問題がある。「実態調査」では,訓練前後の収入はフルタイムなど特定の形態で就業している人についてのみ収集されているため,両時点で収入が観察されるサンプルだけを用いると,訓練後にフルタイムの仕事に就かなかったサンプルを無視することになる。訓練後に仕事が見つからない人々やフルタイム以外の仕事に就いた人々についても,働いたらどれだけの収入が得られたのかを考慮したうえで(2)式を推計しない限り,「訓練受講者」に対する訓練効果の推定値にはバイアス(欠落バイアス)のもたらされる可能性がある(注9)。
 そこで本稿では分析の対象を訓練前にフルタイムとして働いていたことがあるサンプルに限定したうえで,調査時点にフルタイムとして就業していないことをデータからの欠落(attrition)としてモデル化し,その内生性を考慮しつつ訓練効果を推定する(注10)。すなわち,以下の分析は「訓練前にフルタイムとして働いていた」受講者に対する,「働いたら得られたであろう収入」への訓練効果ということになる。
 ti時点で収入が観察されることを条件としたうえで,t*時点にデータが欠落するかどうか(フルタイムで就業しているかどうか)のプロセスが次のような就業決定関数によって表されると考えよう。



 このf*it*は潜在変数でありf*it*>0であればフルタイムとして就業しているので{xit*,yit*}が観測され,それ以外の場合は欠落する。われわれが観察できるのは,フルタイム就業の場合は1,それ以外の場合は0をとる変数(これをfとしよう)であるが,(3)式の誤差項εが正規分布に従うとすれば,δはプロビット・モデルのパラメータとして推計することができる。
 簡便のために(yit*-yiti)=Δyit*,(xit*-xiti)=Δxit*,(dit*-diti)=Δdit*,(vit*-viti)=Δvit*と表し,Δvit*とεit*が2変数正規分布に従うとしよう。さらにxit*の厳密な外生性,ならびにmit*がコントロールされるとt*時点にデータが欠落するかどうかはΔxit*に依存しないことを仮定すると(注11),



が満たされることになり,この(4)式より,



が導かれる(Wooldridge(2002), Chap.17)。ここでλは(3)式に基づく逆ミルズ比である。(3)式は誘導形であるから,その説明変数ベクトルmit*にはfiti=1を満たすすべてのサンプルについて観察可能なxit*に含まれる変数,ならびにその過去の変数xiti,そのほか就業選択に影響を与えると考えられるあらゆる外生変数を含むことが望ましい。
 (5)式より,まずti時点にフルタイムとして就業しているすべてのサンプルを用いて(3)式を推定し,そこから得られた逆ミルズ比の推定値λを(2)式の説明変数に追加したモデルをOLSで推定すれば,βやγの一致推定量が得られることがわかる(注12)。欠落によるバイアスの有無は,逆ミルズ比の係数がゼロであるかどうかを検定すればよい。
 訓練前の収入観測時点tiが各人によって異なるという事実は,訓練変数dの効果を識別するうえで不可欠な条件でもある。たとえばditがt時点よりさかのぼって1年半の間に公共訓練を受けたかどうかを示すダミー変数であるとしよう。するとすべての個人iについてditiは0の値をとり,dit*は1の値をとるから,Δdit*は(2)式における定数項になる。もし訓練後の観測時点t*と訓練前の観測時点tiとが個人iについて同じであれば,xに含まれる年齢や経験年数の差分も同様に定数項に吸収されることになるから,訓練ダミーの効果と年齢等の効果(時間の経過に伴う収入の変化)との識別ができなくなる。本稿では,訓練前に収入の観測される時点tiが個人によって異なるために,年齢や就業経験年数の差分には個人による違いが存在し,それが訓練ダミーの効果を識別する鍵となる。ただし,訓練後の収入観測時点はすべてのサンプルについて2000年であるのに対し,同年に訓練前の収入が観測されたサンプルがないために,(2)式の説明変数では把握されない2000年特有の年次効果が存在すると,それは訓練効果に含まれて推定されてしまうことになる。

