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(著者抄録)
本論文は、高齢者雇用の実態調査から、その労働条件、企業の雇用問題への対応、および高齢者雇用への考え方について検討を行ったものである。労働条件は、一般の企業と労働者双方の要望からおおむね合意可能と思われた水準となっていたが、企業の要請と労働者の能力との調整が最大の課題となっており、職場で実際に活きる能力を保持していることが雇用の不可欠な条件となっていた。労働条件では各企業に共通性が高かったが、高齢者雇用への考え方には相違があり、定年までの雇用制度にプラスして高齢者雇用を考えている企業、雇用関係において年齢という基軸に疑問を持ち、スキルを基底に考えている企業、年齢に応じた役割を重視し、高齢者雇用を若年期から体系的に構築している企業が見られた。そして、いずれにおいても人材育成が重要となっており、60歳以降も働く職業人生を念頭に、若年期から一貫して、仕事、賃金、昇進、教育等の「働き方」のあり方全体を再構築していくことが必要と思われた。
(論文目次)
I はじめに
II これまでの研究と本論の課題
III 60歳代前半の雇用問題
  1 雇用形態と労働時間
  2 賃金
  3 仕事内容と職場、役職
IV 60歳代前半の労働条件
  1 雇用形態と労働時間
  2 賃金
  3 仕事内容と役職、職場
V 企業の姿勢と企業環境
  1 60歳+α型(B社、C社、E社)
  2 年齢捨象型(D社)
  3 年齢対応型(A社)
VI まとめ

I はじめに

 日本社会の高齢化の進展は,諸外国に例のないほど急速に進み,2015年には65歳以上の人口が全体の26.1%を占め,4人に1人が高齢者という,世界一の高齢化社会になるものと推定されている(注1)。近い将来,労働力人口の減少や,年金財政の破綻等が懸念されており,少子・高齢化に伴って生ずる問題は深刻である。そして,近々にその解決が迫られている問題の一つが,高齢者の雇用機会確保である。
 年金支給開始年齢の引き上げはすでに始まっているが,2004年4月には62歳になる。しかし,定年の最低年齢は60歳のままであり(注2),現在(2002年),定年年齢を設けている企業が92.2%,そのうち60歳定年が87%となっており,定年年齢60歳と年金支給開始年齢との間に2年間の空白ができることになる。一般に,生活を維持していくために失業保険等だけで補うには厳しい期間であり,就業は社会的要請となっている。しかし,企業の再雇用・継続雇用制度の導入率は67.4%であり,しかも,希望者を原則全員採用している企業は29.4%にすぎないため(注3),希望者の一部しか雇用されていないのが実情である。そして,60~64歳の失業率は7.7%と他の年齢層に比べ高く,また,有効求人倍率も0.15倍と著しく低い(注4)。日本の高齢者は諸外国と比べ就業意欲が高いにもかかわらず,雇用機会に恵まれておらず,60歳代前半の就業環境は甚だ不十分な状況にある。
 さらに,昨今では,厳しい経済状況のため,企業は合理化の一環として人員削減を図ることも少なくない。そして,その対象にまず中高年齢者が挙げられるため,定年前の労働者も雇用不安にさらされており,45歳を過ぎると有効求人倍率も急激に減少するため,再就職も非常に難しい状況にある。就業にとって,「年齢」が障害の一つとなっていると,指摘されているところである。すなわち,労働者は,年金支給開始年齢の引き上げにより,60歳代前半まで働かなければならない状況におかれているにもかかわらず,就業環境が整っていないばかりか,今日では60歳以前(定年前)の雇用までもが不安定化して,事態はむしろ悪化の傾向さえ見られる。
 今後,年金の支給開始年齢は65歳まで段階的に引き上げられることになっており,定年との間に5年間ものギャップが生じることになる。そして,2015年には高齢化の進行のため,60歳以上の労働力人口が1270万人にものぼり,労働者の19.2%と2割近くを占めることになると推計されている(注5)。高年齢の労働力人口の増加および年金と定年との年齢ギャップの長期化から見て,高齢者の就業問題は現在より相当深刻な状況になることは想像に難くない。高齢者の雇用機会の確保の問題は,早急に対処されなければならない焦眉の課題となっているのである。