 2 推定結果

 調査時点にフルタイムとして働いている確率((3)式)をプロビット・モデルにより推定した場合の限界効果を示したものが表3である。表4-1および表4-2は,表3に示されたプロビット・モデルの推定より得られた逆ミルズ比の推定値を(2)式の説明変数に加え,調査時点での収入情報の欠落を内生的に考慮した収入関数の推定結果である。被説明変数は2000年の価格単位(万円)に変換された所定内月収である。性別や年齢によって直面する労働市場も大きく異なると思われるが,サンプル数の都合上,男性については45歳以上,女性については45歳未満のサンプルについてのみ別途推定を行った。分析に用いられた変数の平均値については付表1を参照されたい。

表3 フルタイム就業決定関数の推定結果(プロビット・モデル)

表4-1 収入関数の推定結果:訓練受講者の訓練前後の比較(失業率を含む)

表4-2 収入関数の推定結果:訓練受講者の訓練前後の比較(有効求人倍率を含む)

付表1 説明変数の記述統計(表3および表4)

 収入関数の説明変数には,収入観測時の年齢と年齢ダミー,それまでに経験した失業期間のほか,勤続年数とその2乗,収入観測時における職種(大分類)についての経験年数(同一職種経験年数),職種ダミーを含む。収入観測時点における労働市場の需給状況を示す指標として,表4-1では失業率を,そして表4-2にはパートを含む有効求人倍率を考慮している。訓練については,受講の有無(訓練受講ダミー)だけでなく,訓練の期間あるいは訓練科を選ぶにあたって入手できた情報への評価によっても効果が異なる可能性を考慮している。
 一方,就業決定関数((3)式)の説明変数としては,学歴のほか,(2)式のt*時点の説明変数(年齢や年齢ダミー,就業経験年数,訓練期間,事前情報入手ダミー)やti時点の説明変数(訓練前の職種ダミーや勤続年数)を使用するほか,訓練中に訓練手当または雇用保険を受給したかどうかを示すダミー変数を用いた(注13)。雇用保険や訓練手当の受給については,就業意欲に影響を与えるが就業後の収入には影響を与えないことを想定している(注14)。
 まず,表4-1および表4-2の逆ミルズ比の係数に注目すると,男性のサンプルにおいては負の値をとっており,とくに(1)欄の全年齢サンプルについては有意であるが,女性においてはまったく有意でない。これは訓練後フルタイムの仕事に就いたサンプルだけに限定して(2)式を推定しても,女性についてはその推定値に欠落バイアスが生じないことを示している。
 次に,訓練の効果を男女別にみてゆこう。(2)式に示されるように,γやβは訓練前後の説明変数の変動が訓練前後の収入の変動に与える効果として推定されるが,その推定値の解釈は差分をとる前の(1)式に基づいて行えばよい。まず男性の場合,年齢や勤続年数,職種やこれまでに経験した失業期間等をコントロールすると,訓練は収入を減らすという傾向がみられ,とくに45歳以上の男性に限定した場合,訓練を受けることで月収は有意に20万~25万円ほど減少している。中高年男性の受講しやすい訓練分野の影響が現れているとも考えられるが,15の科目群ダミーを入れた場合でも,経理事務以外の事務系を除くすべての科目群で月収の低下する効果が観察された(注15)。
 一方,女性においては全般的に訓練が収入を高める効果がみられ,とくに45歳未満よりも全年齢を対象とした推定で有意な効果が示されている(表4-2(3)欄)。労働市場の需給状況を示す指標として失業率を用いるか有効求人倍率を用いるかによって,訓練効果の有意性や推定値に少なからず違いがみられるが,中高年男性には負の効果が,そして女性には正の効果がみられるという傾向に変わりはない。ちなみに成人女性に対して訓練が有意に収入を高めるという結果は,セレクション・バイアスを回避するためのさまざまな手段を講じた米国における一連の実証分析でも同様に観察されている(Ashenfelter (1978), Bassi (1983), Bloom et al. (1997))。
 訓練期間についてはどうであろうか。表3によると,中高年の男性以外については,6カ月訓練よりも1年以上の訓練を受けることで訓練後にフルタイムの仕事に就く確率が0.19~0.27ポイント有意に高まっている。一方,収入に対する効果は有意ではないが,若い男性においてはマイナスの効果が大きい。表1でも若年層全般において長期の訓練が収入を減らす効果が有意に観察されており,これらの結果は,若年男性にとって長期訓練は就業を促進するが収入を高めるわけではないことを示唆している。ただしこれは訓練後最長でも1年半までの状況である。就業後に豊富な能力開発機会が期待される若年層については,より長期的な訓練効果を計測する必要があろう。
 もうひとつの興味深い観察事実は,訓練科を選ぶにあたって入手できた情報の効果である。いずれのグループにおいても情報の入手程度が収入に与える影響は統計的に確認されなかったが,男性においては,学歴や職歴,訓練期間や雇用保険給付等の受給状況などをコントロールしてもなお,そうした情報の入手程度が「良い」場合にフルタイム就業率は有意に0.13~0.18ポイント高くなっており,その効果はとりわけ中高年で大きい(表3)。本節の分析は訓練前にフルタイムとして働いていた受講生を対象としたものであるが,すべての受講生を対象にして分析したところ,そうした情報の就業促進効果は男性だけでなく女性においても有意であり,やはり若年層よりも中高年層でより顕著に見られた(黒澤(2002))。ところが入手できた情報の程度が「良い」とした比率は,わずか16.9%である(注16)。この調査項目は,オーストラリアの公共職業訓練受講者に対して実施されるStudents outcomes surveyから取り入れられたものであるが,同国の受講者における比率は1999年に49.3%,2000年に51.9%といずれも東京都の数値を大きく上回っている。わが国の場合,公共訓練の受講者枠の拡大ばかりが先行し,求職者と訓練をつなぐプロセスへの支援がおざなりになってきた可能性もある。