II これまでの研究と本論の課題

 中高年齢者の就業が極めて厳しい状況におかれている原因の一つは,中高年齢者が高コストな労働力であると一般に理解されていることにある。いわゆる,労働生産性(企業への貢献度)に比べ賃金が高いと言われている世代である。このことは,人的資本理論(注6)やラジアーの理論等の諸学説(注7)により合理的に説明がなされ,実態調査によって,実証されている(注8)。したがって,60歳代の雇用の最大の問題は,およそ50歳代からすでに賃金に対して貢献度が低いと評価されている高コストの労働者が,さらに就業を継続し生活をしていかなければならないことにあるとも言えよう。
 この事実に対し,賃金制度にその原因があると指摘する研究(注9)もあり,その解決を賃金ダウンに求める傾向が見られる(注10)。しかし,現時点では,いまだ十分な解決には至っておらず,中高年齢者の雇用を考える上では,貢献度の向上,それをもたらす能力の向上についても,合わせて検討していかなければならないと思われる。そして,その認識に基づき,拙稿(2002)(注11)では,中高年齢者の能力問題と60歳代前半の雇用障害の問題について調査・分析を行った。
 そこで,本稿においては,高齢者雇用の問題点を拙稿(2002)の分析結果に基づいて摘出し,その問題点を軸に,今回の実態調査から実際の高齢者雇用の労働条件や雇用障害への企業の対応,考え方について究明し,高齢者雇用のあり方を検討しようとするものである。
 まず,中高年齢者の賃金に対し貢献度が低くなる要因である能力の具体的内容,さらにそれが60歳代の雇用の労働条件において障害となっている実態について,拙稿(2002)により簡単にまとめる。そして,高齢者雇用を実施している企業5社の調査分析を通じて,現実の高齢者雇用の実態,及び高齢者雇用の進展を規定する企業の考え方について検討し,今後ますます厳しくなると思われる高齢者雇用問題に対する打開の道を探ることとしよう。


III 60歳代前半の雇用問題

 前掲の拙稿(2002)は,中高年齢者の能力問題と60歳代前半の雇用について,企業と労働者との双方に対して調査を行ったものであるが,本稿ではその調査より60歳代の,(1)雇用形態と労働時間,(2)賃金,(3)仕事内容と職場,および役職について,企業と労働者双方の意見や要望等を中心に,その一致点や妥協点,およびそこに含まれている問題点等を整理し,まとめておくことにしよう。

 1 雇用形態と労働時間

 労働者は,定年後の再就職の雇用形態として,その大多数が正社員としての就業を望んでいたが,企業はそれを忌避し,「契約社員」を希望していた。労働者が,妥協点として「契約社員」を示していたので,「契約社員」としての就業になる可能性が大きかった。労働時間については,両者の希望が一致しており,フルタイムとなることが推察された。

 2 賃 金

 最も多くの企業が雇用における非常に重要な問題としていた労働条件が,賃金である(図1)。また,労働者も,就業に際し賃金は仕事内容に次いで2番目に重視する条件となっており(図2),両者にとって極めて重要な労働条件であった。しかし,双方の賃金に関する要望を具体的に調べていくと,「賃金」が雇用を阻む最大のネック問題ではなく,歩み寄り可能な問題であることが明らかになった。

図1 企業にとっての60歳前半の雇用の障害 n=189(三つまでM.A.)
図2 労働者が重視する労働条件(n=178)

 60歳代の雇用を実施していない企業も含め,最も多くの企業が雇用機会を提供できる賃金水準としては,従業員の定年時年収の約2分の1程度を示していた。他方,労働者が妥協できる賃金水準として400万~500万円を提示したものが最も多く,55歳以上の労働者では,300万~400万円が最多となっていた。すなわち,企業と労働者との希望から,おおよそ300万~500万円ぐらいが合意点となって雇用が成立することが可能であると言えよう。
 ただ,今後,年金支給開始年齢が引き上げられるに伴い,労働者の希望条件が高くなる可能性はある。

 3 仕事内容と職場,役職

 実際に,雇用の最大のネック問題として浮き彫りになったのが,仕事内容と職場,役職との調整であった。
 労働者にとって,仕事内容は最も重視する労働条件であり(図2),これまでの経験や培ってきた知識・能力を活かしたいという意向が強く,新しい分野へのチャレンジは回避する傾向が見られた。企業は,60歳代前半の継続雇用について,本人の知識や経験の無用化を懸念することは少ないが,仕事に対する挑戦意欲の低下を問題視していた(図1)。中高年齢者の能力についての理解は,双方とも共通しており,弱点をカバーし強みを活かすためには,これまでに経験した仕事,あるいはその関連分野での仕事に従事することが最適であると考えられていた。したがって,現在の職場でこれまでの仕事,あるいはそれに近い内容の仕事を行うことが,両者の合意点になると思われた。
 しかし,ここで「役職」が問題になっていた。企業は,定年後の就業については必ず役職を降りることを条件としていが,労働者は,役職に就くことに執着する傾向が見られた。現職場で役職に就くことができないときにはグループ内企業で,さらにそれが無理な場合にはグループ外企業で,役職に就くことを望んでいる人は多い。そして,役職を降りるならば,今とは異なる別の職場を望む傾向があった(図3)。これは,これまでに築き上げられた人間関係に,その大きな要因があると思われる。上司であった人が,ある日を境に部下や同僚になることは,本人のみならず,周囲の人も違和感を持つことは推察に難くない(図1)。

図3 職場と役職――労働者の希望と妥協できる条件(n=178)

 また,この「役職」につくということは,一般に管理能力が求められていることであるが,企業は,この能力について問題視していた。具体的には,40歳代~50歳代の中高年齢者の,「部下への仕事の任せ方」や「部下の育成」,さらに「将来ビジョンの作成」等の能力に関し,管理者として必要な役割を十分には果たしていない者が多いと認識しており,まさに賃金に比べ相対的に貢献度を低くしている一要因になっているものと考えられている(表1)。しかし,労働者は,自分の管理能力に自信のある人が多く,能力の開発・向上の必要性を意識している人は比較的少ない。そこで,企業は,定年後は役職に就くことを認めていないが,労働者自身は,管理能力に自信を持っているため,定年後も役職へのこだわりが大きくなるものと思われる。このように能力に関する自己評価と企業の評価との違いが,高齢者雇用の一つの問題点となっていた。

表1 管理能力に対する企業と労働者との認識(M.A.)(単位:%)

 これまで見てきたように,60歳代前半の雇用では,雇用形態や労働時間,賃金についての労働条件は調整可能と思われたが,高齢者の豊かな経験と知識を活かす場の確保が問題となっており,仕事内容と職場,役職との調整が最も重要な課題であった。そこで,現在60歳代前半の雇用を進めている企業では,前述の企業と労働者との一般的合意水準と思われる労働条件によって雇用関係は成立しているのか,そして雇用の障害となりやすい問題については,いかなる対応を持って克服しているのか考察を進めることとしよう。


IV 60歳代前半の労働条件

 高齢者雇用を実施している,業種,規模等々の異なる5社について,労働条件など雇用の実態を明らかにするため,ヒアリング調査を実施した(注12)。5社の企業の概要については,表2に示したとおりであるが,前節で取り上げたおのおのの労働条件ごとに検討を進めることにしよう(注13)。

表2 企業の概要と高齢者雇用の仕組み


 1 雇用形態と労働時間

 雇用形態は,企業が直接再雇用する形態と,人材会社を経由する間接的形態とがあった。直接再雇用する形態では,前節で労働者と企業双方の合意点となりうると推定された契約社員(嘱託社員)(注14)が多く,一部パートタイマーとなっていた。定年退職者が人材会社に再雇用される仕組みのあるところでは,派遣社員と請負制となっていた。いずれにしても,正社員ではなく,短期契約による雇用となっており,その契約を更新することによって就業が継続する形態となっていた。そのときの環境状況に,柔軟かつ敏速に対応して雇用調整を図ることができるためであろう。
 労働時間は,短時間労働も制度としては用意されてはいたが,企業・労働者双方ともフルタイム希望が多く,実際の雇用もフルタイム労働が中心になっていた。したがって,これらの労働条件については,前節でまとめた企業・労働者の要望とおおむね合致していた。

 2 賃 金

 賃金は,企業,労働者ともに非常に重要視していたが,双方の具体的要望を調整すれば,およそ300万~500万円ぐらいで合意が得られると考えられた。実際に今回の調査結果より,高齢者雇用はおおむねその賃金水準で成立している。そして,この水準は双方の妥協水準ではあるが,年金を念頭に置きながら,労働者がそれなりの生活水準を維持することを考慮した水準であることも明らかになった。今後,年金の条件が異なってくるため,現在の生活水準を維持するためには,今の合意点が変化する可能性があり,検討が必要になろうかと思われる。
 さらに,定年後の賃金は,定年退職以前の業績や役職等には関係なく,今この時点においてその人が発揮できる能力(スキル)に応じて決められており,しかも,この能力(スキル)に対する需給関係(市場原理)が強く反映されたものとなっている。ここに,定年後の賃金は,定年前の賃金とその性格を著しく異にするという注目すべき特徴を持っていた。

 3 仕事内容と役職,職場

 高齢者雇用の問題として最重要課題となっていた,仕事内容と職場,役職との関係をいかに調整しているかを見てみよう。
 5社とも60歳が定年となっており,いったん定年で雇用関係を解除し,けじめがつけられた上で再雇用され,原則的には前職場で仕事に従事するものとなっていた。仕事内容については,定年後も第一線の仕事を担うケースや,コア業務から外れて補助的な業務に移行するケース,また教育的役割をも担うケースもあったが,いずれにしてもこれまでの業務内容の延長線上での仕事であった。コア業務を担う場合には,他の従業員と同様の条件での就業が要求されていたが,コア業務から外れると高齢者個人の判断による仕事の進め方やスピードなどが確保され,自由度の大きいものとなっていた。
 また,役職については全社とも降りていた。前述のように,一般的には定年後引き続き同じ職場で役職を降りて働くことは,高齢者本人にとっても職場の周囲の人にとっても難しい面があったが,これらの企業ではこの問題を乗り越え実現していた。その要因は,5社とも,労働者が,管理職としてではなく,一労働者として職場のニーズのある能力を持っていることを,再雇用の不可欠な条件としていたことにある。そして,企業は,職場が要請する仕事と労働者の能力とのマッチングが,雇用の最も重要な問題であることを認識して,その調整には十分な時間をかけて努力をしてきており,そのため,成果を上げることができたものと思われる。ただ,それでも,希望者全員が再雇用されている企業ばかりではなく,雇用されない労働者が希望者の1/3~2/3いるところもあり,それはまさに職場のニーズと労働者の能力とのミスマッチによるところが大きく,すべて解決されているわけではなかった。
 すなわち,これらの企業では,高齢者は,ベテランプレイヤーとして,豊かな経験や知識を十分に発揮することが期待され,前職場を中心にこれまでの仕事内容や関連業務を引き続き継続することとなっていたのである。したがって,高齢者が,最大の貢献(労働生産性)をもたらすことができる仕組みがつくられていたと考えることができよう。
 逆に言えば,労働者は,管理職としての能力ではなく,現場で活きるニーズのある能力を持っていることが,定年後の60歳代でも働くことができる条件となっていたのである。役職に対するこだわりは定年後もあったが,管理能力に対する企業評価の実態も認識し,ベテランプレイヤーとして仕事を行う能力を,定年前から身につけておくことが必要であると思われる。そして,この能力を持っていることが,現在の職場で役職を降りても働き続けることができる「人間関係」を構築する基盤ともなっていた。その人のベテランプレイヤーとしての能力に,職場の人が尊敬の念を持ち,周囲から信頼される人格の持ち主であることが,良好な業務進行や職場環境のために,重要となっていた。すなわち,この能力こそが,その人の存在意義を自他ともに認めさせることとなり,就業のあらゆる基礎となっていたのである。