V 結びと今後の課題

 本稿では,東京都立技術専門校の修了生を対象とした調査に基づき,訓練受講者以外の中途採用者との収入の比較,ならびに訓練受講者についての訓練前後の収入の比較という二つの方法によって訓練が収入にもたらす効果の計測を試みた。
 その結果,前者の分析からは訓練が収入を高めるという正の効果があり,それがとくに中高年において顕著であること,ならびに若年層においては6カ月訓練のほうが1年以上の訓練よりも収入を高めることが示された。ただしこの分析では,訓練受講者と非受講者の属性が十分に制御できず,セレクション・バイアスが除去できていない点,ならびに訓練後に就業していない受講者を分析から除外している点に問題があった。そこでそれらの問題を解消する試みとして後者の分析を行ったところ,訓練の効果は女性においてはおおむね正であるが,中高年男性においては有意にマイナスであることが示された。
 厳密にみると,前者の分析は「訓練後にフルタイムの仕事に就いた」求職者に対する効果であるのに対し,後者の分析は「訓練前にフルタイムの仕事に就いていた」受講者に対する効果である。このような違いはあるにせよ,受講者サンプルがほぼ同じであるにもかかわらず,二つの分析から得られた結果にはかなりの乖離がみられる。とりわけ男性中高年に対する二つの分析結果の相違は大きく,それがセレクション・バイアスだけによって説明されうるとは考えにくい。また,後者の分析においては,労働市場の需給状況のコントロールとして失業率を用いるか有効求人倍率を用いるかによって訓練効果の推定値にかなりの幅が生じており,頑健な推定結果が得られたとはいえない。受講者のみのデータを用いて訓練効果を計測するという後者の方法にもいくつかの問題がある。
 第1の問題は,説明変数では把握しきれない2000年特有の年次効果があると,それが訓練効果に含まれて推定されてしまう点である。ただしこの効果がすべてのサンプルに同じような影響を与える限り,グループ間の訓練効果の違いは真の訓練効果にも同様に観察されるはずである。年次効果と訓練効果とを厳密に識別するためには,やはり訓練を受講していないサンプルが必要となる。
 第2に,訓練の効果は長期にわたって測られることが望ましいが,本稿での分析はデータの制約上,訓練後1年半以内の効果に限定されている点が挙げられる。そのために,勤続年数などの説明変数の水準が訓練前後で大きく偏っており,それが訓練効果の推定値を不安定にしていると考えられる。とくに中高年男性については,この点が二つの分析結果に大きな乖離をもたらした要因かもしれない。いずれにせよ,これらの問題を解決するためには,訓練受講者と訓練を受講していない者双方についての長期にわたるパネルデータが必要である(注17)。
 職業訓練施策の評価にはいくつもの側面と段階がある。本稿のように収入への効果を検証することは,職業訓練を公的な機関で直接提供するという方法と,それ以外の方法との費用対効果の比較を可能にし,より効率的な職業訓練施策の方向性を探るうえで必要である。しかしながら,たとえば公平性や市場の不完全性の補完といった観点から公共職業訓練に一定の公的資源を投入する必要性が認められた場合には,その資源の最も効率的なプログラム間の配分方法は何であるかが問題になるのであり,そのような問題に寄与する分析は,受講者における就業率や収入のプログラム間格差を検証するというものであろう。そしてもうひとつ,職業訓練施策評価において重要な視点は,訓練施策間の補完性である。