 これまで見てきたように,労働条件については5社とも共通性が高かった。おのおのの労働条件は,一般の企業と労働者との要望においてほぼ合意可能と思われる水準で,実際の高齢者雇用は成立しており,特殊な条件ではなかった。そして,雇用の障害となる問題についても,おおむね同様な就業のあり方をもって,対応していた。高齢者の雇用には,現場でニーズある能力を持っていることが共通して不可欠となっており,労働者の生活水準や要望を十分に考慮しながら,高齢者の能力を最大限活かす雇用のあり方が,そこには存在していたのであった。


V 企業の姿勢と企業環境

 高齢者雇用の労働条件については,5社とも非常に似た仕組みとなっていたが,このような労働条件が生み出される背景にある,企業の経営方針や高齢者雇用についての考え方等には相違が見られた。それぞれの企業の概要については,表3に記したとおりであるが,ここではこれらを三つのタイプに分け,タイプ別に主要な特徴について考察を行うこととする。

表3 高齢者雇用について


 1 60歳+α型(B社,C社,E社)
 これら3社は,60歳定年制の完結した雇用の仕組みの上にプラスする形で,高齢者の雇用が考えられていた。業種や経営状況は異なり,好景気が続いて人手不足傾向の企業や,バブルの後遺症に苦しむ企業もあったが,高齢者雇用の考え方および基本的な仕組みが,「60歳+α」であることは共通していた。そして,このタイプの企業では,高齢者を雇用することのメリットについて,(1)高齢者の豊かな経験,これまでに培ってきた高い技術・技能を活かすことができる,(2)若年者にさまざまな技術・技能を伝授していく教育的役割を担うことができる,(3)年金との併用により,低コストの労働力である,ことが挙げられている。これら高齢者のメリットを十分に活かすよう,α部分の雇用の仕組みが工夫されてつくられている。高齢者に懸念される体力的な側面についても,機械化による負荷の軽減や照明の改善などさまざまな配慮がなされることにより,能力が十分に発揮できるようになり,高齢者は企業の戦力の一部となって働いていた。
 次に,各社の特徴を一瞥しておこう。
 B社は,日本が高齢化社会を迎えるにあたり,高齢者の働き方の充実を図ることを目的として,高齢者雇用を捉えており,したがって,福祉政策ではなく経営施策として60歳以降のプラスα部分の雇用について考え,その仕組みがつくられていた。そして,高齢者の豊かな経験と高い技術力は,職場を強化していた。
 C社は,「人に優しく,働きやすく,生きがいを持てる」ということが,工場経営の基本であり,そこには,女性,外国人,高齢者を含め誰が行っても同じことができる工場ラインが考えられていた。したがって,企業経営の基底にはすでに高齢者の働きやすい環境づくりがあった。近年,人手不足のため,コスト面や技術力などメリットの大きい高齢者雇用を,プラスαとして積極的に進めている。また,年齢構成において中堅層が少ないため,高齢者が若年層への教育的役割も担っている。
 E社は,すでに四半世紀以上の高齢者雇用の歴史があるが,昨今の厳しい経営状況とさまざまな条件変化によって法制上の問題が生じてきたため,制度改革が実施された。プラスα部分である高齢者の雇用は,経営悪化の影響を特に大きく受けていたが,これまでの実績もあり,その後も成果を上げ続けている。高い技術力と豊富な経験,信頼性を兼ね備えた高齢者が,現場で周囲にスムーズに溶け込み,戦力となっていた。
 概観してきたように,このタイプの企業は,60歳定年において,組織として一つの完結した雇用の仕組みができているが,社会的要請や人手不足により,高齢者雇用の仕組みをその完結した雇用の仕組みにプラスしている。一般に,定年年齢60歳が確立するとともに,企業の賃金や昇進,教育等の人事システムも60歳で完結する一つの形がつくられ,また個々の労働者もキャリア形成,職業人生において一つのけじめを迎える形になっていた。その完結したシステムの上に,高齢者雇用を加えるため,60歳以前の雇用の仕組み自体はあまり大きな改革をする必要はなく,高齢者の雇用制度は受け入れやすいものであろう。また,高齢者雇用を新たにプラスするものであるため,定年時に改めて企業が求める能力と,労働者の持っている能力との調整が行われ,新たな雇用関係が築かれるのである。したがって,雇用の基準も,これまでの業績や役職などではなく,この時点で企業の要請する仕事を行うことができる能力を保持しているということであり,賃金もその能力に対する需給バランスの影響を受けたものとなったのである。そして,定年60歳において,企業の仕組みも労働者のキャリア形成も一つの区切りがついているため,企業が相当調整に力を入れても,企業の要請と労働者の能力とのミスマッチが生じてしまい,必ずしも希望者全員の雇用が実現できてはいなかった。
 また,今後,Iで述べたように,年金の支給開始年齢の引き上げによって最終的には60歳からさらに5年間という期間の就業が社会的要請となり,高齢者雇用の必要な期間は現在より長期化する。そして,高齢化の進展によって60歳以上の労働力人口が,全労働力人口の2割近くにも上ることが推計されている。しかも,現在は高齢者雇用において賃金面は大きな問題にはなっていなかったが,年金収入の低下により,賃金の引き上げが必要になる可能性もあり,このことは賃金に見合うだけの労働として,高齢者の労働生産性の向上が要求されることである。このように,近い将来,60歳以上の労働力人口の量的増加,就業期間の長期化,さらに生産性向上につながる能力の向上という課題に直面した場合,果たして,この「60歳+α型」の高齢者雇用で,これからも十分対応できるのか,疑問の残るところである。このタイプの企業は,もともと定年前の労働者をもって,企業目的達成のために最も合理的で完結性のある組織を形成してきている。そこに,高齢者の就業機会を求めようとすれば,多少高齢者の活用の道を創出することができるとしても,多くの高齢者を雇用する余地は甚だ少ないものと思われる(B社参照)。特に,今日の経済状況の下では,企業は極力余剰労働力を排除し合理化の極限を追求しようとしており,企業はプラスα部分の雇用を維持・拡大することができるであろうか。すなわち,企業としての合理性の追求と,社会的要請としての高齢者雇用の拡大とが矛盾する可能性がある(注15)。
 そこで,次に,このような厳しい状況を突破する可能性を持っていると思われるタイプとして,新たに「年齢捨象型」と「年齢対応型」という二つのタイプについて見てみることとしよう。

 2 年齢捨象型(D社)

 D社においては,雇用関係が「年齢」という基軸によって秩序づけられていることに対し,そもそも疑問を呈している。雇用は本来年齢にかかわりなくスキルによってなされるもので,賃金もそのスキルに対する市場価格であるべきものと考えている。すなわち,高齢者,若年者という年齢による区別なく,その人の持っているスキルが雇用関係の基軸であると考えられていた。
 このような考え方を持つ背景には,従業員構成に一要因があると思われる。全従業員のうち正規従業員がわずか約15%で,残り約85%が非正規従業員という特徴ある構成になっている。非正規従業員の雇用関係は,その業務を行うことができる,すなわち業務を遂行するスキルによって成立し,賃金もその業務内容に応じたものとなっている。つまり,業務遂行能力(スキル)を基軸にした雇用関係を築いているものが85%を占め,正社員であるわずかな社員が年齢を基軸にした雇用関係となっている。
 しかも,労働力の流動性が高く,とりわけ35歳以下の労働者の定着率は低い。そのため,業務が順調に遂行されるためには,担当者が退職してもその仕事を次の人がスムーズに引き継ぎ,滞りなく継続していかなければならない。したがって,年齢には関係なく,その仕事を行うことができること,つまりその業務遂行能力(スキル)を持っていることが,雇用の基準となり,賃金もその能力に応じたものになると思われる。そのため,業務遂行能力が変わらないにもかかわらず,定年が60歳という年齢であるために,60歳で退職するということに,非合理性を感じているのである。
 このように,スキルにより雇用関係が成立している非正規従業員の比率が高いこと,さらに労働力の流動性が高いため,業務遂行という「機能」的側面が雇用関係において最重要視されることが,この企業の大きな特徴となっていた。したがって,雇用関係において,「年齢」という基軸には疑問が抱かれ,業務遂行上の機能としての「スキル」が基底に考えられていたのである。賃金についても,その機能に対する価格,すなわち,スキルに対する市場価格という傾向が強いものとなっていた。そして,高齢者雇用が年金の併用により低コストになるとの考えはなく,高齢者ならではのメリットも特に感じていなかった。
 ただ,現時点で,制度のすべてが年齢を外した,機能重視型になっているわけではなく,この考え方に基づき企業運営の改革を進めている段階にあると思われる。店長も,管理職にとどまっておらず,50歳ぐらいで現場に戻り,60歳以降求められるスキル取得の機会を得るようにすべきではないかとの議論もあり,ソフトランディングを模索しながら,機能重視システムの一貫した構築を図っていると言えよう。