 たとえば本稿の分析より,訓練科目を選択する際に情報をふんだんに提供することが訓練修了後のフルタイム就業率を有意に引き上げるという結果が示された。そうした傾向が若年層よりも中高年層でより顕著に見られるという観察事実は,訓練を受ける前に職業訓練にかんする情報開示・説明を含めたカウンセリングを行うことが,とりわけ中高年層における訓練効果を高めるうえで重要になることを示唆している。
 今後は,政策論議に耐えうる訓練評価の実証分析を可能にするデータの整備が必要であるとともに,訓練だけの効果ではなく,求職者と訓練の「つなぎめ」としての求職支援が訓練の成果に与える効果をも含めた包括的な評価をしてゆく必要があろう。

*本稿は統計研究会内労働市場研究委員会2002年度『構造調整と労働市場:賃金・雇用構造の変化に関する調査研究報告書』黒澤担当「公共職業訓練は収入を高めているか:東京都修了生実態調査を用いて」をもとにしたものである。同研究委員会では委員の方々から多くのご助言をいただいた。また,東京都職業能力開発研修所所長の松尾亮氏ならびに調査研究係の染森信也氏には,「修了生実態調査」の目的外利用に際して大変なご尽力をいただいた。改めて感謝申し上げたい。なお,本稿に含まれうる誤りはすべて筆者に帰するものである。


注 1)たとえば大矢(1997)や労働省(1999)は,訓練に対する満足度が就業率や就職前後の賃金変化,ならびに定着率に与える影響を分析しているが,「訓練に満足する」ことと就業率等の訓練成果は内生的に決定されていると考えられるために,訓練の評価としては限界がある。黒澤(2001)は,就業率,月収,定着率という三つの観点から,東京都立技術専門校の修了生における科目間格差を1992年から98年にかけて推計している。この分析は,訓練の内容が市場のニーズに即して柔軟に調整されているかどうかを検証するものであって,訓練の受講が収入や就業率にどのような影響を与えるのかを検証するものではない。

注 2)1999年度修了生に対する調査の有効回収率は41.8%であった。

注 3)3区分65歳未満の有効回答数1764のうち,13.4%が「若年」,54.8%が「一般」,31.8%が「高年齢」区分の訓練である。専門校は原則として新たに職業に就く人々や,求職中あるいは転職を希望している人々を対象としているが,「実態調査」のなかには,在職中に訓練を受け,訓練後も同じ勤務先に勤め続けているサンプルもある。こうしたサンプルについては,調査設計上,調査時点の収入情報が得られないことから本稿の分析では除外する(3区分のサンプルにおいては0.6%)。上記の3区分以外にも,「実態調査」は夜間の「定年前」や「定時制」区分の訓練受講者をも対象としているが,これらには継続就業サンプルが多く,それを除外するとサンプル数が少なくなることから本稿の分析より除外している。