 3 年齢対応型(A社)

 高齢者が存在するのが自然の姿であり,またそれは社会の姿でもあるため,高齢者には,高齢者としての役割が存在すると考えているタイプである。
 A社は,固有の企業観を持っていた。若年者も高齢者も存在するのが自然の姿であるため,企業は永続的に存在しなければならず,そのためには,高齢者も「成長しながら働かなければならない」という考え方が基底となっていた。そして,年齢によって企業内での役割が異なっており,その年齢に応じた活躍が求められている。20歳代~40歳代は「力」「量」,50歳代~90歳代は「技」「質」の能力が必要であり,40歳代~50歳代のときにその能力の転換が行われることが重要であると考えられていた。「技」「質」が求められている高齢者は,新たな仕事を自ら生み出し,軌道に乗せ,それを若い人に譲っていくという働き方をしており,これは,この企業の大きな特徴と思われる。高齢者は,これまでに得た経験や知識を活かして働くことにとどまらず,豊かな知恵を持ってさらに新たなものを創出しており,まさに,高齢者が率先して「成長しながら働いている」のである。高齢者が第一線で働いて,他の労働者を導いていっているため,当然定年後も周囲から尊敬され,職場での人間関係も良好なものである。そして,高齢者の賃金は,その業務遂行能力によって決められており,まさに能力主義となっていた。
 高齢者がこのように働くことができる条件づくりは,すでに定年以前より行われていた。定年後に働くための,本人と職場との調整は当然のことながら,若年期より仕事と役職,賃金との関係,さらに教育など,さまざまな仕組みがそれに対応するように整えられている。
 定年前の賃金は,生活を機軸としたものとなっており,仕事内容や役職とはリンクしていない。役職は,事業を進めていく上での一つの役割分担にすぎないという認識であり,そのため,管理職が一般企業のように就業人生後半に到達する職務とは考えられておらず,管理職は30歳代に譲り,40歳代~50歳代には次の仕事に取り組むという姿も見られる。したがって,役職に基づき手当がつき,賃金も上昇していくシステムでは問題が生じるため,賃金と仕事と役職とは別体系となっている。このような定年前の賃金のあり方は,そのときに携わっている仕事内容や業績を直接反映するものとはなっておらず,まさに昨今広がりつつある成果主義的賃金とも全く性格を異にするものであった。しかし,このシステムは,生活の安定が保証されているため,役職も一つの役割分担にすぎないという意識が根づき,管理職を若い人に譲り,高年齢になっても成長しながら働き続けることができるための能力開発に打ち込むことができるのではないかと思われる。管理職から降りることに対し,労働者は抵抗感がなく,次のステップに進みやすいのである。
 このように生涯働き続けるためには,40歳代~50歳代に能力の転換が必要であり,この転換が図られるよう,職場のミーティングを中心とした教育の仕組みが存在していた。したがって,60歳を超えても成長しながら働くことができるための基盤が,すでに若年・中堅期のキャリア形成からできており,賃金・仕事・役職,教育などあらゆる面から企業組織において体系的につくられていたのである。
 同社の製品は注文生産のため,熟練が非常に重要となっており,そのため,年齢を重ねながら経験を積み技能を蓄積していくことが,成長につながることも多いと思われる。このような業務上の特性は,高齢者が成長しながら働くことを可能にしやすい一つの要素になっている。しかしながら,高齢者が「成長しながら働く」という考え方を基底にしたシステム・組織づくりが,企業全体として,すなわち労働者の若年期からすでに一貫して貫かれており,これが,高齢者が第一線で働くことを可能にしているものと考えられる。
 そして,実際,雇用関係は60歳の定年において一応区切りがつけられているが,ほとんどそこで退職する人はおらず,定年は一つのけじめではあるが通過点となっているのであろう。定年により,年金等社会的条件が異なり生活の保障もある程度なされるが,他方では高齢者としての役割を担う段階に至ったということで,これまでよりも厳しい雇用関係が成立していた。そこでは,改めて企業の必要とする能力と労働者の能力との調整と確認が行われ,その能力に対応した賃金が提供されるという,定年前とは異なる能力主義的傾向の強い雇用関係となっていた。まさに,年齢に応じた働き方が要求されているのであるが,そのための準備は若年期よりシステマティックになされているため,ほとんど全員が適応できているものと考えられよう。ただ,この先5年後ぐらいには,退職者の人数が増加するため,現行のシステムそのままを維持することは問題であると理解されており,すでに新たなモデルの検討段階に入っていた。

 「60歳+α型」の限界を突破する可能性として,「年齢捨象型」と「年齢対応型」との2タイプについて見てきたが,この2タイプおのおのが全く性格の異なる考え方であった。前者は,年齢を捨象し,仕事を行う機能的側面を重視しているため,雇用関係が業務遂行能力(スキル)に基づくものになっていた。後者は,若年者も高齢者も存在することが自然の姿であるから,人は年齢に応じた役割を担うべきであると考え,高齢者は,仕事を創出するという,まさに第一線での活躍となっていた。どちらの考え方も,おのおのの業種や労働者の特性に対応したものとなっており,企業のおかれた個々の環境条件において最適な姿を見いだそうとしているものと考えられる。また,両者とも,この考え方が制度として完全に確立したわけではなく,この実行に向けて進んでいる,あるいは直面している課題に取り組んでいる段階にあり,これからさらに進展していくものと思われた。


VI まとめ

 高齢者雇用問題の原因となっている賃金と能力とのバランスの視点から行った,60歳代の労働条件に関する企業・労働者の希望,および雇用障害についての調査研究を基に,本論文では,高齢者雇用を進めている企業へのさらなる実態調査を通じ,実際の労働条件や雇用障害への対応,また,高齢者雇用に対する考え方について分析を行ってきた。
 一般の企業と労働者との要望から調整可能と推定された労働条件,具体的には雇用形態,労働時間,賃金に関しては,ほぼ両者の合意水準において,実際に高齢者雇用が成立していた。このことは,高齢者雇用が,特別な条件において成立しているわけではなく,多くの企業においても実施しうる可能性を示唆していると言えよう。最大の雇用の障害は,高齢者の能力を最大限活かすことのできる仕事と職場との調整問題となっていたが,この点について,雇用を進めている企業では共通して,職場の要請と労働者の能力とのマッチが,再雇用における不可欠な条件となっており,各企業とも双方の調整に最も力を入れていたため,一定の成果を上げていたのである。ただ,ミスマッチも残っており,希望者全員が雇用されていない企業も少なくなく,完全にこの問題が克服されていたわけではなかった。
 つまり,高齢者の雇用の仕組みは,定年60歳においてこれまでの雇用関係にけじめがつけられ,改めて短期契約による再雇用が行われ,それを更新する形で就業が維持されるという,そのときの環境状況に応じて柔軟かつ俊敏に調整できる雇用関係となっていた。そして,再雇用では,管理能力に対する期待はなく,現場でのニーズに適合した能力を持っていることが不可欠の条件となっており,賃金についても,生活への配慮はなされているが,これまでの業績やポストに関係なく,この能力(スキル)に応じて決められ,そこには需給バランス(市場原理)の影響も見られた。
 このように,高齢者雇用の仕組みについては各企業共通点が多かったが,それに対し,その仕組みを生み出す背景にある企業の高齢者雇用に対する考え方には個性が見られ,3タイプに分類することができた。(1)60歳+α型:定年60歳までの完結した雇用関係の上に,高齢者の雇用がプラスされるという形で考えられている企業(B, C, E社)である。高齢者雇用によって,定年までの雇用システムに変更をあまり要しない型であるため,制度としては導入しやすいと思われる。しかし,高齢者の雇用がプラスαであるということは,定年後の雇用関係は,定年時に改めて,企業の要望と労働者の能力のマッチングによって成立するものであるため,両者のミスマッチにより雇用が成立しないことも少なくなく,課題となっていた。今後さらに,高齢者の労働力人口増加という量的増大,65歳までの就業要請という期間の長期化,さらに年金収入の低下による生活維持には労働生産性の向上,すなわち高齢労働者の質的向上も求められる状況になることを考えると,この制度のみにおける十分な対応には不安を感じざるをえない。そして,この課題を突破する可能性のあるものとして,二つのタイプが存在していた。(2)年齢捨象型:雇用関係において,年齢という基軸に疑問を持ち,労働者の業務遂行能力という「機能」的側面を重視していた。従業員の非正規従業員比率が高く,また流動性も高いという特性を持つこの企業にとっては,「機能」を重視した雇用関係が,業務遂行上必要となっており,このような考え方は,まさに現状への妥当な対応に基づくものと思われた。(3)年齢対応型:高齢者の存在が社会の姿であるとの考えにより,年齢相応の役割を果たすことが求められており,高齢者には第一線で働くことが期待されていた。また,そのような労働が可能になるために,教育はじめ,賃金や仕事内容などあらゆるシステムが体系的に,若年期から長期的につくられており,独特なシステムが成立していた。
 (2)年齢捨象型も,完全に考え方が制度として確立しているわけではなく,模索している部分もあり,(3)年齢対応型についても,今後の高齢化に現システムで完全に対応できるとは考えられておらず,現在検討段階に入っており,すなわち,この2タイプも体制が完全に確立しているわけではない。ただ,60歳+α型の高齢者雇用の限界を突破することができる可能性のある芽として,今後さらなる検討が望まれるところである。そして,高齢者雇用については,表面に見える労働条件のみならず,その背後にある考え方のいっそうの分析が必要となってくると思われる。
 最後に,高齢者雇用に対する考え方には企業により違いがあったものの,能力(スキル)形成のための人材育成,および労働者自身の自己研鑽の必要性については共通認識を持っていたことに留意しなければならない。60歳代前半まで働くということは,雇用のあり方が定年前と後では全く異なっており,求められている能力も異なっているということである。そのため,管理職として引退することを目標としたこれまでの職業人生の形成では,さまざまな問題を来しており,管理職を目指した,いわゆる典型的な人材育成のあり方についての見直しを考えている企業もあった。はじめに述べたように,今日ではすでに定年60歳までの雇用も不安定化しているのであるから,今こそ,最初からこれまでの職業人生のあり方を見直し,60歳代まで働くための新たな職業人生の形成を考えるときである。そして,これは,若年層のときからの人材育成を含めた「働き方」全体,すなわち,賃金,仕事,役職のあり方などの見直しが求められているものであり,そこには,将来を見据えた長期的な視点が必要となってくると思われる。