注 4)訓練前後の職種構成はいずれもフルタイムあるいはパートタイムとして就業していたサンプルにおける比率である。

注 5)ここではγを収入の観測時点tに依存させていないが,訓練受講からt時点までの期間が長い場合は,訓練受講時点によって訓練効果が異なる可能性も考慮すべきである。

注 6)これら二つの調査におけるカテゴリーの定義には若干の違いがある。「職種別賃金実態調査」では事業所規模のカテゴリーが5人未満で区切られているのに対し,「実態調査」では9人未満で区切られている。また,「実態調査」での規模は「勤務先」についてであるから,企業規模として回答されている可能性がある。ただし,本稿で利用した「実態調査」の規模構成と,「事業所」規模が調査されている前年度の「実態調査」の規模構成はほとんど変わらないことから,事業所規模と見なすことによる推定値のバイアスは大きくないと思われる。

注 7)「職種別賃金実態調査」ではカテゴリーごとのサンプル数が公表されていないため,それを用いた不均一分散の修正ができない。代わりに表1の標準誤差はロバスト推定によるものである。「職種別賃金実態調査」のサンプル総数は1万384であり,就いた職種にかんする経験年数が1年未満と5年以上のサンプルがそれぞれ4割を占めている。訓練受講者の月収をカテゴリーごとの中位数に変えた場合,専門校ダミーの係数は35歳未満では変わらなかったが35歳以上では約6000円小さくなった。すなわち,カテゴリー内の収入の分布が右にゆがんでおり,その傾向の強い中高年については,標本平均を用いることで訓練効果が若干過大推計されている可能性もある。パラメータの有意性やその傾向は中位数を用いた場合と変わらなかった。

注 8)ただし訓練の効果がとりわけ中高年で高いという結果は,1998年度専門校修了生と1999年の「職種別賃金実態調査」の中途採用者とを比較した分析でも同様に観察されている(黒澤(2001))。その分析では学歴がコントロールされていない代わりに性別がコントロールされており,受講の効果は約2万5000円,そして男女間には約2万8000円程度の収入格差がみられた。「職種別賃金実態調査」では1999年より性別を調査項目から除外しているが,98年の同調査における女性比率は37.4%であり,表1のベースとなった「実態調査」サンプルにおける女性比率,37.8%と大差はない。なお,「職種別賃金実態調査」での職種構成は,多い順に事務が26.3%,生産工程・労務が22.6%,販売が12.0%,専門・技術が11.5%であるのに対し,表1のベースとなった「実態調査」ではそれぞれ22.9%,40.4%,5.6%,19.1%で,非受講生よりも生産職や技術職の比重が高い。

注 9)すべてのtについてE(vit|xi, ui, fi)=0(ここでxiやfiはすべてのtについてのxitやfitを指す),すなわち(1)式の攪乱項が就業選択(f)と無相関であれば,欠落バイアスは生じず,(2)式を両時点で収入の観測されるサンプルのみを用いて推定しても,γやβの一致推定量を得ることができる。

注10)訓練受講者全体に対する訓練効果を計測するのであれば,訓練前の就業状況と調査時点の就業状況とをそれぞれモデル化し,それらの内生性を考慮したうえで収入関数を推定しなくてはならないが,これは計量的にも大変複雑になり,サンプル数に制限のあるなかで実施するのは困難である。そこで訓練前の収入情報が入手できるサンプルを,「訓練前にフルタイムの仕事に就いていたことがある」母集団から,説明変数をコントロールしたうえでランダム抽出されたサンプルとみなし,その人々に対する訓練効果を検証する。