1)国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成14年1月推計)」。
2)「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」第4条「…定年の定めをする場合には,当該定年は,60歳を下回ることができない…」。
3)厚生労働省「雇用管理調査」。
4)総務省統計局「労働力調査」,厚生労働省「職業安定業務統計」。
5)厚生労働省職業安定局推計(2002年7月)厚生労働省『労働経済白書(平成15年版)』。
6)cf. Becker (1964).
7)cf. Lazear (1979).
8)戎野(1994)などがある。
9)清家(1998)などがある。
10)労働省編(2000)pp. 225~228。根本文男(2003)。
11)戎野(2000)より,整理,検討を行った。また,実態調査については,筆者も参加しまとめた,中高年雇用機会確保研究会編(2000)に詳細を記してある。
12)実態調査については,戎野(2003)に詳細を記してある。この調査結果を基に,検討を実施した。
13)戎野(2002)における調査対象は,任意抽出した企業およびその労働者(ホワイトカラー)であるため,高齢者雇用を実施していない企業も含まれ,一般的な企業および労働者(ホワイトカラー)の認識を示しているものと思われる(調査の詳細については,中高年雇用機会確保研究会編(2000)。これによって明らかになった高齢者雇用にかかわる認識や問題を持って,5社の調査を行ったところ,ブルーカラーにおいても同様の内容となっていた。
14)契約社員と嘱託社員は,ほぼ同じ意味内容に使われている。労務行政研究所編集部『労政時報』第3369号,第3370号参照。
15)坂口厚労相が,厚生年金支給開始年齢の引き上げに合わせて,定年65歳への延長を義務化する法改正案を来年の通常国会に提出する考えを示したことに対し,日本経団連の奥田会長は,「企業経営や経済の実態を無視した議論」と法制化に強く反対する姿勢を明確にしており(2003年10月31日付朝日新聞),まさしく,社会的要請と企業経営の実情との葛藤が現れていると言えよう。


参考文献

戎野淑子(1994)「高年齢者雇用に関する産業別特性」高年齢者雇用開発協会『高齢化時代に適合した賃金体系モデル』。
戎野淑子(2001)「中高年齢者の雇用問題と雇用機会確保について」『三田商学研究』第44巻第1号。
戎野淑子(2002)「中高年齢者の雇用問題と雇用機会確保・創出について」『日本労務学会誌』第4巻第1号。
戎野淑子(2003)「高年齢者雇用の実態――5社のモデルケース」日本労働研究機構編『労働力の高齢化と日欧政府・企業の対応』。
厚生労働省「雇用管理調査」。
厚生労働省「職業安定業務統計」。
厚生労働省『労働経済白書(平成15年版)』。
国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成14年1月推計)」。
清家篤(1998)『生涯現役社会の条件』中公新書。
産業雇用委員会(2002)『グローバリゼーション・IT革命と日本の雇用に関する調査研究報告書』雇用・能力開発機構。
総務省統計局「労働力調査」。
中高年雇用機会確保研究会編(監修永野仁)(2000)『ホワイトカラー40歳からの雇用』社会経済生産性本部。
日本労働研究機構(1987)『加齢と職業能力に関する調査結果報告書』。
日本労働研究機構(2000)『職場における高年齢者の活用等に関する実態調査』。
根本文男(2003)「中高年ホワイトカラーの賃金と「企業貢献度からみた生産性」に関する考察」『日本労務学会誌』第5巻第2号。
藤村博之(2001)「60歳代前半の雇用継続を実現するための課題」『日本労働研究雑誌』No. 487。
労働省編(2000)『労働白書(平成12年版)』。
 Becker, G. S. (1964) Human Capital: A Theoretical and Empirical Analysis, Columbia University Press.
 Lazear, E. P. (1979) Why is There Mandatory Retirement?, Journal of Political Economy. Vol.87, No.6.


 えびすの・すみこ 嘉悦大学経営経済学部専任講師。主な論文に「労働時間と労働者の生活」『三田商学研究』第46巻第1号(2003年4月)など。労使関係論専攻。