注11)xには勤続年数やこれまでの失業期間など,フルタイムの就業者サンプルのみに観察される変数が含まれており,それらがこの仮定に背く可能性がある。この点に対処するためには操作変数推定法を利用すべきであるが,サンプル数の制約上,ここでは適用していない。

注12)ただし,同一人物についても公共訓練を受けるタイミングが内生的に決定されている場合は訓練効果にバイアスが生じる。米国では訓練直前の受講者の収入が,それ以前のトレンドよりも落ち込む傾向が見られるという(Ashenfelter(1978))。その落ち込みが恒久的なものであれば落ち込んだ収入からの変化を訓練効果とみなすことに問題はないが,それが一時的なものである場合には,訓練効果が過大評価されることになる。わが国の場合,とくに中高年男性については,高すぎる収入がリストラの原因となって失業したサンプルが多い可能性もあり,そうであれば訓練効果は過小評価されるはずである。ちなみにBassi(1983)では年齢や学歴をコントロールしたうえで,訓練前の2時点間の年収変化が訓練受講者グループと受講していないグループとで異なるかどうかを検証しているが,その差は有意ではなかった。Bassi(1984)でも,一時的な収入の減少はほとんど問題にはならず,訓練受講者と非受講者の差異は固定効果推定によって十分に除去されるとしている。

注13)収入関数の説明変数には,多重共線性のために就業経験年数を入れていない。一方,失業期間変数は差分の形でのみ観察されるため,就業決定関数の説明変数には利用できない。代わりに就業決定関数の説明変数には就業経験年数を含めている。

14)これは収入関数における逆ミルズ比と他の説明変数との多重共線性を緩和するためである。

15)自由度を維持するために,表4には科目群ダミーを含めていない。科目群とは,「機械製図」「自動車整備」「溶接」「その他機械」「ビル設備管理」「建設設計」「内装・外装」「その他建築」「電気」「化学・塗装」「印刷」「経理事務」「その他事務」「被服」「介護サービス」「その他」である。

16)「訓練科を選ぶにあたって入手できた情報」の程度として「非常に悪い」から「非常に良い」までの10段階評価のうち,最も高い3段階を選んだ人の比率。
17)そのようなデータがあれば注12)に触れたような内生性の検定や収入関数の安定性を検定することも可能になる。


参考文献

 Ashenfelter, Orley (1978) Estimating the Effect of Training Programs on Earnings, Review of Economics and Statistics, Feb. 60 (1): 47-57.
 Bassi, Laurie (1983) The Effect of CETA on the Postprogram Earnings of Participants, Journal of Human Resources, Fall, 18 (4): 539-556.
 Bassi, Laurie (1984) Estimating the Effect of Training Programs with Non-Random Selection, Review of Economics and Statistics, Feb, 66 (1): 36-43.
 Bloom, H. et al. (1997) The Benefits and Costs of JTPA Title II-A Programs: Key Findings from the National Job Training Partnership Act Study, Journal of Human Resources, 32 (3): 549-576.
 NCVER (2000) Student Outcomes Survey, National Centre for Vocational Education Research, Australia.
 Wooldridge, Jeffrey (2002) Econometric Analysis of Cross Section and Panel Data, MIT Press.
黒澤昌子(2001)「公共職業訓練機関の実態とその効果についての研究」清家篤編著『人口高齢化と雇用政策』日本評論社,第4章。
黒澤昌子(2002)「公共職業訓練における給付金制度と入校プロセス」『グローバリゼーション下における構造調整と労働市場に関する調査研究報告書』(財)統計研究会内労働市場研究委員会。
大矢奈美(1997)「公共職業能力開発校における職業能力開発の評価:東京都および神奈川県の事例から」横浜国立大学国際社会科学研究科博士論文。
労働省編(1999)「労働白書」日本労働研究機構。


 くろさわ・まさこ 政策研究大学院大学助教授。主な論文に「中途採用市場のマッチング――満足度,賃金,訓練,生産性」日本労働研究雑誌No.499(2002)など。労働経済学,計量経済学専攻。